レジーのブログ(旧)

15/4/23 昨今の諸々を踏まえて移管します。詳細は最新記事をご確認ください。ブックマークいただいていた方は変更をお願いします!

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アイドルと自意識、アイドルの自意識15 - Perfumeドーム公演が示したアイドルブームの先にあるもの

レジー「12月8日にPerfumeの京セラドーム大阪公演に行ってきました」

司会者「ちょっと前の話になりますね」

レジー「ほんとはもっと早くこの話やりたかったんだけど、東京ドーム終わってからじゃないとネタバレになっちゃうからね」

司会者「Perfumeファンの人たちはネタバレに関してはわりと徹底してますよね」

レジー「今回ドームで間口広がったこともあってか必ずしもそうなってない部分もあったようですが。というわけで、無事に24日25日のライブも終わったので遠慮なくライブについてやりたいと思います」

司会者「ケイクスの原稿では「24日25日は平日で日程が微妙だから確実に行ける土日の大阪へ」とのことでしたが」

レジー「それがねえ、予想外に仕事が炎上してて、水曜日くらいの段階ではもしかしたらこれ大阪行けないんじゃないか?ってのも覚悟してました」

司会者「へえ」

レジー「結局当初予定通り土曜日から大阪入りできたんだけど、会社のPC持参してちょこちょこ作業してましたよ」

司会者「サラリーマンも大変ですね」

レジー「まあこれでご飯食べてるから仕方ない。土曜日はこのブログの元ネタでもあるkenzeeさんに初めてお会いして、ここでは言えないようなネタも含めて盛り上がりました。kenzeeさんありがとうございました。その辺の話はこちらで

司会者「そして翌日、日曜日がドーム公演の日でした」

レジー「京セラドーム大阪って初めて行ったんですが、まず見つけたのがこの看板ね」

oosaka_kanban.jpg


司会者「ジャンピング禁止」

レジー「あとは物販に行きました」

司会者「普段あんまりグッズとか買わないのにね」

レジー「時間もあったし旅行気分だったから財布のひもが緩かったね。パンフレットとトートバックを買いました」

oosaka_buppan.jpg


司会者「関係ないものが混ざってますが」

レジー「これはこの前ティファニーでもらったVOGUEとのタイアップパンフレットですね。一応大人Perfumeしばりってことで。最近はこういういい女系の展開増えてておじさんは嬉しい。で、グッズも買って会場付近うろうろしてたらこんな一団に」

oosaka_dance.jpg


司会者「みんな踊ってるんですね」

レジー「うん。本気踊りですよ。コスプレしている人もたくさんいて面白かったな。その場でどんどん参加者増えてく感じが素敵でした。周りにも見てる人いっぱいいて、それぞれ自由に楽しんでる空気が良かった。3人が絡んで踊るパートは即席で3人組になってみたり」

司会者「外国の方もいらっしゃいましたね」

レジー「あの男の人超うまいなあと思ってみてたら、ライブ本番ではアリーナ席にいたみたいであ~ちゃんに絡まれてた。ダンスコンテストに応募してたらしい。そりゃ上手なわけだ」

司会者「ライブ自体はどうでしたか」

レジー「ナタリーに東京ドーム公演のレポが出てるけど、基本的には『LEVEL3』中心のライブです。冒頭3曲がアルバムと同じ流れでテンション上がりました」

司会者「『Spring of Life』では3人が離れた場所で踊ってました」

レジー「間奏部分で座ってるあ~ちゃんを2人が起こすところどうすんのかなと思ったら、それぞれがそれぞれの動きして映像見るとちゃんと引っ張り起こしてるように見えてておお!ってなった。ちなみに僕ライブ見てるときそういう「おお!」とか「すげー!」とか「なるほど!」とかぶつぶつ言いがちなんだけど、今回隣にいた大学生くらいの女子がそれにいちいち反応してこっち見てくるのが辛かった」

司会者「すごい迷惑かけてますね」

レジー「申し訳なかったけど、普段そんなことはないんだけどなあ。で、次の曲が『Magic of Love』ですよ。この記事にも書いたけどアルバムミックスのイントロが大好きなので、あれ流れたときは高揚しました」

司会者「他のアルバム曲はいかがでしたか」

レジー「『Clockwork』は後ろの映像も含めてかっこよかった。ちょっと残念だったのは『ポイント』で、クレーン的なものに乗って空中を移動するみたいな演出だったんだよね。この曲でがっつり踊るの見たかったんだけどなあ。あとはやっぱり『Party Maker』ですかね」

司会者「目玉的なパートに位置づけられてましたね」

レジー「ステージの縦、横、奥行きフルに使った演出で、当然映像とのリンクもあり。巨大なかしゆかが出てきたり、その体がパズルみたいに分断されたり、なんかちょっと狂気すら感じたわ。すさまじかった」

司会者「そこから『Spending All My Time』にいって、『コンピューターシティ』へ続きます」





レジー「『Spending All My Time』が終わった瞬間『コンピューターシティ』の最初のポーズになったのが最高だったなあ。そしてこのあとやった『エレクトロワールド』も含めて、この辺の曲は完全に体に染みついてるよね。たぶん寝起き5秒くらいでも踊れるんじゃないかってくらいの自然な感じで」

司会者「古い曲も効果的に使われてましたね」

レジー「うん。なんか『ワンルーム・ディスコ』久しぶりに見た印象なんだけど気のせいだろうか。で、『ワンルーム・ディスコ』の前後に『ジェニーはご機嫌ななめ』と『未来のミュージアム』をやってて。会場の前後を移動しながらのパフォーマンスでした」

司会者「3年前の東京ドームでも行われてた演出ですね」

レジー「このときの衣装が超かわいかった

司会者「サンタモチーフの赤白衣装です」

レジー「女子のサンタコスはほんと幸せになるね。この辺のパートは『LEVEL3』がっつりやってた前半部の緊張感との対比があって良かったです。ただ、こういう息抜き的な部分があったり面白いMCがあったりしながらも、全体にはすごくストイックなライブだったなあというのが一番の印象です。特にライブの終わり方でそう感じました」

司会者「アンコール後特にMCとかもなくアルバムのラスト曲でもある『Dreamland』が始まって、そのまますっと終わりましたね」

レジー「気品のある終わり方だった。で、今回のライブについて改めて考えたときに直近のアルバムである『LEVEL3』の話になるんですけど。このアルバムってしきりに3人が「ドーム公演のためのアルバムを作った」って発言してたじゃないですか」

司会者「そうですね」

レジー「セットリストもまずは『LEVEL3』の曲でがっつり固めて、あとは定番曲をちりばめてく感じで。逆に言うと、『LEVEL3』の楽曲以外ではあえて大きな見せ場は作ってないとも言えると思うんですよ。もちろんどの曲も良かったけど「いつも通り良い」って話であって」

司会者「とにかく『LEVEL3』というアルバムの世界観を伝えることに特化してたわけですね」

レジー「たぶんそういうことなんじゃないかなあ。アルバム後に出た『Sweet Refrain』をやらなかったのも、単純にライブ演出の詰めとリリースタイミングが合わなかったみたいな話もあったのかもだけど、「『LEVEL3』というアルバムを表現する」って立場で考えたがゆえの決断だったのかなと。で、なんでこんな話をしているかということなんですが、Perfume大好き経済学者でおなじみの小幡績さんがご本人のブログで今回のライブについてこんなことを言ってまして。大阪初日の感想です」

数々の目標を達成し

海外、というものが彼女たちにはピンと来なかった。

だから、今までのひたむきな勢いが失われている、と思っていた。

今日のオープニングから最初のトークではそれを感じた。

最初のドームのあの震えるような感覚。

それはもうここにはなかった。

突っ走る三人。

やはり、最初のドームのエンディングで彼女たちはひとつの極みに達したのだ。

あそこはひとつの区切りだったのだ。


司会者「うーん」

レジー「実際のところ「ひたむきな勢いが失われている」かはわからないんだけど、Perfumeにとっての「目標に向かって突き進む」みたいなフェーズが終わってしまったってのは確かにそうだと思うんですよね」

司会者「まあ大体のことはやっちゃいましたしね」

レジー「うん。海外にファンがいるのも確認できてるし、ドーム公演ですら今回が初めてではない。こういう流れで「念願かないました!ドームツアーです!」ってやるのは逆に不自然なわけです。で、この手の話をアイドルシーン全般に広げて見てみると、今ってこの「念願の・・・」って論法でしかいろんなものが進んでいかない感じになってますよね」

司会者「あー」

レジー「「武道館でやりたい」とか「紅白に出たい」とか、そういう目標を設定してそこに到達するまでのプロセスをゲーム的に楽しむ、ってのが行き渡りすぎちゃったんじゃないかなあと。このやり方って、じゃあ目標達成しちゃったらどうする?解散?って話になっちゃう危うさがあると常々思ってるんですけど」

司会者「AKBが東京ドームやったあとの何とも言えないぐだぐだ感はこの辺に起因しますよね。あっちゃん卒業っていうあまりにも偉大なことが起こってしまったというのを差し引いても」

レジー「4月の武道館のライブYouTubeで見たけど、5大ドームツアーが発表になった時に泣いてたのたぶんたかみなだけだった気がする。逆にあそこで泣けるたかみなすごいなって思ったけど。国立競技場ライブも何かねじ込んだ感じになってるけど、単に規模拡大競争したところでそれの意味がわからんみたいな。適切な「ゴール」を作れないから、もはや「ゲーム」が駆動しない状況になってるんじゃないかな」

司会者「国立と言えばももクロのライブも発表になりました」

レジー「あれは一応「目標」って自分たちで言ってたから意味は分かるけど、これだってやり終わっちゃったらどうすんのかなって感じはするよね。で、この辺の話って、ただただ「大きいところでやりたい」「注目される場に出ていきたい」ってことを言ってるだけで、「いい歌を歌いたい」「いい作品を作りたい」みたいなことは全然出てこないんですよ。こういう流れで見ると、今回のPerfumeの「アルバムの世界観を伝える」っていうトライの特異性が際立ちますよね」

司会者「単なる拡大路線・成長競争を終わらせた後に、「いい作品をベースにいいライブをやる」っていう表現者として当然の場所に立ったのが今回のドームツアーであると」

レジー「当たり前の話だけど、「念願の・・・」がなくたってミュージシャンの歴史は紡がれていきますからね。PerfumeはAKBよりも先にドーム公演やってるわけでこの手の規模拡大競争の先頭に立ってたとも言えるけど、そのトップランナーがそういうレースを終えて「いい作品をベースにいいライブをやる」っていうことをやった意味は大きいと思います」

司会者「文字にすると当然な感じですが、そういう視点とは異なる力学で動いてるのが今のアイドルシーンだったりしますからね」

レジー「僕は、というか僕に限らずいろんな人も言ってるけど、Perfumeってのはアイドルとして前人未到の道を切り開いてるし、他のアイドルにとってのロールモデルになるべき存在だと思っています。「動員拡大競争とそれを巡るゲーム化」みたいな話は必ず終わりがあるわけで、その次のフェーズにどうやっていくかってことをそろそろ考えるべきタイミングに来てると感じるし、そこに最初に立ち入ったのはやっぱりPerfumeだったってのはすごく納得感のある話だなあと思いました」

司会者「こういう切り替えというか発想の転換ができるかってのが、「売れたアイドル」のターニングポイントになるんですかね」

レジー「そうね。そういう意味で言うと、たとえば9nineは来年武道館が決まっててすごく楽しみなんだけど最近のシングル曲から考えると個人的には「規模拡大競争の“次”」が見えづらいのが気になってます。なんか世界観もへったくれもない気がしてるんだが、この前の舞浜のライブとかどうだったんだろ。4月の中野サンプラザ行くのでそのあたりも注目したいなと。あとももクロは以前『5TH DIMENSION』の再現とかツアーでやってたみたいだし、国立終わったらよりそういう方向に舵切ってくのかなとか。女子流の生バンドでやるライブとかも規模拡大・効率重視とは違う流れのものだよね」

司会者「48グループはどうですかねえ」

レジー「あの人たちは大箱のライブを「人を大勢集めるお祭り」としか捉えてないから、今のビジネスモデルのままだと方向転換はないと思うんだよね。だから結局キャラ頼みというか、ルーティンの中で誰かの覚醒を待つって話でしかないと思う。たぶん可能性があるのはむしろ乃木坂の方で、『16人のプリンシパル』とかすごく評判がいいじゃないですか。武道館ライブみたいなのをやりつつそういう新しいトライもしてるわけで、その2つの流れが合流していくところに面白いものがあるんじゃないかなー」



司会者「乃木坂はまだアルバムも出てないですからね」

レジー「そうね。それ聴いてからだね判断するのは。そしていまだに一度も見たことないので来年こそは。長くなってきたのでこんな感じで」

司会者「わかりました。Perfumeのライブの話からアイドルの規模拡大競争とその後みたいな話になりましたが、最後まとめていただけると」

レジー「そうですね、とにもかくにも今回のドームツアー体験できてほんとよかったです。Perfumeにとってもアイドルシーン全体にとってもすごく意味のあるライブだったと思う。作品の世界観とセットになったこういうライブをあのスケールでやれるアイドルがどんどん出てくればいいなと。来年は「初武道館組」がさらにいろいろ生まれるわけで、その人たちが「次」にどうやって進んでいくのか注視していきたいと思います。で、最後に、ちょうど今読んでる『新・日本人論』って本に載ってる『釈徹宗による井上雄彦論。』の冒頭にこんな記述がありまして」

もはや近代成長期を終えて近代成熟期社会となっている現代日本において、今なお「成長を自己目的とし、次のステージへと駆り立てる構造」なしには成り立たない世界がある。それが少年漫画の世界である。一般商業誌に掲載される少年漫画の多くは、基本的に読者を「煽る」ストーリー展開になっている。宗教社会学者・大村英昭などが言うところの「煽り型プロテスタンティズム」が、少年漫画には溢れている。



司会者「これって昨今のアイドルシーンの動向にもぴったりあてはまりますね」

レジー「僕もケイクスの原稿でここまでのPerfumeの足跡について「少年ジャンプ的世界観」みたいなこと書いたんだけど、今回のドームライブはPerfumeがいよいよ違う世界を見せてくれる「その次のフェーズ」に突入したなあというのをこれ読んで改めて感じました。というわけで、この先のPerfumeも当然のように楽しみに追っていきたいと思います」

司会者「わかりました。では次回はどうしますか」

レジー「もう今年終わるのでブログ全体の総括っぽいことやって最後にしようかな」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」
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アイドルと自意識、アイドルの自意識14 - 「第2回アイドル楽曲大賞」に投票しました

司会者「ぼちぼち年間ベストの季節ですね」

レジー「そうですね。今年も基本的には去年と同じ形で発表していきたいなと思います」

司会者「曲単位で10曲、アルバム単位で10枚と。去年はこんな感じでした」

【2012年総括】マイ年間ベスト10曲(10位~6位)
【2012年総括】マイ年間ベスト10曲(5位~1位)
【2012年総括】マイ年間ベスト10枚(10位~6位)
【2012年総括】マイ年間ベスト10枚(5位~1位)

レジー「今回は選ぶの結構苦戦してるので、次点という形でそれぞれプラス5つくらい紹介したいなと思ってます」

司会者「わかりました。今回から早速始めますか」

レジー「いや、今最終調整中なので年間ベスト企画は12月に入ってからスタートさせたいと思います。今回は前哨戦ということで、先ほど投票が締め切られた「第2回アイドル楽曲大賞」に投票したのでそれについてやりたいなと。今年気に入ったアイドル関連曲の紹介ということで」

司会者「わかりました。この企画は「メジャーアイドル楽曲部門」と「インディーズ/地方アイドル楽曲部門」にわかれていて、各部門ごとの持ち点10点を自分が選んだ5曲に割り振っていくという形式をとっています」

レジー「というわけで、それぞれの部門で選んだ5曲を点の割り振りと合わせてご紹介したいなと。近々発表する年間ベストにもここで選んだ曲が入ってたりもすると思います。いい曲多いのでぜひ聴いてみてください。ちなみにPerfumeの曲にも投票できたんだけど、何となくこの文脈に入れるのは違うような気がして自分の中で対象外としました。そんなことも踏まえて、それではどうぞ」


メジャーアイドル楽曲部門

チョコの奴隷 / SKE48
3.5ポイント




CANDY / 9nine
2.5ポイント






君に恋をした / ノースリーブス [峯岸みなみ]
2ポイント




ひとりぼっちのラビリンス / lyrical school
1ポイント






SUPERMCZTOKYO / ライムベリー
1ポイント




レジー「今年は『恋するフォーチュンクッキー』を筆頭に48グループの曲今まで以上に能動的に聴いた気がする。ここではリリース時からかなり聴いてた『チョコの奴隷』と、川本真琴ワールド炸裂の『君に恋をした』に投票しました」

司会者「9nineとリリスクはtofubeats楽曲です」

レジー「ほんと素晴らしいです。前も触れましたが特に『CANDY』の歌詞世界が素敵です。音は言わずもがなで、こういう繊細さがあるのに踊れる音がもっとアイドル楽曲で増えるといいなあと思いました。ライムベリーはTIFで見たステージが超楽しかったので選びました。この人たちのライブは改めて見に行きたいです」


インディーズ/地方アイドル楽曲部門

Blue Sky / FantaRhyme
5ポイント




ONE DAY IN SUMMER ~君が僕に恋を始めるまで~ feat. FantaRhyme / TRICK8f
2.5ポイント




ミッドナイトConfusion / Especia
1ポイント




午前11時 / クルミクロニクル
1ポイント






Run♪ / TAKE OFF
0.5ポイント




レジー「正直な話、こっちの部門は選べるほど詳しくないというのがあります」

司会者「まだまだ知らないアイドルばっかりですね」

レジー「ね。何か一度はまったら最後的な奥深さを感じます。そんな状況ではあるんですが、今年聴いていいなと思った曲がいくつかこちらにエントリーされてたので何とか選べました」

司会者「『Blue Sky』と『ミッドナイトConfusion』は以前も取り上げてましたね

レジー「『Blue Sky』はほんといい曲だよなあ。ちょうどサンセットライブで福岡行ってた時にインストアイベントがあったみたいで、とても悔しいニアミスでした。Especiaももっと知られればいいなあと思う。FantaRhyme絡みで知ったTRICK8fもかっこいいね。この音の気持ち良さ最高です。なんかさかいゆうとかそういうアーバンな感じがありますね」

司会者「クルミクロニクルも聴いてて気持ちいいですね」

レジー「いろいろ話題になってるのは知ってたんだけどちゃんと音聴いたのは最近でした。これ完全好物ですよ」

司会者「最後のTAKE OFFだけずいぶん毛色が違いますが」

レジー「これは完全に応援票ですね。TIFで握手したので。風花ちゃんかわいい」

司会者「そういうことか」

レジー「しかし久々にサイト見たら3人になっててびっくりした。何があったんだろう。まあこんな感じで投票してきました、ということで」

司会者「何か感想などあれば」

レジー「そうですねえ。ちょっと話それますけど、アイドル界隈でときたま「良質なポップアルバム」みたいなコンセプトの作品ってあるじゃないですか」

司会者「好きですよねそういうの」

レジー「好きなんだけど、それ系の作品ってもしかしたら去年のトマパイのアルバムでトドメ刺されちゃったんじゃないかと思った」



司会者「あー」

レジー「どこまで共感性あるかわからないけど、「普通にいい歌」の「普通に」の部分がものすごくハードル上がっちゃったんじゃないかなあと。やっぱり罪な人たちでしたねトマパイは」

司会者「本人たちやる気なかったのにね」

レジー「というわけで、去年のレジーのブログ年間ベストアルバムのTomato n’Pine『PS4U』、まだ聴かれてない方はぜひ聴いてみてください。話がつながったところで、次回から2013年マイ年間ベストの発表にいきたいと思います。まずは曲からやって、その後アルバムという流れで進めますのでぜひお付き合いください」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」

アイドルと自意識、アイドルの自意識13 - 「現場派」も「楽曲派」も同じアイドルファン

レジー「こんなの読みました。新潮45は記事のばら売りしてくれるのが良い」



司会者「地下アイドル評論家の濱野智史さん」

レジー「いや、その肩書きは」

司会者「もともとは情報社会論とかアーキテクチャについてが専門の方です」

レジー「いや、もともとというか今もそうなんじゃないか。でも最近ほんとどこが本分かよくわかんないよね。これ出た時に濱野さんがこういう人になるなんて誰が想像しただろうか」



司会者「名著ですよねこれ。ちなみにTIFにもいらっしゃったそうです」

レジー「なんか目撃情報あったよね。で、この本の内容はというと、TIFにもたくさん出ていたような「地下アイドル」、濱野さんの定義を借りると「ほとんど「マスメディア(=地上)」には露出することなく、ライブハウスやイベントスペースでのイベントを中心にしているアイドル」ということですが、こういうアイドルの現場に通っている人たちの生態について描かれています。日本中の現場に行って握手をするためにどうやってお金を捻出しているか、みたいなリアルな話が多数。そしてその根底にある「コスパ」という考え方に支えられた地下アイドルのマーケットを「日本社会のデフレ化のはてに生み出された」ものとし、それが「新たな時代の「資本論」のふさわしい光景である」と結んでます」

司会者「すごい世界ですね」

レジー「結構衝撃的だった。これ100円で手軽に読めるのでぜひ読んでみてください。何が衝撃って、音楽の話がほとんど出てこない」

司会者「へえ」

レジー「なんかさ、「Negiccoのアルバムが良い」とか「リンダⅢ世の新曲がどうのこうの」とか、そういうのとは全く別の世界のように感じた。でもこれもまた「アイドルブーム」の一つの真実なんだよね」

司会者「結局のところ握手のようなコミュニケーションがマーケットを駆動しているという考え方に立つと、濱野さんが書いている世界の方がアイドルブームの本質なのかもしれないですね」

レジー「そんな気もする。これに関しては思ったことが2つあって。1つは、最近「アイドル論」「アイドル楽曲論」的なやつってかなり大量に世の中に溢れてるじゃないですか。自分もある種片棒を担いでる部分もあるのかもしれないけど、そういうのやるときには濱野さんが書いてるような「音楽なんて関係ないけど、「アイドル」というカルチャーを骨の髄まで楽しんでいる人たち」がいることをちゃんとイメージできてないと結構危ないなと思いました」

司会者「何週間か前ですが、アイドルの現場にガンガン行ってる人たちが「害になりそうなアイドル論を見かける」みたいなツイートを同時にしてたことがありましたよね。そういう違和感を感じてるんじゃないでしょうか」

レジー「うん。ここは気をつけないといけないなと。で、もう1つが「音楽の話が出てこない」ってところなんですけど。こういう人たちがアイドルを楽しんでいてかつお金も落としてくれる「優良顧客」だとすると、曲を選定する基準が「ノリが良いか良くないか」みたいな話に収斂しちゃうのは仕方ないような気がしました」

司会者「あー」

レジー「この辺はいろいろ考えさせられることがあって。今度HKTの新曲が出るんですけど」

司会者「『メロンジュース』ですね。先日のTIFで初披露されてました」



レジー「この曲の初披露後に「神曲すぎる」ってスレが立ってて

司会者「これが神曲ねえ」

レジー「一方で、『恋するフォーチュンクッキー』初披露後の反応を拾ってみました」

11:名無しさん@実況は禁止です:2013/06/29(土) 21:54:35.09 ID:sxcGuEnd0
ゴミだわこれ

12:名無しさん@実況は禁止です:2013/06/29(土) 21:54:38.05 ID:LhHDQ1TOO
ヤバくね?

18:名無しさん@実況は禁止です:2013/06/29(土) 21:54:49.46 ID:MSbu8Q2vO
テンポゆっくり過ぎない?
流行らないだろなぁ

34:名無しさん@実況は禁止です:2013/06/29(土) 21:55:31.59 ID:5edpirCJ0
これはひどい

36:名無しさん@実況は禁止です:2013/06/29(土) 21:55:34.65 ID:k1V1nFiI0
これは間違いなく糞曲だわwwww

37:名無しさん@実況は禁止です:2013/06/29(土) 21:55:35.39 ID:2mdXgLCk0
またノリにくい曲与えられたなw
発売する頃には完全に飽きる奴w

39:名無しさん@実況は禁止です:2013/06/29(土) 21:55:38.41 ID:JB0A7xJ0P
やっちまったなあ

40:名無しさん@実況は禁止です:2013/06/29(土) 21:55:39.09 ID:lT1jjoFM0
地味だな

43:名無しさん@実況は禁止です:2013/06/29(土) 21:55:43.65 ID:Ayh1uKid0
ないわー
これないわー

52:名無しさん@実況は禁止です:2013/06/29(土) 21:55:54.88 ID:IBqvqSHG0
指原には悪いがマジで糞曲だな


司会者「ふむ」

レジー「この2曲の評価の差が今のアイドルシーンにおけるいろんなものを表しているなあと。ノリ至上主義」

司会者「でも『恋するフォーチュンクッキー』は専門家筋含めて音楽好きな人の間ではかなり盛り上がってますよ」

レジー「うん。だってこれどう考えてもいい曲だもん。僕も大好きです。でもそういう論理じゃないんだよね、少なくとも48グループのファンコミュニティを動かしてるのは。で、最大ボリュームゾーンがこんな状況なわけで、そう考えるとアイドルのマーケットを支えている人たちの考え方はこの手のノリ至上主義が支配的なんじゃないかと思われる」

司会者「そんなもんですかねえ。ちなみに最近の『恋するフォーチュンクッキー』論壇というか、この曲を取り巻く言説についてはどうですか」

レジー「そうねえ、フィリーソウル話とかそうだよなあと思いながらいろいろ見てましたけど。この前のタナソーさん宇野さんのツイートが面白かったです」

司会者「これね」




レジー「深読みして楽しむのは自由だけど、どのレベルまで深読みして意味づけするかってのはセンスだよなあと思いました。ちょうど今『ももクロの美学』読み途中なんですけど、こんな記述に出会いまして」

「怪盗少女」に代表されるももクロの楽曲のバラバラな断片的性格、ハイブリッド性は、究極的には、現代日本における島宇宙化した人々の嗜好の、孤立した多様性を反映したものとみることができる。



司会者「そうなのか」

レジー「ヒャダイン型の「飽きを生まないための詰め込みポップス」って話をこんな風に意味づけしても仕方ないような気がするんだよなあ。島宇宙化とか関係あるのかな。後半にはこの文章が生きてくる展開があるのかもしれないけど。一方で、「何の深読みもしない」ことで滑ってしまうというケースもあって。『恋するフォーチュンクッキー』の歌詞分析っぽいの読んだんですが」

司会者「リアルサウンドのこの記事です

この曲を「物語性」という観点で聴くと、その歌詞はもはや「何も言ってない」のと同じだ。状況を描写する言葉は唯一「カフェテリア」だけで、風景が見えない。「ルックスに自信なくても前向きに。笑顔でいれば良いことあるかも」という低級な処世訓を演じているだけの5分弱。このフォーチュンクッキーは、まったく無根拠に「あなたとどこかで愛しあえる予感」がする程度で、全然恋なんかしてないのだ。

レジー「全体的にほんとにちゃんと聴いたのかなって感じなんだけど、やっぱりこの曲は「さっしーのこの1年」を踏まえたうえで話をしないと、それこそ「何も言ってない」批評になっちゃうと思うんだよね」

司会者「さっしーセンターの曲で「明日は明日の風が吹くと思う」って歌詞を歌うことがどれだけ重いか、ってことですよね」

レジー「そうそう。僕この曲テレビで見た時から、繰り返しサビ前でさっしーワンショットの「カモンカモンカモンカモンベイビー」ってところで1年間のいろんなことがフラッシュバックして毎回泣いちゃうんだけど、フルサイズで聴いたら2番の歌詞がまさにそこにつながっていく文脈になってるわけで。そのくらいは「周辺のコンテクスト」を補わないと苦しいよね。そもそもの問題としてこの文章全体が「最近のJ-POPの歌詞はクソ、阿久悠は良かった」みたいな結論ありきになってて、どんなおっさんが書いてるのかと思ったら27歳OLってプロフィールにあってびっくりしたんですが。まさか自分より年下の方とは」

司会者「深読みしすぎても寒い、深読みしなさ過ぎても滑る、微妙なところですね」

レジー「繰り返しになるけどたぶんそこがセンスなんですよ。いやー難しい。そこのスレスレのところをちゃんと狙えるかなんだよねきっと」

司会者「この辺はあんまり言うと自爆しますよ」

レジー「ほんとそうね。もうやめます。で、さっきの「ノリ至上主義」って話に戻りたいんですけど、この前TIFについてのエントリーで女子流の新曲がいまいちだったって話したんですが、これもこういう「ノリ至上主義」を過剰に意識しすぎた結果だと思うんですよ」



司会者「あー」

レジー「ボリュームゾーンはこっちなんじゃないかっていうね。商売上の戦略として一つのオプションだとは思うけど、それを女子流がやらなくても・・・感がすごい。と言いつつ、じゃあ今までのファン基盤だけでいけるのかっていう葛藤もあるんだろうし。でもやっぱりなあ。この前のエントリーにも書いたけど、「女子流の積み上げてきた良さをどんどん捨てていってる」って表現がぴったりだと思う。僕はやっぱりこれみたいな初期の作り込まれた品のある世界が好きだなあ」



司会者「「盛り上がれれば良い」っていう発想にシーンが塗りつぶされていくんじゃないかっていう恐怖はロックシーンの話に通ずるところがありますね」

レジー「ほんとそうね。まあでも僕自身大してお金も落としてないしあんま大きなこと言えないよね。ただ、やっぱり今シーンが元気なんだなあと思うのは、それこそ去年トマパイが止まって女子流もグズグズしてって感じで「単なるノリ重視/詰込み型ではない鑑賞に耐えうる楽曲を歌う人たち」が苦戦してるわけだけど、ちょっと空き始めてるそのゾーンに対してちゃんと違う人たちがどんどん出てきてるところですよね。最近だと筆頭はEspeciaなんですかね」

司会者「『ミッドナイトConfusion』いいですね」



レジー「これなら「ノリ」みたいなところにも最低限応えつつ、ただウリャオイやるだけじゃない雰囲気も作れるよね。女子流もこういうのやってよ。ほんと何なのあの曲」

司会者「こういう衒いなくキラキラした感じは「現場」でも映えそうですね」

レジー「うん。これ聴いてtofubeatsのアルバムに入ってた『SO WHAT!?』思い出した」



司会者「なるほど」

レジー「バンドものだとのあのわとかふくろうずとかの音作りにも近いものを感じました」





司会者「ふくろうずについては以前も書きましたが、のあのわのアルバムも素晴らしいですよね」



レジー「誰も教えてくれなくて3月にリリースされてから気づくまでにずいぶん時間がかかった。これすごいいいよ。今年のベストアルバム候補」

司会者「のあのわのインタビューではパッションピットの名前が出てました」



レジー「パッションピットって中田ヤスタカに影響受けてるって話だけど、そう考えると日本のアイドルシーンと相性が悪いわけないよね。あとパッションピットのツアーサポートやっててサマソニにも出てたチャーチズとかこの辺とも共振してる気が」



司会者「好きなんじゃないですかこういうの」

レジー「これ大好き。最近友人に教えてもらったんだけど早速音源落とした。9月にフルアルバムだって。ざーっと音源貼ったけど、こういうキラキラ系の曲が増えるのは自分のとっては嬉しいのでEspeciaはこういう路線でいってほしいなあ」

司会者「あと最近話題になったのはJuice=Juice の『ロマンスの途中』ですかね」



レジー「これかなり盛り上がってたよね。今年の楽曲大賞!みたいなこと言ってる人も結構いた気が。自分としてはそこまでって感じなんだよなあ。確かにかっこいいと思うけど」

司会者「以前の女子流のラインとちょっとかぶりますかね」

レジー「やっぱこのラインなら『ヒマワリと星屑』ですよ」



司会者「これはいつ聴いてもいいですね」

レジー「あとこの曲とブッダブランドのマッシュアップがあるんですけどこれすごいよ」



司会者「かっこいい」

レジー「アイドル曲マッシュアップ特集みたいなのそのうちやりたいな。『ロマンスの途中』に関して個人的な話をすると、どうしてもハロプロがスコープ外になりがちだったのでこの曲きっかけにしてこれ系のやつ掘ってもいいかなとか思いました」

司会者「モー娘。の『摩天楼ショー』とかね」



レジー「恥ずかしながら知らなかったんだけど、去年の『One・Two・Three』と一緒に出た曲だったのか。たぶんアイドル聴いてるけどハロプロは追えてないって人結構いると思うんだよなあ。『ロマンスの途中』はそういう認識を改めようと思うきっかけになりました」

司会者「長くなってきたのでぼちぼちまとめたいんですが。音楽に関与のないアイドルファンという話からノリ重視の風潮、そこに寄せた女子流と、そうじゃない動きとしてEspeciaとJuice=Juiceの話なんかをしてきました」

レジー「そうねえ、今回は最近こんなの好きですみたいな話だから大した結論もないんだけど。最初の方の話ともかぶってくるんだけど、「楽曲派でござい」みたいな楽しみ方が全てじゃないし、音楽関係なくアイドルにお金落としてる人たちがいるからこそ今の豊かな状況があるってのはちゃんと理解しないといかんなあと思いました。最近アイドル語る人たち多いけど中には「お前別にアイドル好きじゃないだろ」みたいな感じの人も混ざってるし、その辺の空気感は「結局のところアイドルマーケットを支えているのは誰なのか」ってところへの理解がちゃんとあるかってところがかなり影響してくる気がしますね」

司会者「なるほど」

レジー「まあだからと言ってじゃあ自分が毎週日本中の現場回ってチェキ撮ってきたいかっていうとそういうわけではないし。いろんな楽しみ方あるってのを認めつつ、僕は音楽の話をしていきたいなと思いました。アイドルの楽しみ方への理解って話で言うと、先日「「アイドルブーム」を多角的に理解するための良書10冊」ってまとめを作ったのでこちらもよろしければ」

司会者「わかりました。今回はそんなところですかね」

レジー「あ、最後に、最近聴いて一番ぐっときたアイドルソングを紹介したいと思います」



司会者「ファンタライムね」

レジー「踊ってラップする子たちって印象だったんだけど、こういうど直球ポップスが出てきてびっくりしました。一回見てみたいな。みんなで応援していきましょう。というわけでこんな感じで」

司会者「次回はどうしますか」

レジー「来週末サンセットライブに行くのでその話かなあ。その前に告知ネタで一度アップすると思います」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」

アイドルと自意識、アイドルの自意識12 - TOKYO IDOL FESTIVALを堪能してきました

レジー「こんなイベントに出ます」

08/08 THU
『アイドルとロックの蜜月』
 柴那典×さやわか×レジー
さながら群雄割拠の様相を呈する2013年のアイドル戦国時代。
従来の活動範囲だけに留まらず、ロックフェスティバルにも進出してきた彼女たちの今を「バブル」と一蹴する人も多い。一方で、いわゆる「うるさ型」の音楽ファンたちが彼女らの楽曲の音楽性、レベルの高いパフォーマンスを熱く支持しているのも事実。ならば今、アイドル/ロックの境界線はどこにあるのか? ――イベント当日は、現在のこの状況をよく知るお三方に徹底討論&解説していただきます。


司会者「下北沢のB&Bで8月8日に行われます

レジー「デビュー戦で素敵な場所をご用意いただいて感謝です」

司会者「大丈夫ですかね」

レジー「ねえ。まあ先日もツイートしましたけど、単にアイドルソングの話をするとかだとかなわない人いっぱいいるしこのメンバーでやる意味もないと思うので、シーンを概観しつつもあくまでいちリスナーとしてどう見えてるかって話をしたいなと思ってます」

司会者「このイベントの前にはロックインジャパンもあります」

レジー「そうですね。3日間行く予定なのでその辺も話したいですね。どこよりも早いひたちなか総括ということで。で、ひたちなかに行く前に先日の土日にお台場で行われたTOKYO IDOL FESTIVAL(TIF)に行ってきました」

司会者「いろんな人がフジロックに行ってる中ね」

レジー「TL上の方々が苗場に集結してる時に僕は台場に向かったわけですよ」

司会者「初参加してどうでしたか」

レジー「いやー超楽しかった。最近こういうイベント行った後に楽しかったなーとか改めて思い出すことあんまりないんだけど、今回は反芻しまくってますよ」

司会者「お台場一帯で行われたイベントです」

レジー「ゼップ含めていくつかステージがあるんだけど、フジテレビ湾岸スタジオの屋上にもステージが設置されてるんですよ。フジテレビの球体とかお台場全体を見渡せるところでライブが行われててすごい気持ち良かった」

司会者「基本的には複数ステージでライブが同時に行われるといういわゆるフェスのフォーマットにのっとってイベントが進むって認識でいいですかね」

レジー「そうね。ただいくつかTIF特有、というかロックフェスとは異なる部分もあって。同じグループが2日通して出て、しかも1日に複数のステージに出るってのは面白いなと思いました」

司会者「単純に見るチャンスも増えるし、好きなグループを追いかける楽しみ方もできますね」

レジー「そうですね。バンドのセッティングもないから転換もテンポよくいくので良かったです。あとこのイベントは無料エリアがあって、そこにいるだけでも十分楽しめるものになってるんですよ」

司会者「ゼップと湾岸スタジオ内の2ステージ、屋上ステージ以外は無料なんですよね」

レジー「屋外のスマイルガーデンってステージは普通にHKTとかゼップに出るメインの人たちやってたからね。超太っ腹」

司会者「あのステージが一番いわゆるフェスっぽい空気があった気がします」

レジー「芝生の上にステージ作ってる感じとかね。あとは物販エリアと握手エリアもチケットなしで入れました。だからチケット買わなくても十分にイベントを堪能できるわけです」

司会者「物販エリア、握手エリアとも終始賑わってましたね」

レジー「うん。あの辺のエリアの「演者と客の距離の近さ」はすごいなと思った。ライブ終わりとか普通にアイドルの人たちがお客さんの間を歩いて握手エリアに行くんですよ。何でもセパレートする感じのロックフェスでは考えられないよね。で、物販エリアにも握手エリアにも常時いろんなアイドルがいて。すごい空間だなと。もう歩いてるだけで楽しいですよ」

司会者「あのあたりだけでお祭りになってましたね」

レジー「どっかでこの感じ体験したことあるなと思ったら、大学のサークル紹介ですね」

司会者「はあ」

レジー「アイドル本人たちがよろしくお願いしまーすってビラ配ってたり、いろんなテントが出てそこで何かしら催し物をやってる感じがすごく似てるなと」

司会者「それだけ距離が近いとトラブルが起こってもおかしくなさそうですけどね」

レジー「ねえ。でもすごく平和な感じだったよ。主催者側もお客さんを信じてるんだろうね。いい意味でゆるさがあった。屋上のステージでEspecia見てた時、ライブ始まって結構早い段階でメンバーがはけちゃって、「え、もう終わり?」と思ってたらメンバー全員客席の方にわーってやってきて見てる人たちとハイタッチしてんの」

司会者「へえ」

レジー「あれはびっくりした。パフォーマンスの一環としてああいうことやるのはなんかいいなーと思った。楽しかったなあれ」

司会者「ハイタッチという「接触」に関する話が出ましたが、今回ついにアイドルとの握手をしましたね」

レジー「初体験ですよ。生まれて初めてのアイドルとの握手はTAKE OFFという大阪のアイドルの風花ちゃんでした」

司会者「前から知ってたんですか」

レジー「いや、成り行きでね。ちょうどステージ後に握手会が組まれてたからものは試しと思って行ってみまして」




司会者「リリスク見れなかったんですね」

レジー「超残念だった。まあでもこういう展開になったので結果オーライということで。まだマイナーだからだと思うんだけど握手も無料でできて。東京来月も来るんでまた見に来てください!ってちゃんと話してくれたよ。かわいかったなあ。そんなにブリブリしてなかったのも良かった。それと比べて、翌日CD予約して握手した女子流のぞんざいな感じね」

司会者「時間ない中で大勢回さないといけないから仕方なかったみたいですよ。普段はちゃんと会話してるようですし」

レジー「5人順番にほんの一瞬握手しただけだった。また余裕あるときに行きたいです。しかしあれだね、こういうの体験すると地下アイドルにはまる気持ちもちょっとわかるわ。やっぱりファンが少ない人たちの方が一人あたりに割く労力が大きくなるのは仕方ないもんね。これは女子流がダメって話ではもちろんなくて、一人のエネルギーは有限なわけで。そんなことも含めて、ちらっとだけどやっと握手というものを体験できてよかった。アイドル話をしてるのにそこの現場感がないのがずっと気になってたところだったので」

司会者「そろそろ音楽の話にいきませんか」

レジー「そうですね。とりあえず見たものを並べてみます。2日とも夜別件があって夕方頃には帰っちゃったんだけど、自分の中では結構見たなあって感じです」

7/27
リンダⅢ世/JK21/TAKE OFF/テレパシー/川崎純情小町/Negicco/小野恵令奈/Dancing Dolls/Especia

7/28
X21/アイドルカレッジ/HKT48/さんみゅ~/RYUTist/東京女子流/9nine/ライムベリー


司会者「見たいのは大体見れましたか」

レジー「さっき言った通りリリスクが見れなかったってのと、ベイビーレイズが『暦の上ではディセンバー』やったらしくてそれ見れなかったのが残念でした」

司会者「あの曲の実際の歌を担当しているアイドルですね」

レジー「なんかやるような気はしてたんだがタイミングが合わず。まあでもそのくらいですね、それ以外の見たいものは大体」

司会者「印象に残っているアクトがあれば」

レジー「とりあえずHKT48がぶっちぎりにすごかった」



司会者「ほう」

レジー「単純にもっと踊れるアイドルはたくさんいたけど、やっぱ日々メディアで磨かれてる人たちは違うね。ほんと華がある。そして自分たちのシングル曲に加えてAKBの代表曲をぶっこんでくるすさまじいセットリスト」

司会者「『ポニーテールとシュシュ』とか『大声ダイヤモンド』とかね」

レジー「見た後こんなツイートしたんですけど」




司会者「やっぱりさっしーがやってるみたいですよ。彼女のぐぐたすにこんな投稿が

おおおおおおお
TIFたのしすぎた!!!!!!

HKTのファンじゃない方がメインなのでセットリストも、じっくり考えた。MCも外向けに。。。

HKT応援してくれる人、ふえるといいな。


レジー「恐るべしだね。この前の武道館では他の48グループの代表曲メドレーなんてやったらしいし、大ネタ使いが好きなんだろうねこの人。ちょっと興味本位で見に行ったところはあるけど、こんなにすごいとは思わなかった。で、一方でとても楽しみにしてた女子流と9nineの並びですが、9nineがすごい良かったのに対して女子流はなんか不安になる感じだったね」







司会者「新曲ダメなんですね」

レジー「うーん、曲のクオリティもあるし、あとは女子流がそれをやらなくても感がかなりね。「女子流の積み上げてきた良さをどんどん捨てていってる」なんてツイート見たんだけど完全同意であります。結構心配。9nineはなんか脂乗ってきたね。わかりやすい曲が一発来たらもうちょっとブレイクするんじゃないかな。そういう準備はできてると思った。あと最近出たアルバムがすごい良いNegiccoも楽しかったです」





司会者「この前やついフェスでちらっと見ましたががっつり見るのは初めてでしたね」

レジー「さっしーもそうだけど、やっぱある程度大人だといろんな意味で安定感が違うよね。MCも笑えたし、ステージ上の3人もお客さんもみんな楽しそうですごく素晴らしい雰囲気でした」

司会者「なるほど。ここまで挙げたものは以前から知ってたわりと大きめのステージで見た人たちだった思いますが、他に個人的発見みたいなものがあれば続けてお願いします」

レジー「そうですねえ。よくアイドルの話をするときに「どんな音楽ジャンルでもアイドルというフォーマットで消化できるのが面白い」みたいな言い方があるじゃないですか」

司会者「「アイドルは音楽のジャンルではない」みたいな話ね」

レジー「そうそう。今回そういうのをわりと肌で感じられたかなあと。さっき挙げたEspeciaもアーバンソウルみたいでかっこいいし」

司会者「すでに各所で評判になってますね」



レジー「あと名前は知ってたけど初めて見て印象的だったのはDancing Dollsね」

司会者「ダンドル」

レジー「ゆるめのヒップホップ風じゃなくてガチにダンスしてラップもやって、って感じのアイドルって意外といないよね。BENNIE Kとかそっち系に振っていったらアイドルファン以外にも好きな人たくさんいるんじゃないかなとか思った」

司会者「踊る大捜査線の曲とかモー娘。の『LOVEマシーン』とかの超有名曲をネタにして曲を作ってます」



レジー「ちゃんとスキルある人たちっぽかったからああいう雑なことはやらない方がいいと思うね。こういうのやってるって情報だけ知ってたからもっと色物っぽい人ら想像してたけど全然違ったし、ギミックに頼らない方がいいんじゃないかなと。で、それとは対照的にアイドルラップらしい楽しさにあふれてたのがライムベリー。TL上ではよく名前見てたけどちゃんと知らなくて今回初めて見ました」



司会者「盛り上がってましたね」

レジー「見るからに「アイドルヲタ」って感じの人たちからフェスTのしゅっとした若者までみんなで体揺らしたりヒップホップ特有の手あげる動きしたりしてて、ステージから客席まですごいいい感じになってましたよ」

司会者「あそこにいた人たちがみんな普段からヒップホップ聴いてるとは思えないですよね」

レジー「うん。このシチュエーションを「アイドルが歌えばどんなジャンルでもみんな受け入れてくれる」っていうポジティブな解釈をするか、「別に何歌ったって盛り上がるんだから音楽関係ない状況を助長してるよね」とネガティブに捉えるかは意見が分かれるところだと思います。僕としては前者の立場をとりたいんだけど、そこまで能天気に考えていいかはちょっと悩むところですね」

司会者「わかりました。長くなってきたのでぼちぼちまとめに入りたいのですが、基本的にはTIF楽しかった!って話でいいんですよね」

レジー「もちろん100%完璧なイベントじゃないとは思いますよ。この手のやつでよくある場所取り問題もあったみたいだし」




司会者「こういう話からは逃れられないですね」

レジー「そうね。ただ、そういう側面を差し引いてもすごい良かったです。4回目で初めて参加したんだけど、物販や握手の雰囲気も含めて「今のアイドルシーンってこんな感じ」ってのがわかるのがいいよね。なんかジャンルは全然違うけど、インディーファンクラブに近いものを感じた」

司会者「始まった年もどちらも2010年ですね」

レジー「参加者が街中をうろうろしてる感じとか、無料スペースがあったり」

司会者「チケット価格も同程度ですよね」

レジー「そうそう、TIFに関してはこれ結構重要だと思うんだよね。フジともサマソニともロックインジャパンとも桁が1つ違うわけですよ。そのうえ無料で楽しめる場所もしっかりある。首都圏在住って前提で考えると苗場やひたちなかより行きやすいし。アイドルっていうものをガッツリ楽しめる場所の敷居が低く設定されてるのは文化としての浸透を考えると大きいんじゃないかと思いました。今年のフジは雨で大変だったみたいだけど、かなりの金額払って行ったもののそういう苦労が待ち受けてるって話は「行ったことないけどちょっと行ってみたいな」って人には精神的なハードルになるよね」

司会者「確かに」

レジー「あと最後に、結局TIFに来てる人ってどういう層なんだろうってのをライブ見たりお客さんの様子眺めたりしながらいろいろ考えてたんだけど、アイドルシーンに関してはたぶんもうそうやってカテゴライズしようとすること自体が野暮なくらいいろんな人が入ってきてるんだろうなという気がした。なんかロックフェスやバンドもののTシャツを着た人がいっぱいいた!みたいな話がTL上にちょこちょこ出てたけど、そりゃ当たり前じゃん?って状況にもうなってきてるんだよね。「アイドルしか聴かないアイドルファン」もたくさんいるんだろうけど、「アイドルもロックも何でも聴くアイドル好き」ってのも実はそれなりの数になってきているんじゃないかと思いました」

司会者「ちょうど先日くるりの岸田さんが京都音博に関するインタビューでこんなことを言ってました」

音楽を楽しむときくらい、偏見を捨てて並列に聞いて欲しいというのが僕の考えです。なんというか、『スペイン料理もイタリア料理もみんな一緒!』みたいな感覚。
 
音楽への入り口を理屈で狭めてしまうのはもったいないですよ。いまはネットで、どんなジャンルの音楽も選べる時代じゃないですか。若い子に『好きなアーティストは?』って聞くと、『井上陽水さんとレディオヘッドです』なんて答える。僕らの世代でそんなことを言ったら『大丈夫なんか?この人?』ってなるけど(笑)。いまの時代は音楽の『スタイル』じゃなくて、『中身』を重視している気がします。


レジー「これがファイナルアンサーなんだろうね。TIFで見たこんな光景もこの話とリンクしますわ」




司会者「この方にとってヒップホップの歴史とライムベリーはつながってるんですよね」

レジー「岸田さんの話に引きつけて言うと、「アイドルだからこういうもの」っていう「スタイル」じゃなくて、鳴ってる音についての「中身」を重視してると」

司会者「こういう分け隔てない感じはどのくらい広がってるんですかね」

レジー「ねえ。定量的な検証のできない話だから何とも言えないけど、もしかしたら自分が思っているよりはこういう人多くいるのかもという感じはした。で、この辺の話は今回「アイドル」側から見た場合の印象でしたが、「ロック」側から見たらどうなってるのか、という部分については今週末のロックインジャパンで体感してこれればと思っています。たぶん次回はその辺含めてロックインジャパンネタやります。冒頭に告知したトークイベント挟んでの更新かも」

司会者「わかりました。できるだけ早めの更新を期待しています」

アイドルと自意識、アイドルの自意識11 -AKB総選挙を終えて、改めて『ヘビーローテーション』について考えてみる

司会者「AKB総選挙が開票され、さっしーが1位になりました。速報結果からの逃げ切りです」

レジー「僕が投票したゆきりんは4位、ぱるるは12位、宮脇咲良ちゃんは26位でした」

司会者「注目ポイントとかありますか」

レジー「大きいところでは篠田さんの卒業なんだろうけど、さっしーが1位になった時点で真面目に考察する気は失せるよねなんか」

司会者「大島さんの表情やスピーチが物語ってましたね」

レジー「うん。なんかいろんなものがうやむやになった気がする。とりあえず運営が世代交代感を出そうとしてるわりには、なんだかんだで上位メンバー頼りってのがAKBの実情だと思うんですよ。そういう状況の中で何となく「変わった感」が出て良かったんじゃないかなと思います。あとは結局恋愛スキャンダルで移籍した人が1位なんだから、もう恋愛禁止とかなしにしてもいいんじゃないかなと思いました。自己責任でというか。律儀にやってる人がバカみたいじゃんね」

司会者「まあそうですね。投票した1ファンとしてはどうですか」

レジー「とりあえずさくらちゃんがいい順位に入れてよかった。ゆきりんは「私なんかそんな恐れ多くて・・・」みたいな雰囲気が完全になくなったね。最近いい女になってるなーと思ってます。ぱるるはなあ。もうちょっと行くかと思ったんだけど。さえちゃんの壁は厚いね。あと柴田阿弥が最終的に17位ってのも面白かった。なんかいいじゃんあの子。という感じで完全に踊らされています」

司会者「なるほど。いろいろありましたが、とりあえず今回の上位16人での新曲が発売になりますね」

レジー「総選挙の結果を受けたシングルってのも今回で5回目になるわけですね。早いな。参考までにこれまでの曲を改めて並べてみましょうか」

09年 言い訳Maybe
10年 ヘビーローテーション
11年 フライングゲット
12年 ギンガムチェック


司会者「特に好きな曲とかありますか」

レジー「そうねえ。僕実は『言い訳Maybe』すごい好きなんですよね」



司会者「はあ」

レジー「久々にPV見たけどみんな若いな」

司会者「どの辺が好きなんですか」

レジー「まあなんかジャパニーズ王道アイドルソングって感じがするんだよね。意外とこういう曲やってるグループ他にない気がする」

司会者「変に凝ってない良さはありますね」

レジー「うん。最後のサビの後ろで何かギターがうなってる感じとかなんかクセになります。あとは普通に『ヘビーローテーション』ね」



司会者「AKBの代表曲って言ったらこれになるんですかね」

レジー「たぶんね。で、今回は、次のさっしーセンターのシングルが出る前に改めて『ヘビーローテーション』という曲は何だったのか、ということについてやりたいなと思ってます」

司会者「わかりました。『ヘビーローテーション』は2年連続でJASRAC賞の金賞なんてニュースが先日出ていましたが、リリース以来日本中で使われまくっているということになりますよね」

レジー「カラオケチャートで2年連続1位、48週間連続1位っていう記録も持ってるわけでほんとすごいよね。「AKBなんて複数買いだけで誰も歌とか知らねーよw」って言う人たちでもさすがにこの曲は知ってるでしょう。カラオケチャートは複数買いなんてないしね」

司会者「結婚式の余興でも使われてるのではという話も以前しましたね

レジー「はい。この曲に関しては2010年代の国民的唱歌といっても過言ではないと思います。この曲があるからこそAKBは他のアイドルとは違う層にアプローチできてる、って部分はありますよね」

司会者「それは確かにそうですね」

レジー「で、曲そのものについての話をしたいんだけど、これについては柴さんが「アウフタクト」という概念を使って説明していました」

司会者「アジカンの『リライト』と比較してますね。あとはそもそも「アウフタクト」自体がAKBの曲の一つの明確な特徴なのでは?って話をこの記事および『文化時評アーカイブス』の音楽座談会の中でされていました」



レジー「あとはコード進行の話で言うと、マキタスポーツが「カノン進行」っていう切り口でネタにしてたよね。日本人が大好きなコード進行で、AKBのほかの曲やその他いろんなアーティストのヒット曲にも使われてるって話」

司会者「森山直太朗の『さくら』とかが例に出てましたね」

レジー「うん。この2つはもちろん重要な要素なんだけど、個人的に一番大事なのはあの曲の雰囲気を規定しているアレンジだと思っています」

司会者「ロック風ですが、先ほど挙げた『言い訳Maybe』のアイドル歌謡然とした雰囲気とはまた違って、もうちょっといわゆるJ-POP的な女の子のロックって感じですよね」

レジー「で、このアレンジ誰やってるんだろうと思って調べたらびっくりしました。何かあんま言われてない気がするけど、この曲のアレンジャー、田中ユウスケさんっていうアゲハスプリングスの方なのね」

司会者「AKBとアゲハスプリングスって結びつかないですよね」

レジー「アゲハ全体で言うとトマパイや9nine、最近だとでんぱ組の『でんでんぱっしょん』とか、アイドル絡みの仕事いろいろあるけどAKBまでやってるとは知らなかった。他にもあるのかな。で、この田中ユウスケさんって方が他にアレンジとかプロデュースをやってる曲見てたらさらにびっくりしたわけです」







司会者「YUKIやいきものがかりの曲に関わってる方なんですね」

レジー「しかもパスピエにも噛んでるんですよこの人」

司会者「田中さんの会社であるキューがマネジメントをやってるみたいですね」

レジー「サイト見ただけだとはっきりわからなかったけど、音源自体はワーナーから出てるしアーティストマネジメントをやってるってことでいいんだよね。とにかく、田中ユウスケさんって補助線を引くことで『ヘビーローテーション』という曲の存在意義みたいなものが見えてくると思います。YUKI、いきものがかり、パスピエって文脈に『ヘビーローテーション』を置いてみると、この曲がここまで爆発的に浸透した背景には「日本の音楽シーンで続いているガールズロックの系譜」みたいなものが大きくかかわっているってことが見えてくるんじゃないかと」

司会者「確かにジュディマリっぽいみたいな指摘は出た当初からありましたよね。『あなたは生きている』に似てるなんて話も」



レジー「僕も初めて聴いたときに「うわ、ジュディマリじゃんこれ!」って思ったんだけど。ジュディマリが本格的にブレイクしたのが『Over Drive』をリリースした95年。この頃は解散直前のモンスターバンド然とした雰囲気ではなくて、「女の子の元気でキュートなロック!」みたいな感じでの受容のされ方だったと記憶しています。で、この手の女の子ロックって、80年代後半にプリプリが温めて、90年代初頭からのJ-POPの時代になるとリンドバーグがヒット曲ポンポン出して、半ばにジュディマリにつながっていく、という感じで脈々とした流れがあるんですよね。ちょっと単純化しすぎかもですが、大きくはそういうことかなと」

司会者「『Over Drive』が出た年にリンドバーグは『もっと愛しあいましょ』を出してます」





レジー「そうか、ジュディマリとリンドバーグはチャート上で並走してる時期もあるのね。こういう感じの「ガールズロック」とか言われる類の音楽って日本特有なのかな。この頃は洋楽も結構聴いてたけどシンクロしてる動きがあったようには思えないんだが」

司会者「これもいわゆるガラパゴス化って話なんでしょうか」

レジー「どうなんだろうね。そこは本論ではないのでちょっと置いておきます。で、この手の音はJ-POPにおけるある種の「ボリュームゾーン」なわけで、そこ狙ったグループもちょこちょこ出てくるわけですよ」

司会者「特徴的なやつを紹介しておきますか」







レジー「こういうフォロワーっぽいのが出てくるのはこのシーンが盛り上がってた証だよね。まあこの辺はある種一発屋で持続せず、加えてジュディマリも解散してYUKIがいわゆるバンドサウンドとはちょっと違う方向にいくわけだけど、それと入れ違いでチャットモンチーが出てくるんだよね。で、ゼロ年代半ばから後半になるといきものがかりも定着してくると。『けいおん!』もこの流れでしょ」

司会者「結構音楽性違うグループを一直線上に並べてる感じになってますが大丈夫ですか」

レジー「もちろんここまであげてるバンドの厳密な音楽性は全部違うと思います。ここで言いたいのは、世の中的な見え方として「女性ボーカル、キャッチー、ロックサウンドではあるけど男っぽさというよりはかわいさをちゃんと担保している」くらいの記号で識別されるであろうバンドってのが90年代以降ずっといるということです」

司会者「なるほど」

レジー「こういう大きな潮流を意識すると『ヘビーローテーション』もその流れの中に位置づけられるし、あの曲が受け入れられる土壌は20年くらいかかってじっくり耕されてきたものだとも言えると思うんですよね。第2回総選挙って第1回と比べて注目度が飛躍的に上がってたわけで、ここで出すシングルってのはAKBにとって文字通りの「勝負曲」だったわけですよ。そこでAKB陣営はこういう「J-POPの歴史を踏まえたうえで、受け入れられる確率の高い曲」を出そうとして、その流れの最新モードを理解している田中ユウスケという人をアレンジャーに据えた。完全に勝ちに行って、そこで結果を収めたと。秋元康的にはしてやったりだったんじゃないかな」

司会者「『ヘビーローテーション』はマイクスタンドありのダンスパフォーマンスが基本ですが、バンド演奏バージョンもテレビやライブで披露されていますね」


AKB48×SKE48×NMB48 『ヘビーローテーション バンドver.』 M J 2012... 投稿者 hcinis_sayu

レジー「これとかお世辞にもうまいとは言えないけどさ、やっぱりこれはやらないといけなかったんだよね。これがこの曲のあるべき姿で、J-POPにおけるガールズロックの歴史へのオマージュですよ言ってみれば」

司会者「そこまで意識してやってるかはわかりませんが、そういう解釈も可能ではありますね。長くなってきたのでぼちぼちしめたいのですが、『ヘビーローテーション』という曲について、J-POPにおける歴史的位置づけという観点から話をしてきました」

レジー「はい。今回いろいろ関連動画見てて、普通にこういう感じの曲いっぱいやるアイドルがいたらそこそこ売れるんじゃないかと思ったんだけどどうかな」

司会者「確かに意外といないですよね」

レジー「もちろんPASSPO☆みたいにロック調の曲やってる人たちはいるし、この前書いたひめキュンだっているわけだけど。なんかもっといわゆる「J-POP的ガールズロック」に寄せた感じの人たちがいたっていいんじゃないかなと。それこそさっき紹介したホワイトベリーみたいな曲って結構いいと思うんだけどなあ」

司会者「ホワイトベリーはジュディマリのメンバーだった恩ちゃんプロデュースでした」

レジー「そうだよね。恩ちゃん曲作ればいいのに。というわけで今回の結論は恩ちゃんもう一度メインストリームに出てきてください、で」

司会者「ほんとにそれでいいですか」

レジー「いや、冗談で言ってるわけではないですよ。TAKUYAだってやってるんだから。これ最近まで知らなかったんだけどすごいいい歌じゃないか」



司会者「確かに」

レジー「若い作家も、かつて時代の中心にいたヒットメーカーも、いろんな人が参入できるのがアイドルの面白さですよね。恩ちゃんが作ったポップなアイドル曲ががつーんと売れたら個人的にはすごく感慨深いですね。そういう作家サイドでのリバイバルみたいな話も、文化としてのアイドルの成熟につながるのではないかと思っています」

司会者「わかりました。では今回はこの辺で。次回はどうしますか」

レジー「そうねえ。パスピエのアルバム出るからその話をするのがいいかなあ。ちょっと考えます」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」
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