レジーのブログ(旧)

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アイドルと自意識、アイドルの自意識2 -新しいゆきりんワールドを目指して

司会者「本題に入る前に、前回のエントリーに関してこんな感想をいただきました」

どうしても、一般的な音楽ファンの方がサブカル的な視点で語るアイドル評を読むとモヤっとする。
読めば、それが外側の人なのか現場の人なのか、すぐわかっちゃう。
まぁそれだけ今アイドル界が面白いことになってるってことなんだと思う。

レジー「これについては反論の余地がないですね」

司会者「この先もアイドルネタ書くにあたって態度をはっきりさせといたほうが良さそうですね。で、指摘された「外側の人なのか現場の人なのか」という点ですが、もう完全に「外側の人」ですよね」

レジー「はい。AKB好きになった経緯は前回書いたとおりですが、ライブ見たのは代々木と西武ドーム1回ずつだけ。劇場は行ったことないです。あとは東京女子流の野音、Perfumeはツアーとか大箱とか年に1回は行くのとフェスで見るくらい。TIFもひたちなかと重なったので行ってません。これで「現場に行ってる」とか言ったら怒られちゃいますよ」

司会者「そんなんで何がわかるんだ!という同様の意見はありそうですが」

レジー「まあ「現場の熱」みたいなものには残念ながら言及できませんよね。ただ、この方もおっしゃってる通り、僕くらいの温度感の人から見ても今のアイドルシーンって面白いんですよね」

司会者「前から面白くて最近気がついただけかもしれませんが」

レジー「そうですね。で、現場にぐわーって入りこんでるわけじゃないけど、まあいろいろ面白いと感じることがあって、じゃあなぜ面白いのか?何が面白いのか?みたいな話をできればなあと。だから必然的に他ジャンルとの構造の比較とかそういう切り口が多くなるとは思いますが。それを「サブカル的視点」ととるか、逆に「音楽シーン全体を俯瞰した見方」と感じるかは読んでいただける方次第ですかね。個人的には「受容構造が」とか「音楽的には」とか言った瞬間に条件反射的に「サブカル藁」みたいな反応になるのもどうかなあとは思うけど。現場で起こってることもあれば会議室で起こってることもあるわけで、どっちにも価値があるというのが僕のスタンスです」

司会者「実際問題、アイドルシーンを他のジャンルと接続して語ってるのってあまりないんですよね。もしあるならばとても興味あるので教えてください」

レジー「その方があげていたMARQUEEのアイドル特集はガチ度が高いらしいので読んでみようかと。と言いつつも、表紙がももクロ、取材単独記事がBABYMETAL、でんぱ組、トマパイ、ドロシーって時点で相当「サブカル臭」きついけどね。結局この辺は主観でしかないですな」




司会者「読んでみてまた何かあればって感じですね。言い訳が終わったところで前回の続きに行きましょう。アイドルといってもいろいろあるよ、その背景にはAKBの「保守本流」としての強さがあり、その傾向はますます強まるのでは、というところで終わったと思います」

レジー「はい。こう予測する根拠は2つあります。まず1つめは、継続的に行っている被災地支援。芸能人でここまで細かくやっている人たちも珍しいと思いますが、復興に明確にコミットする姿勢はAKBの王道感にプラスに寄与していると思います」

司会者「確かにパブリックな意味合いを帯びてきますね」

レジー「で、もう1つが、「残酷ショー」なんて言われる彼女たちを取り巻く環境が最近マスメディアを通じて拡散されていることです」

司会者「この前の映画とか、選挙のテレビ中継とかでしょうか」

レジー「そう。その中での彼女たちの「理不尽な状況に置かれてボロボロになっても根性で乗り切る」って姿は、日本的ガンバリズムにジャストフィットするわけで。逆境に追い込まれても戦い続ける姿勢とかチームワークとか、日本人大好きですよね。AKBに日本の若者のあるべき姿を読み込んでる人たちは実は結構いると思うんですよ」

司会者「たかみなを総理大臣に、とか大真面目に言い出す知識人がいるくらいですからねえ」

レジー「つまり、日本の「時代性」と「心象風景」、両方を掴んじゃってるのが今のAKBであると。このあたり例のAKB鼎談本に出てたりするのかな。まだ読んでないんだけど」



司会者「いきなり売れてるようで」

レジー「ちゃんと「語られる」ことが渇望されてたんですかね。話を戻すと、そういう状況の中で、何か実験的なことをやるのは得策じゃないですよね。淡々と王道を突き進むことが役割になると。これがAKBの保守化の進行を予測する理由」

司会者「本当にこういう流れになったら先細っていくだけのような感じもしますね。同じこと繰り返すだけだときついでしょうし。実際問題、コアなファンでも「桜ソング→水着ソング→総選挙→じゃんけん」みたいな流れに飽きがきてるなんて話もたまに聞きます」

レジー「そうですね。あっちゃんも抜けて相対的には苦しくなっていくタイミングなわけで、これまでとは違う角度からの評価、もしくはこれまでとは違う層の獲得みたいな話が欲しいですよね。というわけで、ここで出てくるのがゆきりんですよ」

司会者「ああ、ワンオクのボーカルと付き合ってる・・・」

レジー「その問題は解決しましたー残念でしたー

司会者「別にどっちでもいいですよ。続けてください」

レジー「失礼しました。ゆきりんですね、ソロデビューを控えています。でね、彼女、自分のソロデビューに関してこんな発言をしてるんですよ

ソロ活動での目標を訊かれると、「う〜ん……。皆さんにお任せします!」としつつも、「まゆゆ(渡辺麻友)もアイドルらしい曲を歌っていますが、私はフレンチ・キスでアイドルの夢を叶えてもらえているので、それとはまた違う形で表現してみたいです。」と、コメント。新たなゆきりんを見せてくれることを予感させた。

司会者「アイドルとは違う形。一生アイドルとか言ってる人なのに」

レジー「あと、これより前ですが、今年の成人式の様子を取り上げていたNHKのドキュメンタリーではこんなことを言ってます」

作曲の勉強したいんですよ、どこでも言ったことないんですけど笑

司会者「2ちゃんには「また適当発言」みたいなスレッドも立ってましたが真に受けて大丈夫ですかね」

レジー「この前CDTVの夏スペシャルかなんかに出てた時も確か言ってたはずなので、何かしら胸に秘めてることなんだとは思います」

司会者「アイドルじゃない、作曲、もしや・・・まさかのシンガーソングライター路線でしょうか」

レジー「うん。そっち方面にいくんじゃないか、というのが僕の希望をこめた予想です。最近の動きはほんときな臭いんですよね。写真集を箭内さんに撮ってもらったり、スピリッツで中村佑介とコラボしたり



司会者「これ完全に前回書いた「“自分はセンスがいい”と思っている人を満足させるための仕掛け」ですね」

レジー「かつてAKB本体に負わされていた機能のうちの1つが意識的にゆきりんに寄せられてる気がするんですよね。で、ソロに関しては脱アイドル宣言。こりゃ何かありますよ」

司会者「具体的にはどんな感じになるんでしょうかね」

レジー「いきなり自作曲で、みたいな展開はないとは思うんですよね。せいぜい作詞くらい?で、まゆゆとかさっしーとかみたいな「アイドルソング」ではなくて、より「良質な女性ポップス」みたいな方向にいくんじゃないでしょうか。たとえば松たか子とか柴咲コウとか、女優さんがやってる感じの」

司会者「ハードルの高い比較ですね。それやるには結構な歌唱力もしくは表現力が求められる気が」

レジー「それは確かにそうですね。まあでもそれなりに歌えるんですよ。ミュージックフェアでJUJUと生歌共演してたり」


111119 【MUSIC FAIR】 明日がくるなら - 柏木由紀... 投稿者 fookun0526

司会者「これ結構良かったですよね」

レジー「「GIVE ME FIVE!」ではドラムっていう重要な楽器だったり、わりと期待されてるんだと思うんですよね音楽的に。秋元康もゆきりんのバラードを評価してるらしいし。いい曲がくれば新しいファンもとれるんじゃないかな」

司会者「なるほど。じゃあ楽曲のイメージとかあれば。秋元康になったつもりで」

レジー「では3曲ほど。たとえばこんなのとか」



司会者「原田知世「くちなしの丘」」

レジー「キセルに曲書いてもらうとか超いいと思うんだよなあ。次にちょっとバンドサウンドっぽいのとか」



司会者「木村カエラ「Snowdome」ですね。これヒダカ作と勘違いしてたんですがクレジットはビークルなんですね」

レジー「ほどよくアイドル感残しながらこういう正統派な感じのをやるってのもはまるはず。で、最後にこれ」



司会者「□□□「渚のシンデレラ」と」

レジー「これは本体でユニゾンでやってもいいかもしれないけど。少女と女性の間の何とも言えない感じね。表現するには今しかないはず」

司会者「これで計3曲と。作家性のあるミュージシャンにちゃんとした歌ものを作ってもらうべし、そうすれば新しいファン層を獲得できる、それは今までAKBに欠けていた「音楽面からの真っ当な評価」につながるだろう、ということでいいですかね」

レジー「おっしゃる通りです。これまでのソロを見ても、あっちゃんは「あのあっちゃんが!」ってのが良くも悪くも先に来る。ともちんは「安室みたいなの好きなのね」で終わり。まゆゆとさっしーは「アイドルらしくやればこんな感じよね」だし、岩佐さんに至っては演歌だからコメントのしようがない。たかみなもソロデビューするらしいけど、たぶんAKBの範疇からは逸脱しないんじゃないかな。そう考えると、ゆきりんには「ちょっと毛色の違う形で出ていってファン層を拡大する」って役割が求められてるような気がしますよ」

司会者「お天気おねえさんも当初は独自の展開でしたしね。そういう立ち位置なのかも」

レジー「この先センターになることもなさそうだし、「AKBは興味ないけど柏木由紀の歌はいいね、曲もまともだし」みたいな評判を得られたらいいんじゃないかな」

司会者「わかりました。長くなってきたのでそろそろ終わりましょう。最後まとめてもらえると」

レジー「はい。今回の組閣で、Bのキャプテンが梅ちゃんになって、まゆゆがBからAに移りました。これってつまり、ゆきりんは「キャプテン」「まゆゆ」っていう自分のストーリーの大部分を担っていた要素を一気に失ったんですよね。ここからゆきりんは自分自身の力で新章を始めないといけない。そんな状況なので、「音楽」と一体化して物語を駆動させるって話は悪くないんじゃないかな、というのが今回の趣旨です。どんな展開が来るか楽しみにしています」

司会者「まあ最終的には秋元先生のさじ加減ひとつなので。で、次回はどうしましょうか」

レジー「どうしようかな。「桐島、部活やめるってよ」の映画が良かったのでそれと絡めて音楽の話したいと思ってるんだけど、下調べに時間がかかりそうなので、予定は未定ということでいいですか」

司会者「わかりました。できるだけ早めの更新を期待しています」
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アイドルと自意識、アイドルの自意識1 -アイドル戦国時代の中心で平凡を叫ぶ

司会者「さて、いよいよAKB48の話に入るわけですが、このブログの元ネタであるkenzeeさんのブログでもアイドル論が始まってます」

レジー「昔の映画の話をしてると思ってたらいつの間にかアイドル話に。あとブログの名前も変わってるし」

司会者「「誰か有名人にツイートされたとかじゃなくアクセス増」みたいなことが書いてありましたけど、こちらはいまだに有名人頼みですね」

レジー「まあまだ始めたばっかりだからね。何とかその領域に辿りつきたいですな。で、kenzeeさんのアイドル論は「アイドル」の概念を広くとって尾崎とか小室とかそういうのも踏まえつつ核心に迫ろうとしています。この先も面白そうなので、未読の方はぜひ読んでみてください」

司会者「我々は当事者としてできる話をしましょう。で、AKB48についてですが。てかそもそもいつから好きなんですか?」

レジー「うーん、何か気がついたら結構詳しくなってたんですよね。過去のツイートさかのぼると、2010年2月4日に「やっぱ柏木由紀と渡辺麻友がいいな」ってつぶやいてます」

司会者「ゆきりんという呼び名ですらない」

レジー「たぶんこの辺から気になりだしたんだと思います」

司会者「タイミングでいうと「桜の栞」ですかね」



レジー「そうなんですが、そのちょっと前に総選挙の順位ごとに水着になってるムックを本屋で見かけたんですよね」

司会者「「水着サプライズ」ね」



レジー「で、あー最近のアイドルは歌う人たちでも積極的に水着になるのかーとか思って試しに買ってみたら、なんだかわいい子結構いるじゃん!と。そこからですかね。それまでは世間的によく言われる「AKB48はブスばっかり」「みんな同じ顔」みたいな論調を漠然と受け入れてたから」

司会者「高校生みたいなはまり方ですね。で、一貫してゆきりん推しと。やっぱあれですか、胸ですか」

レジー「いや、僕は顔が好きなんですよ。ああいう顔がタイプです。そりゃ胸も好きですけど。あとぶりぶりしてるように見えてさっぱりしてるのが素敵ですね。レコ大とってみんな泣いてるのに1人だけ泣いてなかったりとか」

司会者「なんか超然とした雰囲気はありますよね」

レジー「あの感じ面白いんだよなあ。あ、あとやっぱり2010年初頭だと思うんだけど、AKB48が表紙のクイックジャパンを読みました。あれでいろいろ状況を把握した記憶がある」



司会者「えれぴょん懐かしいですね。まあ復帰してますが」

レジー「えれぴょんの脱退発表のあった代々木体育館のライブ、その日の昼公演に行ってったんですよね。言われてみれば表情が暗かった気がする。しかしまあどの面下げて戻ってきたんだって感じですね。僕は全く応援してません」

司会者「メンバー個人の話はこのくらいにしましょう。何となく「クイックジャパンで認識した」ってのが示唆的ですよね。「権威の力を借りた越境」とでもいいましょうか」

レジー「まあ実際は女子の水着に反応したのが先だけどね」

司会者「もちろんそうなんですが、「単なるアイドルではないよ」というラべリングがなされたわけですよねあの特集で」

レジー「確かに「語ると面白い人たちなのかな?」という気持ちになったことは否めないですね。AKB48と前後しますが、Perfumeにしろももクロのしろあの雑誌の表紙になることである種の層に発見されてる感じはありますね」

 

司会者「アイドルサイドからすれば、いわゆる「サブカル族」にアプローチするための通行手形。で、その「サブカル族」からすると、「聴いても恥ずかしくないよ」というパスポートのようなものになっているわけですね」

レジー「この辺のちょっと臭みのある環境はまた別途掘り下げたいと思ってます。で、AKB48の話に戻ると、秋元康はこの手の「“自分はセンスがいい”と思っている人」を満足させるための仕掛けってのを随所に織り込んでるんですよね。具体的にはクリエイターの人選なんですが。ぱっと思いつくところではこんな感じ」

桜の栞PV(2010年2月)、ドキュメンタリー映画第1弾(2011年1月)→岩井俊二
ヘビーローテーションPV、ジャケット(2010年7月)→蜷川実花
桜の木になろうPV(2011年2月)→是枝裕和
桜の木になろう ジャケット(2011年2月)→森本千絵
週末Not yet PV(2011年3月)→入江悠


司会者「最後のは厳密にはAKB48ではなくて派生ユニットのNot yetのものですね」

レジー「この曲ほんと好きなんだよなあ。タイミング的には世の中にAKB48っていう名前が実体を持って浸透し始めてきた時期に、こういう「ちょっと違いがわかってる風のクリエイター」を使うってのは秋元康の何とも言えないバランス感覚ですね。単に有名になるだけじゃなくて、「質」の部分でも評価されたいんでしょうね」

司会者「別にそんなこと気にしないでもいいのにね、ガチのマスマーケットで戦ってるのに」

レジー「別冊カドカワの秋元康特集号にてこんなことを言ってます」

僕がいちばん言われたい言葉っていうのはさ、“・・・・意外と、イイよねぇ~?”なんだよね(笑)



司会者「へえ」

レジー「「AKB48ってただの流行りものだと思ってたけど、意外といいじゃん!」って言われたいんでしょうね。「ただの流行りもの」を見下すような層への強烈なライバル心があって、それがああいうスタッフィングにつながってるのでは。昔から大衆芸能の世界で勝負している中で、そういうのを馬鹿にするスノッブな奴らへの対抗意識があるんでしょうね」

司会者「なるほど。ところでここまで音楽の話全く出てきてませんけど」

レジー「あ、気がつきました?そうなんですよ。AKB48を語るときに、音楽の話はどうしても後ろの方になる。さっき話題にしたクイックジャパンでも、Perfumeとももクロの号にはディスクレビューががっつり載ってるのにAKB48のときは仕組みや環境の話に終始してるんですよね」

司会者「スノッブな奴らをやっつけたいなら、音にもそういう仕掛けをねじこめばいいのに」

レジー「秋元康としては、音楽は「平凡」でいいってのがあるんじゃないですかね。実際に彼女たちの曲を歌ったり踊ったりするのは10代の女の子たちだったりするわけで。読み解くのが好きな大人に向けてネタを仕込みつつ、音楽はわかりやすく、もっと言えば歌いやすく。加えて、女の子の親たちが嫌がらないような歌謡曲フレーバーを散りばめると。そうするとベタなものが好きな大人も反応してくる」

司会者「小倉さんがとくダネ!で絶賛したりよしりんがハマっちゃったりするみたいな話ですね」

レジー「そうそう。それが「ヘビーローテーション」を始めとしたカラオケボックス制圧につながる。握手券で売上ドーピングしてるとか言われがちだけど、日本で一番「歌われている」人たちがAKB48だという事実は過小評価しちゃいかんと思うんですよね」

司会者「国民歌唱のための歌としての役割を徹底的に果たしていると」

レジー「で、AKB48という絶対王者が「つまらない、けど皆に歌われる」ってポジションを完全に引き受けているってのは、アイドル戦国時代と呼ばれる周辺のシーンに音楽面ですごく良い影響を与えていると思うんですよね」

司会者「ほう」

レジー「「アイドル戦国時代」って呼び方が出てきたのは2010年5月の「MUSIC JAPAN」あたりからですが、まあ「戦国時代」とか言いつも実態は「AKB48の1強、アイドルとも呼びづらくなってきたPerfume、あとは有象無象」って感じだったと思うんですよね。そういう中で、「アイドル」というものにスポットライトが当たった。で、メインプレーヤーは「ど真ん中を追求する」ことを徹底してやってる。同じことをやっても潰される。じゃあ私たちは違うことをやるべきではないか?という発想になるのは自然だと思うんですよね」

司会者「差別化によってポジショニングを明確にすると」

レジー「特に「アイドル」というビジネスは歌い手と作り手が分離してるのが基本だから、「時代とか関係なく俺の魂の叫びを聞いてくれ!」みたいな話にはなりづらいってのが構造的にあると思います。そこが自作自演がベースのギターバンドとの決定的な違い。あの世界は「自分の思っていることを歌う」が絶対善になってるから」

司会者「自意識が優れてると作品も優れてる論か。優れた自意識ってのもよくわからんけど」

レジー「その「優れた自意識」ってのも似たような情報から生成されてたりするわけだしね。あとギターバンドのシーンは現状「ど真ん中」がよくわからないから、みんなでその「芯」を何となく探り探りやってるうちに似たような音が増えていく」

司会者「「小室エイベックス!」とか「ビーイング!」とかそういうのとの距離感を測れた時代の方がやりやすかったでしょうね」

レジー「聴き手としてもわかりやすかったしね。つまりアイドルシーンにおけるAKB48は、往年の「TKサウンド」とか「ビーイングの音」みたいな「仮想敵」なんですよ。そこが強者として存在するから、カウンターの多様性も担保されてくると」

司会者「バンドやってる人たちも、AKB48を仮想敵にして戦えばいいのに」

レジー「ほんとは「握手会に行ってる高校生男子をどうやってロックのフィールドに引きずり込むのか?」ってのが骨太な問いだと思うんだけどね。どうもそういう視点でやってる人たちは少ないような印象があります。まあその辺の話は置いておくとして、じゃあどんな感じで多様化してるのかってのを最後に紹介しようかと。気になってるアイドルグループ3つあげておきますね。この3つがCD屋で「アイドル」という棚にまとめて売られてるって状況は結構面白いと思います」







司会者「ダンスミュージック、渋谷系ギターポップテイスト、ヒップホップと。確かに「女の子が歌っている」以外に共通点がない」

レジー「ちゃんとしたプロの方が作ってるので音だけで全然聴けますよ。まあそもそも超美少女が歌ってるってわけでもないし」

司会者「さりげなくビジュアルのdisが入ったところで一旦終わりにしましょう。次回も続きますか?」

レジー「そうですね。ますます保守化するAKB48、そんな中控えているゆきりんのソロデビューの可能性みたいな話をしたいなと思ってます」

司会者「ちょうど組閣もやってますしね」

レジー「そうですね。もうありゃアイドルグループじゃなくて会社だな。組閣というか人事異動でしょ。ちょっとはその辺りの話もするかも」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」

ロックインジャパンについての雑記5 -ポリのRIJ論

司会者「さて、今回はAKBについてということでしたが」

レジー「その前にひとつどうしても話したいネタが。ロックインジャパン絡みなんですけど」

司会者「(まだその話引っ張るか・・・)はい」

レジー「ナタリーにポリシックスのインタビューが出てまして

司会者「3年ぶりのニューシングル「Lucky Star」に関する取材ですね」

レジー「で、インタビューが行われたのが今年のロックインジャパンの翌日だったようで、「毎年出てますよね」という話題からひたちなかについての話をしばらくしてました。なかなか興味深かったのでご紹介します」


──ここ最近、いわゆるロックファンや音楽マニアと少し違う、ギャルとかギャル男っぽい感じの人たちも増えましたよね。

フミ そうそう。ファッション誌とかで「フェスファッション特集」とかやってるじゃないですか。

ハヤシ うん、あれはほんと大きいと思う。

フミ 音楽イベントというより、花火行くみたいな感覚で来る。

ハヤシ そこらに遊びに行くみたいな。

──なるほど。

フミ 近いし(ほかの野外フェスみたいに)サバイバルって感じでもないし。



司会者「まさに先日のエントリーの内容ですね。フェスのレジャー化」

レジー「やはり出演者も感じている部分ではあると」

司会者「ただ、ポリの皆さんはそれを決してネガには捉えてないですよね。この直後にはこんな発言がありました」


ハヤシ そうそう。そういう明らかに若い子が増えて、動員も一気に増えた感じ。2005年あたりからかな。よく覚えてる。会場の雰囲気も変わったし。ちょうど俺らも海外ツアーとかが本格的に盛り上がり始めた頃で、その場にいる人たちをもっと楽しませようって意識に変わった直後だったんで、すごく印象に残ってますね。「Baby BIAS」みたいな曲で盛り上げようとすると、ものすごい反応が良くてびっくりしたんです。今までこんなことなかったぜ、みたいな。お客さんがその場を積極的に楽しもうとしてる雰囲気がすごく伝わってきて。その頃ポリはそんなに状況が良かったわけではないけど、それをきっかけにポリのライブの雰囲気が、フェスみたいな感じで盛り上がるようになって。そこから曲の作り方やライブの盛り上げ方も変わってきて、それが今につながってる気がします。それまではお客さんのことなんてあまり考えたことなかったし。

──以前「フェスに出ることのポジティブな意味がわかった」みたいなことを言ってましたよね。

ハヤシ そうそう。それです。だからすごくいい影響を与えてくれましたね。今年も4年ぶりのLAKE STAGEのトリで、最高でしたよ。あの会場の一体感はすごかった。



レジー「ちょうど帰るときにステージ前通りましたが確かにすげー盛り上がってたな」

司会者「こういう発言を見ると、これまで述べてきた「レジャー化・リア充化」みたいな方向も決して悪い話ではないんじゃないかという気もしてきますね。ノリのいいお客さんが増えてる、という見方もできると思いますし」

レジー「そういう側面もありそうですね。抜けてる視点でした。ただ、気になる部分があるとすれば、ここでハヤシが言ってる変革点が2005年だということですかね」

司会者「フェスの雰囲気が変わったポイントとして提示していた「矢沢の2006年、夏フェスブームの2007年」よりも前ですね」

レジー「で、2005年のひたちなかってすさまじいメンツだったんですよね。過去のタイムテーブルが見当たらなかったんで公式のヒストリーページで確認していただきたいんですが」

司会者「ちょうどフォレストができた年ですね」

レジー「グラスを見ると、ほぼ3日ともダブルヘッドライナー状態ですよ。初日がバンプにリップ、2日目がシンガーソンガーにミスチル、3日目が坂本龍一にサザン。他にもアジカンにYUKIにクレバにエルレにラッド、ひたちなか初登場のケンさん、あと真心の復活ステージなんてのもあった。あのときのENDLESS SUMMER NUDEは最高だったなあ」

司会者「初日のアシッドマン→クレバ→YUKI→100s→ドラゴンアッシュ→バンプ→リップって、100sを01年の中村一義バンドと考えると今となっては全アーティストがグラスのトリやったことあるわけですね。こりゃすごい」

レジー「この年の前年、04年に初めてこのフェスは全日ソールドアウトになってます。それを受けてブッキング相当気合入れてやったってことなんじゃないでしょうか。何が言いたいかというと、ハヤシが言ってる05年っていうのは「音楽好きが一気にRIJに集うようになったタイミング」ってことであって、彼はそれを歓迎しているわけです。つまり、インタビュー冒頭に出てくる「いわゆるロックファンや音楽マニアと少し違う、ギャルとかギャル男っぽい感じの人たち」が増えたっていう最近の傾向としての話、つまり「ひたちなかのリア充化」とは文脈の異なる話をしてるんじゃないかと」

司会者「確かにそういうお客さんが増えたこと自体を良いと悪いとも言ってはいないですね。でも今年のレイクも良かったって言ってますよ?」

レジー「たぶんここで言う「ギャルとかギャル男っぽい感じの人」ってのはレイクには来ないんじゃないですかね。グラスの後ろのテントエリアに陣取って、ファンモンとケツメイシがっつり見て、昼寝というか夕寝してから暗くなったら帰りの片づけって感じなんじゃないですか」

司会者「グラスの客層が他のステージと結構違う感じはよくわかります」

レジー「で、この日のレイクは難波→シャカラビ→ポリっていう「そんなに若くないけどアッパーな曲で確実に盛り上げられるアクト」の流れだったから、その中で一体感が生まれたって話なんじゃないのかな。この3つのファン層がかぶってるかはよくわからないんだけど」

司会者「いわゆるリア充化の流れとは関係ないところで生じた盛り上がりだと」

レジー「もちろんケツメイシ後に移動してシャカラビ→マンウィズ→ポリって行くタフガイもいたと思いますけどね。ただその人は「フェスにビール飲みに来ました」みたいな生易しい感じの人ではないわなおそらく。ある意味超音楽マニアでしょ」

司会者「確かに」

レジー「しかしまあこう考えると、即効性のある音楽が強いフェスになってるよなあひたちなかは。「祭り」だから当たり前っちゃ当たり前なんだけど、民生スピッツクラスにならないとゆったりと音楽を聴かせるのは難しいのかね」

司会者「去年は森山直太朗がグラスでひどい目に合ってましたしね」

レジー「そうそう。似たようなギターバンドがいっぱい出てくる現状とフェスでどんな音楽がウケるかってのは結構関係がある気がする」

司会者「それはあるかもしれないですね。フェスという文化が定着する中で、鳴らされる音楽の差異が小さくなっていくってことか。面白そうなネタですが、キリがなくなりそうですのでまたの機会にしましょう。で、次はAKBについて書くんですよね?信じて大丈夫ですか?」

レジー「書きますよ!で、今回の内容と絡めて次回のネタのイントロをちょっとだけ。今言ったようにギターバンドが「対フェス」という観点から同質化が進んでいるとした場合、アイドルシーンは「対AKB」という観点から各グループが明確な差別化を図ることで多様性が増していってると思うんですよね。そんな話もできればと思ってます。というわけで、次はほんとにAKBについてです」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」

アイドルなのか。 ロックなのか。 どうでもいい。(flumpool様より拝借)

司会者「しかしまあほんとフォロワー数増えましたね」

レジー「ツイログ見ると、8月5日で359人だったのが8月20日は627人になってます。今まではフォローいただいた方のつぶやきは大体ざっと見たりしてたんですが、全く追いついてないですね」

司会者「皆さん柏レイソルとか興味あるんでしょうか」

レジー「試合の実況でがくっと減るかもしれないですね。それはそれでいいんですが。で、今日はフォローいただいた方とやり取りしてる中で気になったことについて書きたいなと」

司会者「はい」

レジー「その方は「ロキノン系」が好きだそうなんですけど。どうもこの概念がよくわからなくて」

司会者「よくわからないならググって終わらせてくださいよ。早くアイドルの話に行きましょう」

レジー「いや、そのつもりでググったんだけどますますよくわからんのですよ。最初に出てきたこのページには結構詳細に定義らしきものが載ってます。何かオフィシャルな文献が出回るような話でもないはずなので、これも誰かの主観なんでしょうけど」

現在における「ロキノン系」は、狭義では94年に「ROCKIN'ON JAPAN」が誌面をリニューアルしてから主に扱う、UKロックやUSオルタナの流れを汲んだバンド群を指すが、広義ではインディーズから頭角を現したグループ、ロックフェスに出演するアーティスト全般(例外あり)を総括して「ロキノン系」とする風潮もある。前者では所謂下北系ロックバンドが中心となるのに対し、後者では一般的なロックバンドはもとより、HIP HOP、ポストロック、プログレやノイズバンドなど、大型フェスや不特定の音楽雑誌には出るが、ジャンル的にロキノン本誌には馴染みが薄いアーティストまでも含まれる。

司会者「この定義だと結構何でもありですね。もはやJAPAN本誌との馴染みが薄くても良いと」

レジー「かまってちゃんとか相対性理論も入るみたいだからね。あの人らJAPANと全然関係持ってないでしょ。この2バンドを自分たちのフェスに引っ張り出せないJAPANって話もあるんだけど、話それるのでここでは割愛。で、結局この「ロキノン系」ってのは、「音楽ジャンル」として捉えるには無理があるんですよね。mixiの「ロキノン系が好き☆」みたいなコミュニティいくつか見たんだけど、検索用に入れてるバンド一覧がもうめちゃくちゃなんですよ。くるりとスーパーカーは入ってるけどナンバガは入ってないとか、ミッシェルは入っててブランキーは入ってないとか、ミスチルスカパラまで入ってるとか、もうカオス」

司会者「「ロキノン系が好きです!」「俺も俺も!」って盛り上がってた人たちが、よくよく聞いてみると片方はエルレ好きで片方はワルツあたりのくるりが好き、みたいな悲惨な出来事もどこかで起こっていたんでしょうかね」

レジー「範囲が広すぎますからね。しかし、そんな懸念をものともせずに自分たちで「ロキノン系」を名乗ってるバンドがいるわけですよ」

司会者「え?9mmとサカナクションが両方入っちゃうようなファジーなジャンルに自分たちの説明を負わせちゃうんですか?」

レジー「とりあえず音聴いてみてください」



司会者「なんか「あーあるある」って気分にはなりますね。new comerのページに載ってそうな感じの」

レジー「レーベルのサイトにある紹介文はこんなです」

数々の実績と、インテリジェンスが見え隠れするロキノン系サウンド、一風変わった楽曲タイトルや歌詞の内容に表れる独特な音楽センスで、デビュー前から高い注目を集める異色のギターロックバンド!

司会者「インテ・・リジェンス・・?まあいいか」

レジー「あと今思い出したんだけど、映画「少年メリケンサック」に出てくるGOAってバンドもこの手の「あーあるある」バンドのパロディだよね」



司会者「星野源芸が細かい」

レジー「この辺聴く限り、なんとなく「ロキノン系=下北界隈にいそうなギターバンド」ってパーセプションが世間的に漠然とできてるのかなあという感じはします。でもそれだと9mmもサカナクションも世界の終わりも説明しきれないですよねえ」

司会者「確かに突き詰めていくと謎が謎を呼ぶ感じになりますね」

レジー「で、考えたんですけど、たぶんこの「ロキノン系」って言葉は「好きな音楽ジャンル」を指すというよりも「自分の音楽に対するアティテュード」を示しているものなんじゃないかなと思うんですよね」

司会者「つまり「どんな態度で音楽を聴いているか」ってことでしょうか」

レジー「そう。「私は自分の耳で良いと思った音楽を選んでる!」とか「俺はアイドルと韓流に汚染されたヒットチャートに興味はない!」とか、そんなメッセージがこめられてるというか。で、そうすると「ロキノン系」が指し示す範囲も「商業化されすぎてないちょっといけてるバンド群」ってことでなんとなく線引きができる。たぶんこの場合ミスチルは入らないでしょうね」

司会者「いや、「商業化されすぎてない」って、超メジャー音楽雑誌の名前使って何言ってるんですか。wikiにも結構えげつないこと書いてありますけど

レジー「もし僕の仮説が正しければ、この部分は明確に矛盾してくるんですよね。「自分のセンスで音楽を聴く」ということのラベルの名前が、資本の力でシーンに影響力を行使できる雑誌の名前であると」

司会者「あくまで仮説が正しければ、の話ですよね」

レジー「いやーでもそういうことなんじゃないかなあ。印象として「ロキノン系」って言葉使ってるの若い人が多いと思うんだけど、やっぱ若い時ほど「俺は周りとは違う」感出したいと思うし。自分も昔はそうだったからよくわかる。そういう感じを手軽に表現できる言葉になってるのではないか」

司会者「うーん」

レジー「ちなみにこれって構造が90年代の「渋谷系」と似てますよね。

<何となくイメージするのはギターポップ(パブリックイメージ)>
<でも実際には日本語ラップもクラブミュージックもあり(カバーするジャンルは実はかなり広範)>
<元ネタを生かした高い(とされる)音楽偏差値(音そのもののレベルへの信頼)>
<渋谷HMVチャートというオリコンとは異なる物差し(アンチメジャーな価値観といくばくかの選民意識)>

20年前のムーブメントで「ロキノン系が好き」のロジックを説明できると」

司会者「あくまで仮説が正しければ、の話ですよね。大事なことなので2回言っておきました。で、仮にアイドルや韓流が「ロキノン系が好き」な人たちの仮想敵だったとして、このブログではそんなアイドルの話も積極的にしていくと前回のエントリーで宣言しているわけですが」

レジー「そうですね。ひたちなかネタで読み始めていただいた方はもしかしたらあんま関心ないかもしれないけど、アイドル面白いですよ」

司会者「どう面白いんですかね。興味がわくようにご説明いただけると」

レジー「基本的にこのシーンは「かわいい女子が歌ってればそれでOK」みたいなところがあるので、その裏で作り手が楽しくやってる部分が結構見え隠れするんですよ。よく「ピンク映画から巨匠が生まれている」「エロ本の白黒ページのサブカル情報は充実してた」みたいな話があります。エロがあればあとは何やってもいい、というところから豊かな文化が生まれたと。で、アイドルシーンもそんな感じかなと」

司会者「栗山千明がベンジーに曲作ってもらってるようなやつですか」



レジー「まああれはあれでいいんだけど、なんか露骨にカラオケになってる気が。意外なメッセージがこっそりこめられていたり、驚きのコラボがあったり、そういうやつの方がニヤッとしちゃいますね」

司会者「何かわかりやすい例はありますか」

レジー「たとえばこのガッキーの曲聴いてみてください」

【ニコニコ動画】新垣結衣 進化論


司会者「いい曲ですね。誰が作ってるんですか?」

レジー「作詞がいしわたり淳司、作曲が岸田繁です

司会者「なんと!スーパーカー×くるり!!そんなことやってんのかガッキーは!!」

レジー「ガッキーの歌手活動ってそこまで表に出てこないけど、こういう90年代の歴史を総括するようなコラボが行われてるんですよね。僕は後追いで知ってたまげたんだけど、出たとき反響ありましたっけ?これが入ってるアルバム「hug」が出たのは09年6月。「スーパーカーとナンバガでLAMA!90sレジェンド!!」とか言ってる2年も前に、アイドルの現場でこういうコラボが行われていた現実をロックファンは直視しないといけないと思うんですよ」

司会者「なるほど」




レジー「あともう一つ、「アイドル戦国時代」関連で言うと前回も紹介したトマパイ。この人らの先日出たアルバムに入ってる「大事なラブレター」という曲があるんですが、これもすごい。曲はネットにはなかったんですが、堂島孝平かカジヒデキかって感じのギターポップ。で、サビの歌詞がこんな感じ」

それじゃいっそ
ブランニューなスキップ踏んで クルーエルなポーズやめよう
自分をもっと信じたいの my journey
年下のキャンディデイト トラットリアで待ちぼうけ
ごめんね 恋のタンバリン いまはラ・ブーム

司会者「なんですかこの渋谷系キーワード満載の歌詞は」

レジー「レーベル名、バンド名、曲名数珠つなぎ。他の部分にもいろいろ出てきます



司会者「とりあえず内省的になりがちな最近のギターバンドにはないアプローチですね」

レジー「そうなんですよ。さっきのガッキーも含めて、音楽シーンの歴史を辿るような取組みがこっそり行われているわけです。こういう動きをただ単に「アイドルなんてださそう」っていう先入観で見逃しちゃうのはもったいないと思います。で、このブログがそういう方面にも目を向けるきっかけになればいいなと」

司会者「わかりました。長くなってきたのでそろそろ締めたいのですが、この先のネタの展望があれば」

レジー「はい。次はAKBについて何か書きたいなと。やっとAKBネタ書ける」

司会者「急な展開ですね」

レジー「いや、急ではないですよ。ガッキーの話はちょっと違いますが、アイドルシーンでいろんな音楽的トライが行われていることとAKBの人気ってのは裏表の関係だと思ってます。その辺の話を踏まえて、ゆきりんのソロデビューについても考察したいなと」

司会者「ワンオクのボーカルと付き合ってる人ですね

レジー「だからまだそれはわかんねーだろ!」

司会者「まあ落ち着いてくださいよ」

レジー「失礼しました。行かないけど週末は東京ドームライブもあるし、ここでちゃんと整理しておきたいなと思います」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」

フェス、SNS、アイドル





司会者「フォロワー38000人への拡散は強烈でしたね」

レジー「フォロー通知やらふぁぼ通知やらが止まらない時間帯がありました。何が起こったのか分からなかったです」

司会者「「賛同する部分と、しかねる部分」についてはぜひ具体的なご意見をいただきたいですね。難しいとは思いますが」

レジー「まあ言えること言えないこともあると思うので。いやでもね、鹿野さんに読んでいただけただけでも嬉しいですよ。大学生の時にBUZZ NIGHTとかLIVE JAPANとか行ってた身としては」

司会者「印象的な反応とかありましたか?」

レジー「一番嬉しかったのはライターの石井恵梨子さんからいただいたこのリプライです」


司会者「プロに表現について褒められた!」

レジー「それもそうなんですが、「「JAPAN」または「JAPANフェス」への愛がすごく伝わります」が特にね。意図的に波風立てるような書き方になってる部分もありますが、真意を理解してくださって嬉しいです。好きじゃないと毎年なんて行かないからね」

司会者「一方でネガティブな意見もあったかと思いますが」

レジー「そうですねえ。「イラッとする」とか「嫌味っぽい」とか「おっさんきもい」とかね。「てかあの人誰なの!?」とか怒ってる人がいたけど、ただの会社員です」

司会者「シニカルな感じには拒否反応があるんでしょうか」

レジー「ロッキングオン文化なんてシニシズムの極地だと思うんだけどね。もはやそういう文脈も共有されてないってことの証左でしょう」

司会者「あんまり言うとまた問題になるのでやめてください。面白い意見もいっぱいあったじゃないですか」

レジー「そうですね。一般の方なのでアカウントは出しませんが、こんなのいただきました。最高すぎました」

この状況は音楽がサブカルチャー的なとっつきにくさにから脱してきているのかなと前向きに勘違いされてる層に是非読んで欲しいブログです。笑

司会者「強烈!」

レジー「こんな鋭利なナイフを持った大学生女子とか素敵すぎる」

司会者「ほんといろんな方がいて面白いですね。さて、今回はどうしましょう。ぼちぼちフェスネタからは離れますか?」

レジー「最終的には前回予告したアイドルの話にいきたいんですが、最初にもうちょっとフェス話を引っ張らせてください。ブログを読んでいただいた複数の方から、「RIJ、ひいてはフェスの形が変わってきているのはSNSが影響してるのでは?」という指摘をいただきました。そのあたり掘ってみたいと思います」

司会者「ゼロ年代半ばが変局点というお話でしたが、その時期のSNSで言うとmixiですかね」

レジー「そうですね。というわけで、共通の趣味を持った人が集まるmixiのコミュニティで「夏フェス」という名前の入ったものを検索してみました。そうすると、該当するのは49件。ちなみに「フェス」を検索ワードにするとかなりのノイズが入ってしまうので、「夏フェス」を採用しています」

司会者「はい」

レジー「一番古いのは2004年12月18日開設の「夏フェス!!」。これは参加者がたったの24人。過疎ってますね。一番でかいのは2005年5月29日開設の「夏フェス友の会」。こちらは25045人。ちなみに僕も入ってました。最大コミュニティではありますが、「参戦レポ」の最新が2011年8月でした。つまりこの夏はいまだ書き込みなし」

司会者「チケット交換トピはいまだ賑わってますけどね。何かを発信する場としてのmixiは死んだということでしょうか」

レジー「そんな気はしますね。ちなみに2005年7月13日に「フェスでハイタッチ!」というコミュニティが開設されてます。自己紹介トピが08年2月以降誰も書きこんでないのでもう止まってるコミュニティのようですが」

司会者「いろいろ意見のあったハイタッチ文化はこの辺から生まれてきたんですかね。いずれにせよ、どれも以前のブログで書いた「矢沢の06年、夏フェスブームの07年」よりは前ですね」

レジー「はい。SNS上でフェスについてやり取りする萌芽が生まれたのが05年と。で、mixiというメディアに目を向けると、06年にヤフーの検索ワードランキングで1位になるんですね。ちなみにそれまでずっと1位だったのは2ちゃんねる」

司会者「2ちゃんねるからmixiへ。ウェブにおけるコミュニケーションのコードが06年に大きく変わったんですね」

レジー「そういうことなんだと思います。06年にはページビューでもmixiは2ちゃんねるを追い抜いています。「怖そうな2ちゃんねる」じゃなくて「みんな仲良しmixi」がネットの中心になったと。これは「06年、07年あたりにRIJのあり方が変わった」って話と符合します」

司会者「タイミング的に一致しているのはわかりましたが、具体的にどんな影響があったのか説明してください」

レジー「たぶんなんですけど2つあると思います。1つは、顔の見える人たちが「フェス」の話題を発信するようになって、敷居が低くなったと。○○ちゃんも行くらしい、みたいなのが多少遠い関係でも見えるようになったってのは結構大きいと思います。で、もう1つ、これが今のフェイスブックにまで連なる「休日リア充自慢文化」」

司会者「そんな言葉あるんですか」

レジー「いや、今勝手に作りました。SNS上で「いけてる自分」を見せようとするあの感じです。で、その文化とフェスはものすごく相性がいい」

司会者「確かにライブだけじゃなくて、遠出、野外、フェス飯、酒、いろんなキーワードがありますね」

レジー「そう。まさに「アクティブな自分アピール」にぴったりのイベント。で、そういう層が手っ取り早く選ぶフェスとしてRIJはジャストだった、というのは以前ブログに書いたとおり。そしてその流れはSNSの覇権がfacebookに移った今でも続いていると」

司会者「特にfacebookは写真投稿がしやすいから余計にネタを探しちゃいますね」

レジー「こんな内容のつぶやきを見ました」

大して音楽興味なさそうな女子がRIJ行っててへーそういうの興味あるんだと思ってたら、FBにみんなでビール飲んでる写真がアップされてて「飲んで食べて楽しい1日だった」ってコメントついてた。音楽の話は全くなくて、ああそういうことかと思った。

レジー「つまり、投稿ネタとしてのフェス。SNSの前では、全ての「ハレの場」が等価です」

司会者「SNSによって「プライベートをシェアする」という行動パターンが生まれて、それによってフェスも「休日のネタのラインナップの1つ」になった。そんな流れが一般的になったのが06年~07年あたり。で、RIJは特にネタにしやすい、もしくはなりやすいフェスだと」

レジー「その通りです」

司会者「わかりました。ところで結局今回も結構な字数をRIJに使ってますが、構成上大丈夫ですか?」

レジー「大丈夫です。ここから話変えます」

司会者「(無理やりだな・・・)はい」

レジー「こうやってコミュニケーションのあり方が変わっていく中で、そういう変容そのものにフォーカスした曲ってあるのかなーと思ってたのですが、ちょうど最近アイドルグループがそんなことを歌っている曲に続けて出くわしました。で、アイドルってのはこういう「コミュニケーションのあり方」ってのには敏感にならざるを得ないと思うんですよね」

司会者「ほう」

レジー「ここはいろいろ意見が分かれるところだと思いますが、個人的な解釈としてアイドルというものは「自分を表現する」よりも「ファンの人とつながる」ことが優先されるのかなと。まあ言ってしまえば疑似恋愛の世界ですよね。で、こういうSNSってのはまさに「つながり」に関するツールなので、アイドルが歌う世界と親和性が高いんですよね。「電話しても留守電」とか「メールが返ってきた嬉しい」とか、そういう話の現代版として、歌詞にSNSが描かれると」

司会者「そのうちLINEの歌とかできるんですかね。「スタンプのセンスのいい彼」みたいな」

レジー「ない話じゃないですね。とりあえず直近で気になったのはこれ。歌詞も確認してみてください



司会者「これは北川悦吏子が作詞ですか?」

レジー「だからスナナレの話を出すなって」

司会者「この中途半端な理解度がもしかしたらと思いまして」

レジー「エイベックスはなぜかソーシャルメディアネタをタイトルにぶっこむことがあるんですよね。AAA「Buzz Communication」とか。あとガルネクのこのtwitterネタは笑った

司会者「何が狙いなんでしょう」

レジー「いやー全くわからんね。流行に乗っておこうくらいな感じなのかなあ。今さら感はあるけど。まあとにかく、Fairiesは「今時の女子はツイッターで恋しちゃうぞ!」ってのをベタに表現してるわけです。おじさんにはピンとこないけど」

司会者「実際にこういう使い方がポピュラーなのかもしれないですね。アイドルソングのやり方としては王道でしょう」

レジー「一方、こちらもつい最近の曲で、同じくSNSを題材にしてるんだけど、「つながりのワンシーン」みたいなものを放棄してメタ視点からメッセージを投下してる曲があります。それがTomato n’ Pine「そして寝る間もなくソリチュード(SNS)」。配信限定で出て、この前出たアルバムにも入ってます。これも歌詞見ながら聴いてください



司会者「これは・・・まさかのフェイスブック批判!?」

レジー「そう。「星と「いいね!」の武器商人」ってなんだよ」

司会者「「ライフログきらきら☆ぷろでゅーす/なんでもない/ホントじゃない/なにも」とかすごいですね。「学歴兼本名重視の露出狂/酔狂?自慢?」とか「病み悩みも標準装備」とか、ほんとなんなんでしょう」

レジー「明らかにRIJのくだりで書いてたような「休日リア充自慢文化」を批判してますよね。なんたって「SNS=そして寝る間もなくソリチュード(ひとりぼっち、寂しい場所)」ですから。必死に発信してもあんた誰ともつながってないのよ、っていう話」

司会者「でもファンはこれ聴いて喜んでるんですよね。なんか倒錯してるなあ。非リア充が溜飲を下げてるんでしょうか」

レジー「そういう側面もあるとは思うんですけどね。僕は彼女たちが「あえてこういう歌を歌っている」の「あえて」感が結構重要なんじゃないかと思ってます」

司会者「「あえて」感」

レジー「この「あえて」感って、近頃のアイドルシーンを語るキーワードのような気がしてます。送り手も受け手も、この概念を理解することで初めて今の流れに参加できる的な・・・」

司会者「なるほど。これ以上進めると長くなりそうなので、一回このあたりで切りましょう。終わる前に、この先の展開について何が見えているものがあれば」

レジー「ちょっとまだ考えが深まってないんですが、おそらくここで言ってる「あえて」って話は送り手・受け手双方の自意識の問題につながっていくと思うんですよね。「あえて」アイドル聴いちゃう俺、アイドルなのに「あえて」音がもろ渋谷系みたいな。アイドル戦国時代とか言ってるけど、みんなでこの「あえて」を巡るゲームをしてるような気がするので、そのあたりの構造を明らかにしたい」

司会者「難しそうな話ですね」

レジー「というわけで、今後不定期で関連しそうなネタをぽつぽつ書いていこうかと思います。共通タイトルは「アイドルと自意識、アイドルの自意識」です」

司会者「不定期ということなので、連続で書くわけではないと」

レジー「そうですね。とりあえずアイドルネタを書くプラットフォームを作っておきたいなと。で、その他書きたいことがあれば随時って感じで」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」

ロックインジャパンについての雑記4 -で、今年はどーだったの?という話

レジー「いやー大変なことが起きましたね」

司会者「発端はこのツイートでした」



レジー「こっからの拡散ぶりはほんとすごかった。フォロワーもずいぶん増えたし。ネット怖い」

司会者「柴さんご紹介いただきありがとうございました。いろいろ反響がありましたね」

レジー「単純に面白いと言ってくれてる人から、よくぞ言ってくれた!すっきりした!みたいな感じのやつ、あとはサブカル厨乙的なのまで様々でしたね。ただ、そもそもこの現状認識は違うぞ、って意見には出会わなかったな」

司会者「みんな薄々感じてることだったのかもしれないですね。さて、今回はどうしましょうか」

レジー「考えたんですが、ロックインジャパンネタが想像以上に反響を呼んでしまったので、それにつなげる形で「で、今年はどーだったのよ?」っていう話をしようと思います」

司会者「わかりました。ではとりあえず見たアクトの話でもしましょうか」

レジー「そうですね。じゃあ複数曲見たのを全部あげます」

1日目
秦基博、きゃりーぱみゅぱみゅ(初見)、Dragon Ash、plenty(初見)、ライムスター、プリンセスプリンセス(初見)、YUKI、KREVA

2日目
THE BAWDIES、チャットモンチー、くるり、赤い公園、Perfume、フジファブリック

3日目
ONE OK ROCK(初見)、高橋優(初見)、ヒダカトオルとフェッドミュージック(初見)、ねごと、FOZZTONE(初見)、スピッツ


司会者「わりと初物もありますね。全体通して特に印象残ってるアクトがあれば」

レジー「これはですね、何と言ってもプリプリですな。すごかった」

司会者「解散から16年とのことですが、ブランクは感じなかったですか?」

レジー「演奏がタイトじゃない部分はあったとは思いますけどね。それでもクラシックの連打と大会場を生かしたステージング、ありゃ上がりますよ。で、次がYUKIだったのも良かったですね。女性カリスマミュージシャンの系譜を見れた感じ。YUKIが直接的にプリプリを通過してるかは知らないし僕自身プリプリ自体についても詳しくないんですが、プリプリの曲聴いてると「これジュディマリみたいじゃん!」ってのもあって。今のJ-POPの礎を作った人たちなんだなあと改めて思った」

司会者「プリプリの次がYUKIという話が出ましたが、プリプリの前はホルモンでしたね」

レジー「そう、これは絶対言っとかなきゃいけない。ホルモンは見てないんですが、終わった後グラスの前の方に言ったらゴミだらけ。空ペットボトルが散乱」

司会者「このフェスでは珍しい状況ですね」

レジー「あのバンドのファンはほんとマナー悪いですね。ホルモンの出演がなくてもTシャツ着てる人毎年いるけど、ホルモンTのやつは今後出禁にしてほしいわ。去年もホルモンTの奴とウィングテントでちょっとぶつかったときにめっちゃガンつけられたんだよな。思い出してだんだん腹立ってきた」

司会者「まあまあ、良いアクトの話で気分を変えてくださいよ」

レジー「スピッツは聴きたい曲結構やってくれて楽しかった。「スパイダー」初めて聴きました。くるりもいい感じだったな。吉田省念が岸田にいい影響を与えてるっぽい。若手だとワンオクと赤い公園が印象的ですね。赤い公園はもっとでかいところで見たいな」

司会者「曲単体で良かったものはありますか?」

レジー「そうですね、ここまで出したバンドだとプリプリ「M」、スピッツ「スパイダー」。あとはフジファブ「銀河」、髙橋優「福笑い」、あ、あとドラゴンアッシュの「morrow」も沁みた」

司会者「ドラゴンアッシュは馬場さんの件があってから初のRIJでしたね」

レジー「うーん。そうだったんだけど、正直厳しいステージだったな。客とのズレをすごい感じた。これは受け手にも問題がある話かもしれないけど」

司会者「「陽はまたのぼりくりかえす」も「Viva la Revolution」もないセットでしたね」

レジー「まあ「陽はまた~」は去年の映像見てもそんな盛り上がってない感じだったけどね。彼ら的に思い入れがあるっぽい「ROCK BAND」がスベってたのがしんどかった。僕の周りだけかな?「何この曲?誰出てきたの?」みたいな。スクリーン見ても客が全くうねってなかった」

司会者「リアルタイムで追ってる人が少ないんでしょうか」

レジー「なんかもう「有名人だから見とこう」的な対象になってるのかと思うと悲しい。あと、kjがモッシュダイブ禁止の客を慮ってか、「FANTASISTA」のときに「丸くなって!」みたいな煽りをしたんですよ。サークルで回って騒ぐなら危なくないだろうってことだったと思うんですが」

司会者「kjらしいやり方ですね」

レジー「そしたら「丸くなる」の意味があんま理解されなかったのか、何かただ円になっただけで。「何?何?」みたいな感じで後ろに下がる人たちも多数。単に不要なスペースが生まれただけ、という微妙な状況に」

司会者「サークルモッシュとかわからんのか」

レジー「以前「このフェスの客はすぐサークルモッシュしたがる」って書いたけど、もはや「このフェスの客はサークルモッシュすら知らない」という状況かもしれない」

司会者「ちなみに、その円が解けるときに思いっきり転んでましたね」

レジー「そうなんですよ。後ろから人がどんどん来て、死の恐怖を感じました」

司会者「もう若くないので無理しないでください。今ちょうど受け手側の話が出ましたが、先日のエントリーであげていた「受け手のリテラシー」という部分で何か関連する話はありますか?」

レジー「それで言うと、DJブースのダイノジとやついいちろうですね。ダイノジは中で3曲くらい見て、やついは遠巻きに様子を見てただけなんですが」

司会者「どちらも盛り上がり鉄板アクトですね」

レジー「例によって大盛り上がりだったんですが、気になったのがやたらと「指示」が多かったんですよね。動きにしろ掛け声にしろ。過去見た経験から「音楽に詳しい芸人が音楽ファンと一緒に楽しむ」って空間をイメージしてたんだけど、何かすごい違和感だった。で、そんなことをフェス終わった後つぶやいてたら、大谷さんご本人からレスをいただいたんですよ」





司会者「なんかめっちゃ謝られてるじゃないですか」

レジー「そこに関しては恐縮するしかないんですが、このツイートからは大谷さん自身もこのフェスのDJブースでの距離感に悩んでる様が窺えます」

司会者「「シェアのみだと興味もしめさない人」ってのもなかなか重い発言ですね。音楽に人工的なコミュニケーション装置が埋め込まれてないと楽しめないってことですよね」

レジー「さらに、毎年このフェスのレジデントDJを務めている保坂壮彦さんはブログでこんなことを書いていました」

しかし、今年は、正直、みんなが、オーディエンスがどのように音楽を捉えて、どのように音楽を楽しんでくれるのか?という、原点中の原点を掴むことが難しかったのが事実です。例えば、“あの曲をかければみんなが踊ってくれる”、とか。“今年は、この曲を自らのキラーチューン、アンセム、として鳴らせば、みんなに届くだろう”、とか。そういう試行錯誤しつつ、プレイしたのですが、自分の思うようにいかない場面が多々ありました。これは、自らの力の無さから来ることかも知れません。そう言ってしまえば、それで終わりなのかも知れません。けれど、それ以外にも、理由はあるなって。ひしひしと感じたわけです。

司会者「うーん」

レジー「このブログはぜひ全文読んでみてください。同じ年に、レジデントDJと人気アクトがそれぞれ「DJブースで音楽そのものの力がワークしない様」を語っているという事実。これをフェスのあり方全体に敷衍して語っていいかは微妙な部分もありますが、僕としてはこのフェスのあり様を象徴しているように感じました」

司会者「なるほど。ただ、これに関しては大谷さんも言ってる通りどちらがいい悪いという話ではないですよね。「これまで」のあり方を賛美する正当性があるわけでもない」

レジー「それはそうですね。あくまでもスタンスの話です。以前の記事と重複しますが、僕としてはやはりフェスというものは「音楽」が主役の場所であってほしいと思っています。そういう立場で考えると、「音楽」が「お手軽なコミュニケーション」の手段として回収されている状態はあんまり気持ち良くないなあというのが正直なところです。一体感を得られるのがフェスの醍醐味の一つであることに疑いの余地はないのですが、一体感ってのは自然と湧き上がるものであって強要する/されるものではないだろうと。「コミュニケーション上位/過多の時代」にRIJもこういう形になるべくしてなってるとも言えるのかもしれないけど、やっぱり僕としては音楽そのものを楽しむという部分を大事にしたいし、RIJもそんな人が多くいる場であってほしいなと思います。少なくともある時期まではそういう空間だったと思うので」

司会者「以前のエントリーに対しても「懐古主義にすぎない」というような指摘もありました。今回も同様のツッコミが考えられますが、その辺については」

レジー「RIJに関する最初のエントリーで「ノスタルジー」と断ってもいますが、まあ懐古主義と言われればそうなんですよね。なのでそういう批判は甘んじて受け止めますが、一方で自分の中に蓄積されてきた価値観と現状のギャップについてアウトプットする場合「昔は良かった」的な視座を完全ゼロにすることはできないと思っています。それに後ろ向きな話しかしてないつもりもないですし」

司会者「わかりました。それでは長くなってきたので、最後は前向きな話で締めていただけると」

レジー「前向きな話ね。RIJのいい話題といえば、やっぱシーサイドステージですかね。あそこにあるような「ステージ上とオーディエンスが“自然に”つながる空気」ってのをいかに会場全体に広げるか、ってのを運営サイドは考えてほしいですね。それができれば、間違いなくあのフェスはがらっと変わります。もう種があるわけだからきっとできるはず。来年も楽しみにしています」

司会者「とか言いつつ、来年も同じようなこと書いてそうですね」

レジー「確かにそれは否定できないな。まあ流れに身を任せてということで」

司会者「はい。というわけで、ロックインジャパン話はこれにて終了と」

レジー「と言いつつ、今回もある種エクストラだったりするので、何か論点があれば続くかもしれないです」

司会者「続かない場合の予定は決まってますか?」

レジー「前回もちょこっと書きましたが、アイドル関連の話のとっかかりになるようなネタを出せればなと。今回の話とも間接的には関わるような切り口を提示できればと思ってますが、予定は未定です」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」

ロックインジャパンについての雑記3 - フェスと雑誌の主従関係

司会者「さて、ロックインジャパンについてもこれで3回目ということで」

レジー「今回で完結予定です」

司会者「ロックインジャパンがテイの良い夏のレジャーとなった、そんな中でロッキングオンどうするよ?という問題提起で前回は終わったかと思いますのでその続きを」

レジー「今回考えるにあたって、『別冊サイゾー×PLANETS 文化時評アーカイブス2011-2012』に掲載されている座談会「AKBとボカロの時代にロックと音楽批評は一体何ができるのか?」を再読しました」




司会者「剛力彩芽かわいいなあ」

レジー「ちなみにこの座談会の初出は『PLANETS SPECIAL 2011「夏休みの終わりに」』です。この表紙の有村架純もマジかわいい」




司会者「若手女優トークはこのくらいでお願いします」

レジー「失礼しました。この座談会自体とても面白いのですが、今回特に関係するのは柴那典さんの下記の発言です」

ロック・イン・ジャパンは、ロッキング・オンという活字の会社がそれをやったことで、言論の批評性がフェスのメディア性に従属するものになった。雑誌ジャーナリズムがフェス文化に手を出したことの弊害は誰かが言わなきゃいけなかったことですよ。

司会者「古巣批判ですか」

レジー「批判というよりは、あるべき姿に向かうための前向きな投げかけかと思います。で、この「言論の批評性がフェスのメディア性に従属するものになった」ってのはすごく重要な指摘だなと」

司会者「具体的にはどういうことでしょうか」

レジー「ここからは僕の解釈なんですが、要は「楽しけりゃいいじゃん!盛り上がっちゃいなよ!の前では理屈が通用しない」ってことかなと。JAPANがこれまでやってきたことってのは、多少悪意もこめて言うと「ジャーゴンを駆使して排他的なムラをつくる」ってことだと思います。それを彼らは「批評」と呼んできたわけです。でも、夏の野外で音楽と酒が溢れた場所にそんな辛気臭い話はいらないですよね。フェスという場は「音楽がよりフィジカルに響く場所、頭じゃなくて体で聴く場所」です。JAPAN的な理屈系音楽批評ともっとも相性の悪い空間を自ら生み出してしまった」

司会者「なるほど。つまり、その「生み出してしまった」ものにロッキングオンは「従属」しているということでしょうか?」

レジー「僕はそう思います。一番わかりやすいのが今年初出演でグラスに出るFUNKY MONKEY BABYSでしょう。あれは「盛り上がれれば良い」の最たるもんだと思うんです。実際、ロッキングオン側もわかっててやってるふしもあるんじゃないかな。これはロッキングオンが協力しているGO!FESに、ファンモンが今年出演した際のレポートです」

ファンモンが歌う肯定のメッセージは決して目新しいものではないけれど、それを過剰なほどの熱さと実直さで伝えることにより、他の誰しもが真似できない大きなうねりとなってリスナーの胸を揺さぶっていくというファンモンならではの魔法が、この日のアクトには確かに生まれていた。

司会者「中身はどうあれ熱けりゃ盛り上がるよ、と」

レジー「JAPANの価値観的にはアウトのような気がするんですが、これを許容してたら何でもありになっちゃうと思うんですよね」

司会者「昔は「何でもあり」じゃなかったんですかね?」

レジー「少なくとも立ち上げ当初、このフェスは「自分たちが雑誌で発信する物語を強化するための装置」という位置づけだったと思うんですよね」

司会者「宇野常寛さんのAKB論で言うところの「ブースター」ってやつか」

レジー「そう。だからこそ、00年の初日はエレカシが「ガストロンジャー」「コールアンドレスポンス」をかました後にシュガーソウルZEEBRAラッパ我リヤからDragon Ashっていう「軍団」がステージを占拠したし、2日目は民生スピッツイエモンというシーンの「良心」をナンバガと中村一義でサンドイッチするっていう「世代」を意識した見せ方になってたわけで。さらに、一義が演奏できなかったことでその物語が翌年まで続いた」

司会者「物語の可視化」

レジー「その通りです。「JAPANは毎月革命が起こって大変」みたいなこと言う人がいるけど、このフェスはそういう「革命」を目に見える形で表現するために企画されたんだと思うんですよ。そこで起こる化学反応が、雑誌の論調に正当性を与えるという仕組みです。でも今はどうでしょう。大物アーティストが有名な順に出てくるだけ。もはやジャーナリズムとは関係のない、単なる商売の場ですよね」

司会者「まあロッキングオンもフェス会社みたいになってますからね。しかしいつからそんな風に位置づけが変わっちゃったんでしょうか?」

レジー「僕は06年の矢沢永吉がキーだったと思うんですよね。このときの永ちゃんの出演は唐突だった。少なくとも当時のJAPANの文脈からはかけ離れていたと認識してます。で、みんなタオル投げて楽しい!ってなった。運営サイドとしては日本のロックの歴史の一つを見せたつもりだったのかもしれないけど、僕はあのアクトこそロックインジャパンが「JAPANの物語なんて関係ない、今この時間を刹那的に楽しんだらOK」という方向に転がりだした決定的瞬間だったと感じています」

司会者「最初に「矢沢がターニングポイントだった」と言ってた話がここにつながってきたわけですね」

レジー「で、そんな土壌ができたところに「夏フェス」のお茶の間侵攻が始まって、ロックインジャパンはリア充たちの祭りとしての意味合いを強めていくと」

司会者「世間的な流行の話と矢沢の話は同列で語ってもいいんですかね?位相が異なるような気がするんですが」

レジー「そういう疑義もあると思うんですが、ここではこのフェスの「空気」に影響を及ぼしたものとして同列で捉えてます。結局同じフェスと言っても参加者は毎年違うしこういう議論は意味ないんじゃないかって言う人もいるかもしれないけど、僕はやはりフェスごとに参加者の行動を規定する「空気」みたいなものがあると思うんですよね。で、その空気がじわじわと変わってきてるのでは、ってことをこの3回の記事で言いたかったわけです」

司会者「わかりました。冒頭の伏線も回収したところでぼちぼち終わりに向かいたいと思うのですが、文句ばっかり言ってても仕方ないので最後にロックインジャパンへ何かしら提言をしていただければ」

レジー「そうですね、僕はとにかくこのフェスがもっと「音楽を楽しむためのもの」になってほしいと思ってます。もっと言うと、「音楽を楽しめない人は来たくなくなる」ってのが理想です。で、そこには何らかの「物語」が通底していてほしいなと。そこにこそジャーナリズムを掲げる会社がフェスをやる意義なんじゃないかと。こういう細分化された時代だからこそ、「俺たちから見たシーンってのはこういうものなんだよ」ってのをマーケットへの媚び抜きにして提示してほしい」

司会者「当たり前のことのような気もしますが、そこに立ち返るのが重要と。具体的にこんなことやったらいいとかってのがあればお願いします」

レジー「結局のところブッキングで特色を出すしかないわけですが、まあまずファンモンは出さない方がいいでしょうね。ここは個人的な好みもあるので何とも言えませんが。あとはメガセールスを記録してなくても、推していく覚悟のあるバンドならさっさとグラスでやらせればいい。1回目の中村一義なんて典型ですよね。そういうチャレンジを積み重ねていくことが、このフェスが「音楽」や「物語」を取り戻すことにつながるんじゃないですかね」

司会者「ふむ。何か普通ですね。もうちょっとフェス感のあるアイディアはないですかね」

レジー「そうですねえ。一つ思ってるのは、JAPAN JAMってイベントはすごくいいんですよね。あのカラーをひたちなかにも持ち込めないですかね。例えば1年でなくなったパークステージ、あそこをセッション限定のステージにするとか」

司会者「なるほど」

レジー「もうタイムテーブルも非公開でいいですよ。みなと屋をその辺に移して、ここだけで独立したフェス空間を作ってもいいかもしれない。ここに1日いれば贅沢な音楽がたっぷり楽しめると。今のひたちなかでもシーサイドステージなんかはすごく「音楽に対する純度」が高い場所だと思うんですが、そういうところがもっと増えるといいなあなんて思います」

司会者「わかりました。いい時間になってきたのでこのあたりで終わりたいと思います。3回に渡って語っていただきましたがいかがでしたか」

レジー「そうですね。なんだかんだいろいろ言ってきましたが、たぶんこの先も毎年このフェスには行くと思うんですよね。だからこそ、いい音楽が鳴っていてそれをいいオーディエンスが受け止めている、そういう状況になったらいいなあと思います。今年も楽しみです」

司会者「もう明日ですからね。しっかり焼けて帰ってきてください。次回以降のネタの予定は見えてますか?」

レジー「アイドルネタにいきたいなあと思いつつ、まだちゃんと決めてません。下調べも必要そうなのでちょっと悩みどころですね」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」

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