レジーのブログ(旧)

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ロックインジャパンについての雑記9 -当フェスはROCKIN'ON JAPANとは一切関係ございません

司会者「ロックインジャパンのタイムテーブルおよびDJブースも含めた全アクトが発表になりました

レジー「いやいや盛り上がりましたねいろいろと」

司会者「主にDJブースのネタが中心でしたが」

レジー「タイムテーブルとステージ割見ていろいろおおって思うところあったんだけど、DJブースの件がインパクト大きすぎてそれどころじゃなくなっちゃったね。というわけで、2回に分けてひたちなかネタやろうと思います。今回はDJブース界隈の話について、次回は全体のタイムテーブルとステージ割について、という感じで」

司会者「わかりました。DJブースに関して一番物議を醸していたのは女性グループアイドルの大挙出演ですね。そのあおりを受けてDJアクトが減っています」

レジー「片平さんも保坂さんも出ないんだね。なんか不思議な感じ」

司会者「そもそものスタンスとして今回のこの動きについてはどう思っていますか」

レジー「んー、僕は単純にアイドルが好きなのでいいなあと思いましたけど。ひたちなかで9nineが見れるなんて考えたこともなかったからね」

司会者「確かに」

レジー「なので個人的には見たいアーティスト増えたなーくらいの感想でしかないのでそれで終わらせちゃってもいいくらいなんだけど、今回の動きがロックインジャパンっていうフェスに与える影響はいろいろあるなあと思いました」

司会者「「いよいよ商業主義に走ったか!」みたいな反応もあったみたいですがそういう話ですか」

レジー「なんかいわゆるロックDJ界隈?でそんなこと言ってる人見た気がするんだけどやばいよね」




司会者「確かに別にアイドル出なくても今年もソールドアウトでしょうね」

レジー「なんかこう「アイドル=商業主義=唾棄すべきもの」みたいに簡単に一直線につながる頭の悪さね。ここでパイプ作っといてどうのこうのみたいな話でもないと思うし。こういう知性の欠如こそが音楽シーンにおいて撃つべき最大の敵なんじゃないかと本気で思っている。まあそれはいいや。たぶん今回の件は、「このフェスはロッキングオンジャパンという雑誌とは関係のないものになります」という宣言と捉えるべきなんじゃないかなと思いました」




司会者「福山さんとももクロは先日Cutでフィーチャーされてたことを受けての例示ですね」

レジー「うん。雑誌とフェスのねじれ現象みたいな話は以前から指摘されてたけど、今年はそれを本格的に解消しにきたってことじゃないかと」

司会者「去年のひたちなか記事でもそんな話をしていましたね」

レジー「「フェスと雑誌の主従関係」ってタイトルで書いてたんだけど、ある種今年の動きを予見してる記事になってると思うのでもっと評価してほしいね。このシリーズ、「RIJFのRはリア充のR」ばかり取り上げられがちなんだけど。で、この記事でも紹介している2年前の柴さんの発言を引用しておきます」

ロック・イン・ジャパンは、ロッキング・オンという活字の会社がそれをやったことで、言論の批評性がフェスのメディア性に従属するものになった。雑誌ジャーナリズムがフェス文化に手を出したことの弊害は誰かが言わなきゃいけなかったことですよ。

司会者「「言論の批評性」と「フェスのメディア性」の間でねじれが生じていたって話ですね」

レジー「はい。あとそれに関連した自分のコメントも引用しておこう」

ここからは僕の解釈なんですが、要は「楽しけりゃいいじゃん!盛り上がっちゃいなよ!の前では理屈が通用しない」ってことかなと。JAPANがこれまでやってきたことってのは、多少悪意もこめて言うと「ジャーゴンを駆使して排他的なムラをつくる」ってことだと思います。それを彼らは「批評」と呼んできたわけです。でも、夏の野外で音楽と酒が溢れた場所にそんな辛気臭い話はいらないですよね。フェスという場は「音楽がよりフィジカルに響く場所、頭じゃなくて体で聴く場所」です。JAPAN的な理屈系音楽批評ともっとも相性の悪い空間を自ら生み出してしまった

司会者「相性が悪い場所だからもう完全に別物として考えましょうっていう判断をしたってことですかね」

レジー「そういうことになるわな。もうこれで「JAPANに載ってないようなやつ出しやがって・・・」みたいな不満は完全に的外れになったね。そんな基準でやってないわけだから」

司会者「「こんなアイドルステージはロッキンにいらない!」みたいなこと言っても無駄だと」

レジー「そうそう。あと思うのは、別にこれアイドルステージじゃないんだよね。ボカロPも出るし」

司会者「ヒップホップ系もいろいろ出ますよね」

レジー「ちょっとSKY-HIとか見てみたい」



司会者「こういうときじゃないとなかなか見る機会もないですしね」

レジー「ね。だからさ、今回のDJブースのブッキングって好意的に見ると「このフェスに来るようなタイプの音楽好きな人たち」、つまりそれこそバンプとアジカンとワンオクとホルモンとテンフィとカナブーンみたいから3日間参加します!みたいな人たちね、そういう人たちの「好みの外」に広がってる音楽との新たな接点を提供しようっていう意図がちゃんとあるんだよ。これだけ話題になれば何か1つくらい時間あったら見てみようかなみたいな気持ちになる人も多少はいるだろうし。そう考えるとロックDJ的なものが今回削減されたってのもわりと納得がいきます。まず前提として、これも去年ひたちなか行った後に書いた記事でちょっと触れたけど、あのフェスにおける「ロックDJカルチャー」って一つの曲がり角を迎えてたと思うんだよね」

司会者「詳しくはこちらの記事を読んでいただければ」

レジー「そこでも紹介した、今回は出演されないけどこれまでレジデントDJを務めていた保坂さんの発言を再度引用しておきます。初出はこちら

しかし、今年は、正直、みんなが、オーディエンスがどのように音楽を捉えて、どのように音楽を楽しんでくれるのか?という、原点中の原点を掴むことが難しかったのが事実です。例えば、“あの曲をかければみんなが踊ってくれる”、とか。“今年は、この曲を自らのキラーチューン、アンセム、として鳴らせば、みんなに届くだろう”、とか。そういう試行錯誤しつつ、プレイしたのですが、自分の思うようにいかない場面が多々ありました。これは、自らの力の無さから来ることかも知れません。そう言ってしまえば、それで終わりなのかも知れません。けれど、それ以外にも、理由はあるなって。ひしひしと感じたわけです。

司会者「現場の人すらどうしたらいいかわからない状況になりつつあったんですよね」

レジー「ここはいろいろ理由があると思うんだけど、フェス全体の変容がDJブースにわかりやすく表れてるって話だと思っています。で、結局最近のDJブースって「邦ロックの有名曲が流れたらみんな一斉に集まってきて盛り上がって、古い曲や洋楽になったらさーっとはけていく」って状況が常態化してたと思っていて。そういう状況を引き起こしちゃうアクトって、今回DJブースでやろうとしている「音楽との新たな接点の提供」って話から考えるともはやふさわしくないんですよ」

司会者「確かにホルモン出てるのにわざわざホルモン流してヘドバンしなくても、みたいな感じはあります」

レジー「もちろんそういうのが楽しいって人もたくさんいるからこそ、前田さんはじめ完全にロックDJ系がなくなったわけではないし。まあでもそのうちなくなるかもね。ダイノジとかハヤシみたいな「有名じゃない曲でも、必要に応じてギミック使いながら盛り上げる」って人たちだけが残るのかも」

司会者「あの人たちもちょっと色物っぽいことやってても、実はそれが音楽を伝達するための手段にちゃんとなってるんですよね」

レジー「僕自身レジデントDJの人たちの選曲で初めて知った曲とかたくさんあるからさびしい気持ちがないわけではないけど。そういやシロップの『My Song』初めて聴いて感激したのもDJブースだった」



司会者「あんな静かな曲を」

レジー「すごい盛り上がった後ちょっといい曲聴いて落ち着いて!みたいな感じで片平さんが流したんだったかな。まだツイッターなんてない時代だから帰って公式BBSに「あの「あなたを見ていたーい/裸を見ていたーい」って誰の歌ですか?」って書き込んで教えてもらって。今との情報環境の違いにびっくりするわ。そんな思い出もあるのでDJブースの大幅な変更に感傷的な気持ちがないわけではないですが、基本的には今回の動きは支持ですね。新しいDJブースとしてどういう空間になるのか楽しみです」

司会者「アイドル初めて見るって人も結構いるかもしれませんね」

レジー「ね。たぶんどのアイドルも想像している以上に可愛くて華やかだし、想像している以上にパフォーマンスもしっかりしてると思いますよ。BiS、でんぱ組、ベビメタあたりが注目される気がするんだけど、まあこの辺はサマソニとか他のフェスに出てもおかしくないわけで。それ以外の人たちの方がわざわざフェスで見るには面白い気がします」

司会者「アプガとか普通にすごいですからね」



レジー「個人的にはそんなに好みではなくて3曲くらい見ると疲れちゃうんだけど、一見の価値はあると思う。あとは最初にも言ったけど何といっても9nineだよね。これを機にちょっとでも火がついてほしい」



司会者「普段の屋外イベントとかより音響もしっかりしてるでしょうし楽しみですね。一方でこんな意見もありました」







レジー「この意見は面白いなあと思った。意図してることがちょっと同じかわからないけど、なんか有名どころ集めました的なムードが雑だなこれって感じがあるのは事実で」

司会者「ショーケース的な意味合いで考えるとこれでいいんじゃないですか」

レジー「まあそれはそうなんだけどね、結局縦ノリでオイオイ言う感じのアイドルが主体なのもなんだかなと。これは個人の好みの問題かもしれませんが。女子流とかドロシーとかって選択肢はなかったのかな。あとリリスクとか」



司会者「リリスクはあの空間に合うような気もしますよね」

レジー「なんかそういう幅がもうちょっとほしかったなとは思う。あとどうせやるなら茨城のご当地アイドルとかね」

司会者「いるんですかね」

レジー「どうなんだろうなーと思って調べたら、なんといました

司会者「おお」

レジー「しかも水戸だから近いじゃんね。その名も「水戸ご当地アイドル(仮)」だって」

司会者「名前もサイトもやっつけ感がすごい」

レジー「でもオーディションに87人も集まったって。曲はこんな感じ」



司会者「これは」

レジー「まあこれはどっちでもいいか」

司会者「ちょっと話がそれてきたのでそろそろまとめていただけると」

レジー「失礼しました。今回は今年のひたちなかについて、DJブースの話に絞ってやってきました。新しい取り組みだからいろいろ軋轢は出てくるだろうけどたぶん面白い方向に進んでるとは思うんだよね。今回のDJブースのためにアイドルオタクが大勢やってくるって話でもないだろうからサマソニのももクロみたいにペンライト持ってステージ占拠ってことにもならないだろうし。アウェー空間でどういうパフォーマンスが行われるかを楽しみにしています。で、そういうことが起こっているフェスの大トリがPerfumeってのがすごく感慨深いですね。というわけで次回は全体のタイムテーブル見ながら、今年のフェスの雰囲気についてやれればなと思っています」

司会者「わかりました。できるだけ早めの更新を期待しています」
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【告知】週刊SPA!にてレジーのブログが取り上げられています

レジー「今日は告知だけのイレギュラーな更新です」







司会者「この特集ですね。石井さんご紹介いただきありがとうございました」

レジー「思ったより分量あったよね。石井さんのコメント、僕のコメント、あと『Lエルトセブン7 第2ステージ』の森田真功さんのコメントが載ってます。森田さんのブログ存じ上げてなかったのですがすごい情報量」

司会者「音楽以外のジャンルでも面白いブログが紹介されています」

レジー「サッカーについてはサポティスタの岡田さんが紹介者でしたが、ちょうどこんなツイートされてました」




司会者「ガリバーさんも紹介されてるんですよね」

レジー「岡田さん、ガリバーさん、あと石井さんも、みんなツイッター上でのつながりですよ。不思議だよね。「レジー」って名前もでたらめにつけたけどだんだんある種の「人格」を持ちつつある感じがするのが面白い」

司会者「そういえば「匿名で覚悟がない」みたいなディスを最近見た気がしますね」

レジー「あーあったあった。これについて言いたいことは2つあって、1つは確かに「実名・本名」ではないけどこれはある種の「芸名・ペンネーム」であって「匿名」ではないと思うんだよね。捨て垢と一緒にすんなと。あともう1つは、実名のあなたよりあなたが言うところの「匿名」の僕の方がよっぽど発信力も影響力もある状況をどう捉えてるんですかって話だわな」

司会者「実名で「覚悟」があったって伝達されなかったらその「覚悟」を発揮する場もないですしねえ」

レジー「そうそう。わかりましたか○○○さん」

司会者「名前だすのかと思った」

レジー「この人これ以外にもおかしなこと言ってたからそのうち伏字とるかもね。まあその話はいいや。今日は長々やる予定はないのでこのまま終わりに向かっていく感じにしたいと思います」

司会者「はい。じゃあ適当にしめていただけると」

レジー「とりあえず皆さんぜひSPA!読んでみてくださいね。まあなんか期せずしてメジャーな媒体に載ったわけで、淡々と続けてきてよかったなあと。それで言うと、最近「レジーのブログリスペクト」のブログいくつか見かけましたが、少なくとも最初のうちはあんまりアクセスとか気にせずやるのがいいんじゃないかと」

司会者「夏にロックインジャパンの記事がはねてから、年末の佐々木さんキュレーション洋楽離れビール離れロックとアイドルの流れまであんまヒットが出なかったですよね」

レジー「そうね。結局「誰かに読んでもらいたい」よりも「自分が書きたい、発信したい」が勝ってるから続いてる部分はあるよね。それなりに読んでいただけるような環境にはなってるけど、その前提は忘れずにやっていきたいなと思っています。引き続きよろしくお願いします」

司会者「では今回はこの辺にしておきましょう」

レジー「次回はいつもの感じに戻ります。ロックインジャパンのタイムテーブルが出るからその辺についてかな」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」

ロキノン、ボカロ、アイドル、インディー、そんな「ムラ」を越えるということ

レジー「この前の月曜日、ダイノジ大谷さんがやってるトークイベントに行ってきました」

司会者「やっとご挨拶できましたね」

レジー「うん。年初のロックとアイドルの記事が爆発したときに面白く拾っていただいたのは今でも感謝してますよ。ブログのこともちゃんと認識していただけてて嬉しかった」

司会者「その日の夜こんなツイートされてましたね」




レジー「いやーこんなメンバーと名前並べてもらって恐縮ですよ」

司会者「ほんとですね。機会があればぜひ、という感じですかね」

レジー「はい。何か最近このブログちょっとずつだけど世の中に見えてきた感じがして嬉しいな。大した話じゃないですけど近々告知できそうなこともあるので、ちょっとそのあたりはブログやツイッターなどチェックしていただければ」

司会者「わかりました。イベントの内容はどうでしたか」

レジー「面白かったですよ。登壇されてた柴さん、天明晃太郎さん、相沢スナオさんとの絡みも良かった。いろんな話題があったけど、個人的には大谷さんが日本のロックシーンにおける「ムラ」化みたいな話をしてたのが気になりました」

司会者「「ムラ」化ですか」

レジー「うん。いくつかエピソードがあったんですけど、たとえば「ライジングサンの常連客が、ロックインジャパンのTシャツを着てるお客さんを笑う」なんていう全く笑えない話があるらしくて」

司会者「なんか終わってますねそれ」

レジー「どっちも一緒だよそれって大谷さん言ってたけどほんとその通りだなと。なんかもうクラスター間の争いですらなくて内戦だよね完全に」

司会者「たぶんどのジャンルでも似たような話があるんでしょうね」

レジー「まあそうなんだろうけどね、なんか「ロックインジャパンとライジングサン」っていう対比は個人的にはすごく象徴的だなと思った。あとROCKS TOKYOに出てたプライマルスクリームがあんまり盛り上がってなかったときに、一緒に出てたミュージシャンたちが「この国は鎖国してんのか!」って憤ってたって話とか」

司会者「そう言いたくなる気持ちはわからんでもないです」

レジー「わからんでもないけど、大谷さんとしては「じゃあプライマルはほんとにAKBの総選挙に勝てるくらいのエンターテイメントを提供しているのか?」って角度の視点を提示してて。なんかこういう比較してる時点で怒り出す人とかいそうだけど、僕としてはこれものすごい共感するんですよね」

司会者「ジャンルの壁を取っ払って、ほんとに面白いものは何だろうって考えるべきだと」

レジー「そうです。で、情報の出し手だろうが受け手だろうが、小さな「ムラ」にこもって発想してるとそういう「ほんとに面白いもの」にはたどり着けないってマジで思いますよ。大谷さんはそのあたりすごくフラットだし、かつ「あえてフラットにしてる」みたいな感じもあんまりしないから話がものすごく刺激的です。オールナイトニッポンもいいけど、一度生で聴きに行ったら面白いと思いますよ。このブログ毎回読んでいただいてくれてるような方は特にね」

司会者「大谷さん以外のお話はどうでしたか」

レジー「ああ、一番印象に残ったのは柴さんが森は生きているについて言及していたことですね。あれすごいびっくりした」

司会者「最近柴さんが提唱されている「浮世絵化するJ-POP」って概念に関する話の中で出てきました」

レジー「「手数が多く、情報量の多いJ-POP」、一部のアニソンやアイドルソング、ボカロ曲に顕著な傾向がある中、最近の「東京インディー」なんて呼ばれる音楽はそのカウンターとして位置づけられるのではないか、という話で出てきた具体例がcero、シャムキャッツ、森は生きているだったと」

司会者「この「カウンター」という見立て自体はどうですか」

レジー「んー、個人的には「カウンター」というには距離が離れすぎてるというか、位相が全く違うんじゃないかなという気もするけど。その辺はいろいろ見方があるとは思うんですが、今回の論点はそこではなくて、そもそも「柴さんが森は生きているについて話した」ということ自体が面白いなと」

司会者「なんですかそれ。この前アルバム発売の告知もツイートしてましたよ」




レジー「アルバム超楽しみだよね。まあそれは置いておくとして。さっきの「ムラ」化の話にもつながるんだけど、いわゆる「最近の東京のインディーシーン」と呼ばれる界隈って、それを語る人も受容する人も結構「いろんなところから切り離されてる」印象があるんですよね。わかりやすく「こっち側」「あっち側」があるというか」

司会者「あー」

レジー「で、柴さんは明確に「あっち側」の人でしょ。これもちろんディスとかじゃなくて客観的事実としてですからね。たぶんご本人にお話ししてもご理解いただけると思うんだけど。そういうライターの方が、インディー界隈でもそれこそまだ1枚もアルバムを出してないアーティストの名前を出したってのがすごい興味深かった」

司会者「確かになんか「こっち側」「あっち側」感はありますよね」

レジー「たぶん僕についても「あっち側」に分類してた人が多かったから以前森は生きていると失敗しない生き方について取り上げたら反応があったわけで。アイドル聴いてる人もこんなの聴くのか、みたいな素朴な驚きがあったんだろうね。僕としてはグッドメロディならオールジャンルオーケーってスタンスなので完全に同じ土俵で聴いてるつもりなんだけど。その話で言うと、ちょうど大谷さんイベントの直前の土日に対照的なライブに行きまして。土曜日に吉田ヨウヘイグループのレコ発、日曜日にパスピエの『演出家出演』購入者インストアに続けて行ったんですけど」

司会者「土曜日は吉田ヨウヘイグループ以外に森は生きている、ROTH BART BARONも出ていました」









レジー「どっちもすごいいいライブだったんだけど、まあなんか客層が全く違うんだよね明確に。パスピエのお客さんのロキノンっぽいノリが強まってることもあってすげー顕著だった」

司会者「これ両方行った人っているんですかね」

レジー「いやー、どうなんだろうね。いたとしてもすごい少数だろうね。ジャンルは違えどどっちもハイレベルなことやってるのに、お互いがお互いを知らない、下手すりゃバカにしてる人もいるような状況ってのはなんか悲しいよね」

司会者「バカにするみたいな話もあるんですかねえ」

レジー「ここは何とも言えないけどね、やっぱりインディーっぽいシーンに関与してる人たちから何とも言えない選民意識を感じることってなくはないよ。「ロキノン系」とか完全に嘲笑の対象って人もいるようだし。大谷さんじゃないけどそうやって「ムラ」を作ってる時点で同レベルだって思うけどね。ちょうど今日やついフェス行って明日インディーファンクラブ行くからここでも対照的な感じが味わえるんだろうなと」

司会者「パスピエはそういう変な偏見を乗り越えるポテンシャルがあるんじゃないですかね。それこそJET SETでも売ってますし」

レジー「ほんとそう思うんだけどなかなか、って感じなんだろうね。そんな中最近面白い動きがあって」

司会者「HI-HI-WHOOPEEのエディターのazusa ogiwaraさんがパスピエについてコメントしてました」




レジー「HI-HI-WHOOPEEってある種インディーとか好きな人たちの牙城なわけで。それ系がっつり好きな若者たちも読んでますって話はこの座談会でも出てたけど、そういうメディアの中の人がパスピエの話をしてるのは柴さんのケースとは反対のベクトルで興味深いです。もうさ、こうやって草の根で混ぜていくしかないんだよねきっと」

司会者「結局ロキノンにしろボカロにしろアイドルにしろインディーにしろ、どこもかしこも「ムラ」になってるんですよね」

レジー「そうそう。たぶんね、音楽業界の人も細分化されすぎてわかってないんだよ。大谷さんのイベントに登壇してた相沢スナオさんが「ソニーの内部ですら、じんがこんなに売れるとは思ってなかった」って話をされてて。業界の中枢にいる人ですらそうなんだから、聴いてる側はもっとわからんよね」

司会者「この辺をつないでいく、「ムラ」を横断していくメディアなりなんなりはこの先出てくるんですかねえ」

レジー「大谷さんはそこ意識してやってると思うんだけどね。たぶんここは論点が二つあって、そんなことができるのかって話と、そもそもそれをやる必要があるのかって話で」

司会者「はい」

レジー「前者の話は、たぶん一人でやるのは無理だよね。ここ10年くらいで音楽を取り巻く環境が変わりすぎてるし、やっぱり「クラスのみんながニコ動でボカロ曲見てる」みたいなのを体験してないと正しくあのジャンルを語るのは無理だと思う。だから異なる世代が交わっていく場を作ることがまず最初のような気はしますね。まあちょっとこの手の「ムラ」化の話って、世代間闘争みたいなところもあると思うんだよね。ロッキングオン本誌の表紙がいまだにビートルズストーンズだ的な話もそこに包含していいと思うんだけど」

司会者「なるほど」

レジー「で、後者のやる必要あんのって話。ここはいろいろあるよね。こういう話すると必ず出てくるのが「自分たちは楽しみたいものを楽しんでるんだからいいじゃないか!」ってやつね」

司会者「自由に音楽聴いてるの邪魔するな!と言いつつその「自由」の範囲がものすごく狭くなりがち、って話は以前しました」

レジー「まあもちろん音楽は自由に楽しむものだからそれは全く否定しないんだけど。ただ、ミュージシャンサイドで見ると、優れた作品を作る人たちってとっくにそういう「ムラ」を越えてるわけですよね」

司会者「わかんないですよ、KANA-BOONみたいな例もありますし」

レジー「ああそうだった。この前それについてツイートしたらすごい爆発したんだよな」




司会者「受け手も作り手も特定の幅での換骨奪胎の繰り返しで成立しているジャンルもまだまだあるんでしょうし、それで言うと「横断するメディア」なんて不要ですよね」

レジー「それは確かにそうですな。一方で、じんがバックホーンにすごい影響受けているみたいな話が直近のMUSICAに載ってて、それについて本人が「あんまり言われないんですけど」と言っていると。去年はナノウがボカロ曲と椎名林檎を並列で弾き語りするなんてアルバムもありましたよね。この辺深入りすると知ったかぶりになっちゃうのであんまり言えないんですが、とりあえず「邦ロック」とか「ボカロ」とかそういう狭い枠の中だけで語ってると「本物の才能」、つまりありとあらゆるジャンルを越境した才能が出てきたときに正しくフックアップできない可能性が出てくるんじゃないかなと思うんですよ」

司会者「一つのジャンルで括れない音楽を無理やり枠に押し込める、みたいな話になってしまうんじゃないかと」

レジー「うん。この先音楽の「ムラ」化、タコツボ化はどんどん進んでいくと思うんだけど、一部の人たちはその逆でどんどん自由に先入観なく音楽に接していくようになるとも思うんですよ。ウェブという無限の海をちゃんと自分の意思で泳げる人たちね。そういう人たちが世の中に登場したときに、ちゃんとそれを正しい文脈で拾い上げるためには「ムラを横断したメディア」はないといけないんじゃないかなと思いますね」

司会者「わかりました。ぼちぼちまとめたいと思うのですが、大谷さんのイベントを起点に音楽シーンの「ムラ」とそれをどう横断するかみたいな話をしてきました。何か言い残したことがあれば」

レジー「そうですね、またパスピエの話になっちゃうんですけど、今回のアルバムプロモーションでMUSICAに成田さんのインタビュー、NEXUSに成田さんと大胡田さんのインタビューが出てまして」



司会者「MUSICAは成田さんの内面・コンプレックスから見たパスピエというバンドについて、NEXUSは2人の音楽的なルーツを具体的なアルバムを挙げながら話していくという内容でした」

レジー「ここの内容の差にいろいろヒントがあるなあと思いました。正直MUSICAの方は無理やりに自意識の話に接続してる感じですごい嫌だったんだけど、NEXUSの方は「自分にとって大事なアルバム5枚」っていうシンプルな企画だけどそこからすごくいろんな方向の話が発展してる感じがして」

司会者「確かにすごく立体的な話になってましたよね」

レジー「「音楽の話がちゃんと共通言語になる」ってのを表してる記事だったなあと思いました。たぶんこの先、ものすごい才能を持ったシンガーソングライターが実はアイドル大好きでしたとか、ネットで見つけたインディー系の音楽ばかり聴いてたけど一発ギター鳴らしてみたら一気にロキノンっぽい音楽にはまってバンプばりにすごい曲書くようになったとか、そういう話って普通に出てくると思うんですよ。そういう人たちに対してジャーナリズムサイドが最初にすべき質問は「あなたはどんなふうに虐げられてたんですか」じゃなくて「あなたの好きな音楽は何ですか」ではないかなと。もちろんそれをやるには、質問する側の音楽的な知識も問われるけど、そりゃ当たり前ですよね。音楽の話をしてるんだから。そういう当たり前のことをいろんな場所でやっていくと、「ムラ」みたいなものがいい感じに融解していくんじゃないかなと思ってます」

司会者「わかりました。では今回はこんな感じで。次回はどうしますか」

レジー「そうねえ。90年代企画第3弾も控えてるんですが、ちょっと考えます」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」

『演出家出演』発売記念 パスピエの「ネクストブレイク前史」を振り返る

レジー「クイックジャパンにPerfume『Magic of Love』のレビューを寄稿しました」

 

司会者「パスピエに続いて2回目の寄稿ですね」

 

レジー「パスピエの次にPerfumeって、なんかあれな感じだよね」

司会者「あれってなんですか」

レジー「いや、なんか言語化できないんだけどあれですよ。そういう感じの人なんだなーって思われそう」

司会者「指示語が多すぎてわかりづらいです。今回の記事についてはさやわかさんからこんな反応をいただきました」




レジー「さやわかさんがやったクイックジャパンのPerfume特集、いまだに保管してますよ。あれが自分にとってPerfumeへの本格的な入口だったからね」



司会者「こういう反応はほんとに嬉しいですね。で、前号で書いたパスピエですが、アルバム『演出家出演』が発売になりました」





レジー「なんかすごい売れてるみたいだよね」

司会者「初日のオリコンデイリーチャートが5位だったみたいです

レジー「iTunesでもしょっぱな1位だったみたいだしね」

司会者「こちらのブログでは去年からずっとパスピエを推しているので感慨深いですね」

レジー「ね。関連する記事結構書いてますよ。改めて紹介しておこう」

パスピエのこと「ポスト相対性理論」っていうな
【2012年総括】マイ年間ベスト10曲(5位~1位)
だからパスピエのこと「ポスト相対性理論」っていうなって
パスピエ『フィーバー』リリースにあたってインタビューを敢行しました

司会者「年間ベストの記事が佐々木俊尚さんキュレーションで紹介されたあたりから、「レジーのブログでパスピエって知ったけどいいな」みたいな声が出てきましたね」

レジー「うん。『ゴッドタン』のプロデューサーの佐久間宣行さんもここ経由でパスピエ知ったって言っててびっくりした」







司会者「今回の売上にちょっとくらいは貢献できてたら嬉しいですね」

レジー「そうね。そういやJAPANのパスピエのインタビュー読んだんだけど、これさっき紹介した『フィーバー』のときのインタビューと内容結構近いよね」



司会者「バンドの見られ方についての葛藤とかライブについての考え方とか、同じような話が出てきますね」

レジー「インタビューされた方が事前にこのブログ見たかは知らないけど、とりあえず今回のアルバムプロモーションのコアの話は『フィーバー』のときのインタビューで引き出せてたと思うので、未読の方はぜひ読んでみてください」

司会者「そんな流れで今日はパスピエの話をする感じですか」

レジー「そうね。で、たぶん『演出家出演』の中身みたいな話はたぶん各所でいろいろ出てくると思うので、ここでは違う切り口でやりたいと思います」

司会者「はい。どういう切り口で行きますか」

レジー「なんか今年に入ってからのパスピエの勢いすごいじゃないですか、ネクストブレイク的な取り上げ方されて山Pに曲書いてアルバムも売れて。でね、このブログでは去年から取り上げてるけど、去年までのパスピエってそこまで世の中に見えてたとは思えないんですよ。特に『ONOMIMONO』より前ですね」

司会者「「謎に包まれた」みたいなキャッチが枕詞になってましたしね」

レジー「うん。なので、今回はこのタイミングで改めて去年までのパスピエ、つまり「ネクストブレイク以前」のパスピエがどんな感じだったのかってのをいちパスピエファンとして振り返りつつご紹介できればなと。少なくとも全国流通盤が2011年に出てからの動きはそれなりにつぶさに追ってると思うので、最近パスピエ知ったみたいな人ともそのあたりの歴史観を共有できたらなと思います」

司会者「わかりました」

レジー「今回は先ほども述べたとおり「いちパスピエファン」としてどう見えてたか、という視点でやりたいと思ってるので、情報ソースとして自分のツイログを使用しました。「パスピエ」でキーワード検索をして、引っかかったツイートおよびその周辺のツイートを紹介しつつ進めたいと思います」

司会者「最初にパスピエについてつぶやいたのが2011年の10月末ですね」




レジー「興奮したなあこのとき。あとちょうど仕事がタフな時期で、前の週が休日出勤から終電越え残業連発とかいろいろ重なってしんどいところが終わったタイミングだったのですごい印象深い」

司会者「このとき購入したのが『わたし開花したわ』です」



レジー「試聴機で聴いてうわー!と思って買って、家で聴いてもすごかった。で、このタイミングでJAPANもちょろっと取り上げてますね」




司会者「「現在タワーレコードで先行発売中の」という書き出しで紹介しています」

レジー「なんかさ、雑誌媒体と店舗メディアの情報発信力の差というかスピード感が出てるような気がするよね。何年か前からJAPANのニューカマーページに出てくるバンドが「それずいぶん前にタワレコでとっくにプッシュされてたわ」みたいなケースが増えてると思うんだけど。まあその辺は話それちゃうので割愛。で、これ聴いてすぐライブ行ったんですよ」

司会者「2011年11月10日、下北沢のベースメントバーです」







レジー「お客さん50人もいなかったと思うし、物販に大胡田さんが普通にいるような感じのライブだったけど、ここでいろいろ確信したね。こりゃ売れると。で、その一方で「ポスト相対性理論」的なサブカル方面からの評価が徐々に出てくるんですよね。それについてのこんなツイート」







司会者「ヴィレッジヴァンガードの話はJAPANでも出てきてましたね。サブカル的に括られないとヴィレッジヴァンガードであんな売れない、そこに括られる悩みはあったけどそうやって「パスピエは○○」ってわかりやすく捉えてもらうのは入り口としては良かったと今になって思ってる、みたいなことを言ってました」

レジー「手前味噌ですが自分のインタビューから該当する箇所を紹介しておこう」

■「ロックフェスがきっかけでバンドを組もうと思った」という成田さんのエピソードもあるように、パスピエというバンドは「肉体的で、記名性の高いバンド」だとライブを見るたびに実感します。一方で、それとは対極の「匿名性」を重視する相対性理論やその界隈のバンドと同列で語られることも多いです。このような周囲からの評価にギャップを感じることはありますか。

成田「それもう言われすぎて慣れましたね(笑)。ギャップはありましたよ。ただ、カテゴライズしてもらうと一歩目が踏み出しやすくなるんで、初めて流通盤出したときに自分らの気持ちは置いといて「パスピエってこんなバンドだよ」と認知されたのはよかったかなと。ただその分、そういうバンドなんだってイメージがついちゃうとそれが天井になっちゃうので、なにか別のアプローチをしていかなきゃなと思ってやってました」

司会者「いろいろなラべリングがされる中で、『わたし開花したわ』に関するインタビューも出てましたね

レジー「で、これ読んでのツイート」










司会者「これセットリストじゃなくてプレイリストですね」

レジー「ほんとだ!恥ずかしい。結局『真夜中のランデブー』ってライブで一回しか聴いてないんだよなあ。鍵盤2台いるから大変みたいな話以前MCで言ってた気がするんだけど、もっとやってほしいわ。で、11月にライブ見た後12月にも見て、年明け1月にWOMBのイベントで見ました」




司会者「ここで『最終電車』を初めて聴いたんですね」



レジー「うん。ほんといい曲すぎて衝撃的だった。いつ聴いても完成度高いよね。最近でた泉まくらとのコラボもすごいいいんだけど、原曲の完成度高いからあのCD聴いてて3曲目でオリジナルが始まった瞬間すごい安心してしまうんだよね。で、『最終電車』も入ってる『ONOMIMONO』がリリースされたのが2012年の6月」









司会者「最初はしっくりいってなかったんですね」

レジー「しっくりいってなかったというか、ちょっと「思ってたのと違う!」って感じがあったんだよね。メジャーいくと変にこざっぱりしちゃうのかなあみたいな。でもそんな印象もライブ見たら吹き飛びます」













司会者「『ONOMIMONO』購入者向けのインストアライブですね

レジー「これ最初行かないつもりだったんだけど、ちょっと予定変わって急遽行くことにしたんだよね。行っといてよかった。ここで見てなかったら『ONOMIMONO』の評価もっと低かったかもしれないね自分の中で」

司会者「やっぱりライブが大事なんですねこのバンドは」

レジー「うん。最近になってやっと「パスピエはライブがすごい」みたいな話になってるけど、最初から一貫してたと思いますよ個人的には。ここまでがメジャーデビューまでですね。で、この直後の2012年7月から「レジーのブログ」始まってますので、ここからについてはさっきあげたパスピエ関連の記事を読んでていただけると今までの流れがわかるかな。あ、そうだ、あと1つだけ紹介しとこう。今年の2月に下北沢のGARAGEで見た時のツイート」




司会者「そして今まさにネクストステージに羽ばたこうとしてる感じですね。ではこの先の展開について、何か思うところあればお願いします」

レジー「そうですね、基本的には何の不安もないのでこのままどんどんいい作品作っていいライブやってほしいなと。で、一個気になることがあるとすれば、最近「【定期】好きなバンドかぶったらRT&フォローお願いします!」みたいなツイートに列挙されてるバンド群にパスピエが入ることが増えてきてる気がするんですよ」

司会者「あー」

レジー「4月にWWWで見た後にも宇野維正さんとこんなやり取りしたんだけど」













司会者「確かに良くも悪くもすごい盛り上がってましたねあのライブの前の方は」

レジー「これって間口が広がってる証拠だからポジティブに捉えるべきことだと思ってはいます。一方で、宇野さんのツイートもすごくわかって。パスピエって「わかる人にはわかる」的な評価だけでとどまるバンドじゃ全然ないけど、単にスポーティーに消費されるにはあまりにももったいないバンドだなあとも思うんですよ」

司会者「その辺の折り合いどうつけるかってのが今後のカギになるんですかね」

レジー「個人的に気になるのはそのあたりですね。たとえば、“世界の終わり”というバンドのファンと“SEKAI NO OWARI”というバンドのファンって、きれいに入れ替わってると思うんですよね。それはもう鮮やかなくらいに」

司会者「「『EARTH』は好きだったけど今はね・・・」って人すごい多いですよね」

レジー「うん。僕もそのクチなんですけど。で、そういう形で一度離れたファンってたぶん戻ってこない。拡大戦略をとるにはそういう発想も必要なときもあるのは理解しているけど、自分としてはパスピエにはぜひありとあらゆる層を納得させる全方位の戦い方を見せてほしいなと。これからもいちファンとして応援したいと思います」

司会者「わかりました。では今回はこの辺で。次回はどうしますか」

レジー「んー、そうねえ。ふくろうずアルバム出るらしいからそれについてやりたいなあと思いつつ。ちょっと考えます」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」

アイドルと自意識、アイドルの自意識11 -AKB総選挙を終えて、改めて『ヘビーローテーション』について考えてみる

司会者「AKB総選挙が開票され、さっしーが1位になりました。速報結果からの逃げ切りです」

レジー「僕が投票したゆきりんは4位、ぱるるは12位、宮脇咲良ちゃんは26位でした」

司会者「注目ポイントとかありますか」

レジー「大きいところでは篠田さんの卒業なんだろうけど、さっしーが1位になった時点で真面目に考察する気は失せるよねなんか」

司会者「大島さんの表情やスピーチが物語ってましたね」

レジー「うん。なんかいろんなものがうやむやになった気がする。とりあえず運営が世代交代感を出そうとしてるわりには、なんだかんだで上位メンバー頼りってのがAKBの実情だと思うんですよ。そういう状況の中で何となく「変わった感」が出て良かったんじゃないかなと思います。あとは結局恋愛スキャンダルで移籍した人が1位なんだから、もう恋愛禁止とかなしにしてもいいんじゃないかなと思いました。自己責任でというか。律儀にやってる人がバカみたいじゃんね」

司会者「まあそうですね。投票した1ファンとしてはどうですか」

レジー「とりあえずさくらちゃんがいい順位に入れてよかった。ゆきりんは「私なんかそんな恐れ多くて・・・」みたいな雰囲気が完全になくなったね。最近いい女になってるなーと思ってます。ぱるるはなあ。もうちょっと行くかと思ったんだけど。さえちゃんの壁は厚いね。あと柴田阿弥が最終的に17位ってのも面白かった。なんかいいじゃんあの子。という感じで完全に踊らされています」

司会者「なるほど。いろいろありましたが、とりあえず今回の上位16人での新曲が発売になりますね」

レジー「総選挙の結果を受けたシングルってのも今回で5回目になるわけですね。早いな。参考までにこれまでの曲を改めて並べてみましょうか」

09年 言い訳Maybe
10年 ヘビーローテーション
11年 フライングゲット
12年 ギンガムチェック


司会者「特に好きな曲とかありますか」

レジー「そうねえ。僕実は『言い訳Maybe』すごい好きなんですよね」



司会者「はあ」

レジー「久々にPV見たけどみんな若いな」

司会者「どの辺が好きなんですか」

レジー「まあなんかジャパニーズ王道アイドルソングって感じがするんだよね。意外とこういう曲やってるグループ他にない気がする」

司会者「変に凝ってない良さはありますね」

レジー「うん。最後のサビの後ろで何かギターがうなってる感じとかなんかクセになります。あとは普通に『ヘビーローテーション』ね」



司会者「AKBの代表曲って言ったらこれになるんですかね」

レジー「たぶんね。で、今回は、次のさっしーセンターのシングルが出る前に改めて『ヘビーローテーション』という曲は何だったのか、ということについてやりたいなと思ってます」

司会者「わかりました。『ヘビーローテーション』は2年連続でJASRAC賞の金賞なんてニュースが先日出ていましたが、リリース以来日本中で使われまくっているということになりますよね」

レジー「カラオケチャートで2年連続1位、48週間連続1位っていう記録も持ってるわけでほんとすごいよね。「AKBなんて複数買いだけで誰も歌とか知らねーよw」って言う人たちでもさすがにこの曲は知ってるでしょう。カラオケチャートは複数買いなんてないしね」

司会者「結婚式の余興でも使われてるのではという話も以前しましたね

レジー「はい。この曲に関しては2010年代の国民的唱歌といっても過言ではないと思います。この曲があるからこそAKBは他のアイドルとは違う層にアプローチできてる、って部分はありますよね」

司会者「それは確かにそうですね」

レジー「で、曲そのものについての話をしたいんだけど、これについては柴さんが「アウフタクト」という概念を使って説明していました」

司会者「アジカンの『リライト』と比較してますね。あとはそもそも「アウフタクト」自体がAKBの曲の一つの明確な特徴なのでは?って話をこの記事および『文化時評アーカイブス』の音楽座談会の中でされていました」



レジー「あとはコード進行の話で言うと、マキタスポーツが「カノン進行」っていう切り口でネタにしてたよね。日本人が大好きなコード進行で、AKBのほかの曲やその他いろんなアーティストのヒット曲にも使われてるって話」

司会者「森山直太朗の『さくら』とかが例に出てましたね」

レジー「うん。この2つはもちろん重要な要素なんだけど、個人的に一番大事なのはあの曲の雰囲気を規定しているアレンジだと思っています」

司会者「ロック風ですが、先ほど挙げた『言い訳Maybe』のアイドル歌謡然とした雰囲気とはまた違って、もうちょっといわゆるJ-POP的な女の子のロックって感じですよね」

レジー「で、このアレンジ誰やってるんだろうと思って調べたらびっくりしました。何かあんま言われてない気がするけど、この曲のアレンジャー、田中ユウスケさんっていうアゲハスプリングスの方なのね」

司会者「AKBとアゲハスプリングスって結びつかないですよね」

レジー「アゲハ全体で言うとトマパイや9nine、最近だとでんぱ組の『でんでんぱっしょん』とか、アイドル絡みの仕事いろいろあるけどAKBまでやってるとは知らなかった。他にもあるのかな。で、この田中ユウスケさんって方が他にアレンジとかプロデュースをやってる曲見てたらさらにびっくりしたわけです」







司会者「YUKIやいきものがかりの曲に関わってる方なんですね」

レジー「しかもパスピエにも噛んでるんですよこの人」

司会者「田中さんの会社であるキューがマネジメントをやってるみたいですね」

レジー「サイト見ただけだとはっきりわからなかったけど、音源自体はワーナーから出てるしアーティストマネジメントをやってるってことでいいんだよね。とにかく、田中ユウスケさんって補助線を引くことで『ヘビーローテーション』という曲の存在意義みたいなものが見えてくると思います。YUKI、いきものがかり、パスピエって文脈に『ヘビーローテーション』を置いてみると、この曲がここまで爆発的に浸透した背景には「日本の音楽シーンで続いているガールズロックの系譜」みたいなものが大きくかかわっているってことが見えてくるんじゃないかと」

司会者「確かにジュディマリっぽいみたいな指摘は出た当初からありましたよね。『あなたは生きている』に似てるなんて話も」



レジー「僕も初めて聴いたときに「うわ、ジュディマリじゃんこれ!」って思ったんだけど。ジュディマリが本格的にブレイクしたのが『Over Drive』をリリースした95年。この頃は解散直前のモンスターバンド然とした雰囲気ではなくて、「女の子の元気でキュートなロック!」みたいな感じでの受容のされ方だったと記憶しています。で、この手の女の子ロックって、80年代後半にプリプリが温めて、90年代初頭からのJ-POPの時代になるとリンドバーグがヒット曲ポンポン出して、半ばにジュディマリにつながっていく、という感じで脈々とした流れがあるんですよね。ちょっと単純化しすぎかもですが、大きくはそういうことかなと」

司会者「『Over Drive』が出た年にリンドバーグは『もっと愛しあいましょ』を出してます」





レジー「そうか、ジュディマリとリンドバーグはチャート上で並走してる時期もあるのね。こういう感じの「ガールズロック」とか言われる類の音楽って日本特有なのかな。この頃は洋楽も結構聴いてたけどシンクロしてる動きがあったようには思えないんだが」

司会者「これもいわゆるガラパゴス化って話なんでしょうか」

レジー「どうなんだろうね。そこは本論ではないのでちょっと置いておきます。で、この手の音はJ-POPにおけるある種の「ボリュームゾーン」なわけで、そこ狙ったグループもちょこちょこ出てくるわけですよ」

司会者「特徴的なやつを紹介しておきますか」







レジー「こういうフォロワーっぽいのが出てくるのはこのシーンが盛り上がってた証だよね。まあこの辺はある種一発屋で持続せず、加えてジュディマリも解散してYUKIがいわゆるバンドサウンドとはちょっと違う方向にいくわけだけど、それと入れ違いでチャットモンチーが出てくるんだよね。で、ゼロ年代半ばから後半になるといきものがかりも定着してくると。『けいおん!』もこの流れでしょ」

司会者「結構音楽性違うグループを一直線上に並べてる感じになってますが大丈夫ですか」

レジー「もちろんここまであげてるバンドの厳密な音楽性は全部違うと思います。ここで言いたいのは、世の中的な見え方として「女性ボーカル、キャッチー、ロックサウンドではあるけど男っぽさというよりはかわいさをちゃんと担保している」くらいの記号で識別されるであろうバンドってのが90年代以降ずっといるということです」

司会者「なるほど」

レジー「こういう大きな潮流を意識すると『ヘビーローテーション』もその流れの中に位置づけられるし、あの曲が受け入れられる土壌は20年くらいかかってじっくり耕されてきたものだとも言えると思うんですよね。第2回総選挙って第1回と比べて注目度が飛躍的に上がってたわけで、ここで出すシングルってのはAKBにとって文字通りの「勝負曲」だったわけですよ。そこでAKB陣営はこういう「J-POPの歴史を踏まえたうえで、受け入れられる確率の高い曲」を出そうとして、その流れの最新モードを理解している田中ユウスケという人をアレンジャーに据えた。完全に勝ちに行って、そこで結果を収めたと。秋元康的にはしてやったりだったんじゃないかな」

司会者「『ヘビーローテーション』はマイクスタンドありのダンスパフォーマンスが基本ですが、バンド演奏バージョンもテレビやライブで披露されていますね」


AKB48×SKE48×NMB48 『ヘビーローテーション バンドver.』 M J 2012... 投稿者 hcinis_sayu

レジー「これとかお世辞にもうまいとは言えないけどさ、やっぱりこれはやらないといけなかったんだよね。これがこの曲のあるべき姿で、J-POPにおけるガールズロックの歴史へのオマージュですよ言ってみれば」

司会者「そこまで意識してやってるかはわかりませんが、そういう解釈も可能ではありますね。長くなってきたのでぼちぼちしめたいのですが、『ヘビーローテーション』という曲について、J-POPにおける歴史的位置づけという観点から話をしてきました」

レジー「はい。今回いろいろ関連動画見てて、普通にこういう感じの曲いっぱいやるアイドルがいたらそこそこ売れるんじゃないかと思ったんだけどどうかな」

司会者「確かに意外といないですよね」

レジー「もちろんPASSPO☆みたいにロック調の曲やってる人たちはいるし、この前書いたひめキュンだっているわけだけど。なんかもっといわゆる「J-POP的ガールズロック」に寄せた感じの人たちがいたっていいんじゃないかなと。それこそさっき紹介したホワイトベリーみたいな曲って結構いいと思うんだけどなあ」

司会者「ホワイトベリーはジュディマリのメンバーだった恩ちゃんプロデュースでした」

レジー「そうだよね。恩ちゃん曲作ればいいのに。というわけで今回の結論は恩ちゃんもう一度メインストリームに出てきてください、で」

司会者「ほんとにそれでいいですか」

レジー「いや、冗談で言ってるわけではないですよ。TAKUYAだってやってるんだから。これ最近まで知らなかったんだけどすごいいい歌じゃないか」



司会者「確かに」

レジー「若い作家も、かつて時代の中心にいたヒットメーカーも、いろんな人が参入できるのがアイドルの面白さですよね。恩ちゃんが作ったポップなアイドル曲ががつーんと売れたら個人的にはすごく感慨深いですね。そういう作家サイドでのリバイバルみたいな話も、文化としてのアイドルの成熟につながるのではないかと思っています」

司会者「わかりました。では今回はこの辺で。次回はどうしますか」

レジー「そうねえ。パスピエのアルバム出るからその話をするのがいいかなあ。ちょっと考えます」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」

「音楽からお金を生む」のは悪いことではない --AKB商法とDIY精神

レジー「先日『さよならクロール』を3枚買いました」

AKB.jpg


司会者「総選挙の投票用ですね。誰に入れましたか」

レジー「ゆきりんとぱるる、あとHKTの宮脇咲良ちゃんに入れました。3票目は悩んだんだけど」

司会者「総選挙は毎回投票してるんですか」

レジー「いや、投票したのは去年が初めてですね。そのときはゆきりんとゆいはんに入れました。選挙自体は2回目から気にしてるんだけど、これ投票するしないで全然気持ちの入りようが違うね」

司会者「たかだか2票3票でもですか」

レジー「うん。やっぱ参加してる感が出てくるよね少ない票でも。競馬だって100円でも買ってたら見てて力入るじゃないですか。あれと一緒ですよ」

司会者「(競馬はリターンがあるしちょっと違う気が)ゆきりんぱるるはともかく、咲良ちゃんクラスだと1票が順位に与える影響も大きいですからね」

レジー「速報でも61位でボーダー付近だったしね。まあ速報はあくまでも参考値ですよ。土曜日を楽しみに待ちたいと思います。しかしなんか最近はAKBを「総括」するような話がちょっとずつ出てきてるのが気になるね。みんな何かが終わるのを感じ始めてるんだろうな」

司会者「直近だとこの2冊ですかね関連しそうなのは」

 

レジー「田中秀臣さんの本はAKBを取り巻く話の状況整理としては面白いです。去年出た濱野智史さんの『前田敦子はキリストを超えた』をどう解釈するか、みたいなところはなかなか読みごたえありました。ただ、「景気が良くなるとアイドルは弱る→つまりAKBは苦しくなる」みたいな話は論拠が脆弱な気がしました」

司会者「結局アイドルそのものがダメになると言いたいのかももクロなど他のアイドルにいくということなのか、その辺がはっきりしない感じになってましたね」

レジー「そうね。あと峯岸みなみの坊主事件の原因が「合コン参加報道」となっている決定的事実誤認が」

司会者「正しくはお泊り報道ですね」

レジー「直後に出たゆきりんの合コン参加ネタと混ざってるっぽい。「AKBのモラルと一般社会のモラルのコンフリクト」みたいな話でここ間違えるのはいかんね。ご本人にもツイッターで指摘したのですが」

司会者「さやわかさんの本はどうですか。『文化時評アーカイブス』の音楽座談会にも参加されており、音楽には造詣の深い方かと思うのですが」



レジー「これまだ試し読みでしか見てないんだけどすごい面白そうだよ。AKBのチャートアクションを丁寧に見ながら「CDを売る仕組み」がどこでどう変わっていったかってのを解き明かす取り組みって今までなかったと思うし、音楽業界全体でも学ぶ点がいろいろあるような気がします。注文したところなので届いたらすぐ読みます」

司会者「試し読みパートでは「AKB商法」という言葉が初めて登場したのが2007年では、という話が出てきます」

レジー「ね。以前「2007年が音楽業界が変わる分水嶺だった」って話を柴さんが提示して、それについてチャート見ながら検証する記事を書いたんですけど。やっぱ2007年には何かがあるね」

司会者「いわゆる「AKB商法」、CDの複数購入を促す手法についてはどう思いますか」

レジー「んー、実はあんまり感想はないんだよね。CDを売るのが仕事の人がいて、その人たちがCDを売るために編み出したやり方で、少なくともファンの人たちはたぶん文句言いつつではあるんだろうけど受け入れていると。だからそれはそれでいいんじゃないかなあって気はします。まあでもあれか、環境破壊にはなってるか。エコではないよね」

司会者「「握手券とセットでCDを売る」という仕組みそのものが、「現役のミュージシャンがアイドルを批判する」構造のベースになっているような気はしますが」

レジー「そうねえ。まあ言いたいことはわかります。ある意味では「音楽をないがしろにしている」行為ではありますよね。でもねえ、何か自分のうがった見方かもしれないけど「こんなに頑張ってる俺たちは儲からないのにあいつらは楽して儲けてる!ずるい!卑怯!」みたいなスタンスが見えちゃうんだよなあ。特にロック系の方々。どうなんだろ」

司会者「有名なフェスに出てるバンドですらバイトして凌いでいるなんて話もありますし、実際に金銭的に苦しい部分はあるんでしょうね」

レジー「でもだからってアイドルをディスるのはださいわな。てかAKBのCDの複数買いがたとえば禁止されたとして、その分が自分たちの売上として回ってくるとでも思ってるのかね。絶対そんなことないでしょ」

司会者「確かに」

レジー「以前高木壮太さんがしてたこんなツイートがすごく印象に残っておりまして」




司会者「うーん」

レジー「過激な言い方になってるけどこういう時代だってのもまた事実だと思うんだよね。だからこそ、あえて音楽との距離を保つことでミュージシャンとしてのプライドを維持してる人もいるわけで。その辺は『OTONARI』で詳しく触れられてたし、以前記事も書きましたが



司会者「ミュージシャンを取り巻く環境が変わっていく中でいろいろと道を模索しながらやっている方々もいるわけですよね」

レジー「そう。普通にメジャーレーベルにいてCD出してマスでプロモーションしてライブやって、ってサイクルを漫然と回すだけで成立するのはもはや一握りだけなんだよね。それに気づかず喚いてる人たちは滑稽だなと。で、『OTONARI』で出てくる話の肝は「音楽とそれ以外の仕事を組み合わせることで、音楽を自由にやる」ってことで」

司会者「特に快速東京の一ノ瀬さんとATATAの奈部川さんは意識的でしたね」

レジー「うん。で、そういう「音楽プラスアルファ」ではなくて、「音楽そのものを徹底的に自分で管理する」っていうスタンスで新しいビジネスの生態系を作ってる人もいるわけですよね」

司会者「津田大介さんの『TWEET&SHOUT』ではその辺の話がいくつか出てきます」



レジー「この本は音楽業界がどのように変わっていっているか、って話を流通環境の変化とか新しく出てきたミュージシャンとかいろいろな切り口でまとめています。その中で、まつきあゆむさんの取り組みが紹介されてますね」



---ところで、いわゆるDIY的なやり方で活動しているミュージシャンのなかで、津田さんが注目しているのは?

まつきあゆむが一番面白いと思いますね。MP3を直に売って、代金を振り込んでもらう。ミュージシャンがリスナーに直接届けるスタイルは、イギリスあたりでも増えてます。

---野菜の直販とまったく同じですね。失礼ですが、まつきさん、音楽だけで生計を立ててるんですか?

彼は今、100パーセント音楽で食べていますよ。ライブはあまりやらないけど、自分の曲を売ったり、CM音楽の制作をやったりして、アルバイトしなきゃ食えなかったのが、今は音楽の仕事だけで生計を立てられるようになったわけです。


司会者「へー」

レジー「直接音源を売りつつ、サウンドクラウドでフリー音源発表して広く聴いてもらって、CM音楽みたいな依頼される仕事もやって、とうまく回ってるんだろうね」

司会者「他には七尾旅人さんのDIY STARSについても紹介されています」

レジー「ネットでの音楽配信プラットフォームですが、その特徴について前掲の『TWEET&SHOUT』ではこう書かれています」

この仕組みが画期的なのは、販売したファイルの売上から引かれる数字がわずか5.5%程度の決済代行手数料のみというところにある。
(中略)
「島根かどこかの名もないアーティストが200円のファイルを売って、何かのきっかけでブレイクして100万件ダウンロードされれば、ほぼ2億円がアーティストの手元に残るんだよ」


司会者「なるほど」

レジー「おそらくこれってバンドキャンプとかが一般化する前に書かれた文章だと思うんだけど、バンドキャンプのお金の流れってどうなってるんだろう。誰か教えてください。で、このサイトに載ってる旅人さんのメッセージがまた面白いなあと思いました」

DIY STARSは非常に素っ気ないシステムです。こちらの面倒を一切見てくれません。アップしたファイルをお客さんにDLさせ、決済してくれるだけです。

HP開設や決済代行会社との契約など、前準備もそれなりにありますし、日々、自分で運営管理して、発売したら何らかの形で告知もしなくちゃいけない。
著作権管理についても別途に考えなくてはなりません。
どんなミュージシャンにもお奨めできるというものではありません。

インディペンデントな活動に魅力を感じる方には良いかもしれませんね。


司会者「いろいろなことを自分で完結させることのできる人じゃないと運用できませんよ、と」

レジー「メジャーレーベルにいて音楽以外のことは誰かがやってくれるってのとは決定的に違うんだろうね。いろんな負担をしょい込む分自分の好きなようにやれると。まつきあゆむさんのケースもそうだと思うんだけど、「音楽だけやりゃいい」ではなくて「音楽を好きにやるために音楽の周りのこともいろいろやる」ってことなんだろうね」

司会者「一ノ瀬さんや奈部川さんのように「音楽と距離をとることで、音楽を守る」ってスタンスに対して、「音楽の周りにあるものまで含めて徹底的に取り込むことで、音楽を守る」と」

レジー「うん。僕はどっちのスタンスもかっこいいと思います。音楽を守るために自分なりにポジションをとってるわけだからね」

司会者「そういえばこの辺の話題にも関連する話として、先日ユニゾンの田淵さんがこんなツイートを連投していました」




















レジー「自分でやるつもりはないとも言ってるし、実際やるとなると集めたお金の透明性の確保とかいろいろ課題はあるんだろうけど、発想は素晴らしいよね。全然ありだと思う」

司会者「お金を出す側としても「自分たちがアーティストを支えてるんだ」という意識は強くなるでしょうね」

レジー「単に物を買うっていう話から「応援する、その気持ちの表れとして投資する」っていうふうにフェーズが変わる。コミュニケーションにお金が支払われることになるわけで、ある意味「握手券を売る」という今うまくいっているビジネスをミュージシャンらしい形に発展させたとも言えると思う」

司会者「なんとなく排他的になるというか、広がりがなくなりそうな感じが懸念点でしょうか」

レジー「いや、こうやって結びつきを強めることで、逆にバズが誘発されて結果的には広がっていく感じになるんじゃないかな。自分がこのプロジェクトに参加してる!って意識をリスナー一人ひとりが持つわけで、みんなが宣伝部員ってことになってくれると思う。ちょっと楽観的すぎるかな。でもたぶんそういうことだと思う」

司会者「なるほど。こういう形でファンを「組織化」することで、いろいろなことの基盤になりますよね」

レジー「そうそう。で、田淵さんの言う「対価」をどう返すかってのもいろいろパターンがあると思う。有料メルマガの楽曲版みたいな感じで、定期的に曲が送られてくるみたいなのも面白いだろうし。仮に未完成音源でもファンだったら嬉しいよね」

司会者「本当にファンを「株主」として位置づけるなら、アレンジの方向性に意見できるとかあってもいいかもしれないですね」

レジー「うん。もちろんそこまでオープンにしたくないって人たちもたくさんいるだろうけど、ファンのコミットメントを高める方法の一つとしてはあると思う。音源が送られてくるってのも、複数のミュージシャンで会員クラブみたいの作って運営してもいいだろうし」

司会者「かつてURCがやってたような話ですね」

レジー「はい。それこそ今のインディーシーンでゆるくつながってる人たちとかで集まってこういうのやったら話題になるかもしれないですね。あとは、田淵さんみたいにシーンに対する批評眼のあるミュージシャンってまだまだいるはずだから、お金払ってくれてる人向けにそういうことを発信してくみたいなこともあるだろうし。考えればいろいろネタはでてきそうです」

司会者「なるほど。長くなってきたのでそろそろまとめていただきたいのですが。今回はAKB商法からDIYな感じのやり方まで、音楽を起点にどうやってお金を作るかみたいな話をしてきました」

レジー「そうですね。強く思うのは、どうやってマネタイズするかって話も十分にクリエイティブな領域だよねってことですかね。やっぱりこの業界ってなんだかんだで嫌儲主義というか、「金のために音楽やるなんて!」みたいな雰囲気もまかり通ってる気がするんだけど、ファンの人が喜んでかつ自分が潤う、というか「音楽で生活する基盤を整える」ためのやり方を考えるってのは全く悪いことじゃないですよね」

司会者「霞食って生きてくわけにもいかないですからね」

レジー「うん。で、「食い扶持は別のところで稼いで音楽はそこから切り離す」ってのも立派な思想だけど、そうじゃなくて音楽そのもので生活を回していくためにどういうやり方があるか?ってことを考えるのも面白いんじゃないかなあと。今はいろんなツールやメディアが発展してきてるから、そこでのやり方でミュージシャンなりの個性も出せるわけですし、「握手券を使ったCD複数購買」をディスるだけじゃなくてそれよりも面白いビジネスモデルが出てきたらいいなあなんて思ってます」

司会者「わかりました。では今回はこの辺で。次回はどうしますか」

レジー「そうねえ、総選挙挟むので改めてAKBの話をしてもいいかなと思ってます。他に何かあれば考えます」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」

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