レジーのブログ(旧)

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たかが紅白、されど紅白、そしてサカナクションがその地を踏んだ意味

司会者「休みも終わって仕事も通常営業になってますが」

レジー「すでに年末が遠い昔に感じるわ。今回の年末年始休みは体調万全でもなかったから例年よりも家にいた気がするね」

司会者「その分年末の音楽番組しっかり見れましたね」

レジー「そうね。珍しくMステスーパーライブもリアルタイムでがっつり見たよ。でもなんかこの前のはいまいちだった気が」

司会者「そうなんですか」

レジー「全体的に雑な印象を受けました」







司会者「12年のMステはすごい良かったのにね」

レジー「あのときは桑田佳祐とかB’zとかピークポイントがはっきりしてたんだけどこの前のはほんと散漫だったわ。ツイッターでマンウィズマンウィズ騒ぎながら他のアクトディスってるロキノン厨が面白かったくらいだね。一方で今回すごく良かったのが、これも毎年恒例の「クリスマスの約束」ね」

司会者「小田和正さん仕切りの番組です」

レジー「あの番組、たまに「感動の押し売り」みたいになってる年があってそういうときはいまいちだったりするんだけど、今回はそんなのが全然なくて良かった。吉田拓郎かっこよかったし、いつもの面々は相変わらず聴かせるし、そして何と言っても桜井さんね」

司会者「登場シーンの客席の沸き立ち方に「国民的スター」感がありました」

レジー「うん。で、2人共作の『パノラマの街』がほんとに素晴らしくてねえ」

司会者「あれは良かったですね」

レジー「曲調も歌詞のテーマも『HOME』期の感じがしたんだけど、気負いなく作ればああいういち生活者に寄り添った名曲がさらっとできちゃうんだよねあの人は。そう考えるとその才能をスポイルしてるのは誰なんだって話ですな」

司会者「小田さんともマッチしてましたね」

レジー「桜井さんの歌詞特有の説教臭さは随所にあったけど、小田さんの透き通った声で歌われるとそんなに気にならないんだよね。いいバランスだった。YouTubeにはなくて貼れませんが、聴いてない方はぜひ聴いていただきたいです

司会者「あとは紅白ですね年末で言うと」

レジー「今回の紅白ほんと面白かったよね」

司会者「やっぱりあまちゃんですかね」

レジー「幸いにしてドラマ見てたので大興奮だった。ユイちゃんが東京に!とか春子さん!とか騒いでたからあのコーナー終わるときにはかなりぐったりしてたね」

司会者「はあ」

レジー「あと大島優子の卒業発表は単純に悪手だった気がしました。あまちゃん押しと北島三郎とかで番組自体がハイカロリーになるのは予想できてたわけで、あそこであんなこと言っても流れちゃうよねえ。元日のスポーツ新聞1面になってもその日テレビの露出少ないからあんまり意味ない気がするし。ファンがたくさんいる前で言った方が誰にとっても幸せだったんじゃなかろうか」

司会者「紅白ネタだと年明けいろいろネットで炎上してましたね。リアルサウンドのやつとか」

レジー「あれリアルサウンド上で削除された後も配信されてた別媒体では読めたんだけど今はそれもなくなっちゃったのね」

司会者「読んでみてどうでしたか」

レジー「うーん、面白いか面白くないかで言ったら面白くなかったけど、あんなにみんなで叩く記事なのかはわからなかった。どう考えてもふざけたノリの記事なわけで、あれに対して「まじめに聴け!」「俺の方が愛をもって書ける!」とか言ってる人たちほんと何なんだろうと思った」

司会者「その後謝罪文のようなものも出ました

レジー「せめて記事削除と同時に出せばよかったのにね」

司会者「あとこんなのもありましたね」

なぜ紅白は、演歌歌手の後ろにアイドルをはべらせるのか

レジー「これね。個人的には「アイドル=高級クラブ(もしくはキャバクラ)」って比喩を使ってる文章に出会うと読む気が大幅に減退するんだけど、あまちゃんの演出についてはその通りだなあと思いました。それよりも気になったのはここ」

「まぁ大晦日くらいは演歌でも見てやるか」という態度に始まり「まぁこういうのもあっていいよなニッポンは」とそれなりの納得をして年が暮れていく、これが、演歌の苦手な若年層が繰り返してきた、演歌を許す柔軟さだった。

司会者「この文章書いてる武田砂鉄さんは82年生まれです」

レジー「僕とほぼ同世代なんだけどまったく共感できなかった。この「若年層」ってどこの誰を指してるんだろうってのがすごい謎でした。きっと紅白って、こういう「バーチャルな「古き良き日本」」みたいなものを勝手に読み込みがちなんだよね。ちょうど年明け早々に『紅白歌合戦と日本人』という本を読んだんですけど、ここにも「紅白=安住の地」っていう話がやたらと出てきて」



司会者「紅白に日本人としての「コミュニティ」があるみたいな論旨でしたね」

レジー「この辺に紅白歌合戦というテレビ番組のすごくアンビバレントな面が現れてる感じがして。引いた視点で見ると、コンテンツとしては紅白ってそこまでスペシャルではないんですよね。この前のあまちゃんみたいなのは一種の例外で、それこそ他の年末特番の方が豪華だったりする年もあるじゃないですか。かつては「対決」っていう特別感あったのかもしれないけど、今ずいぶんそこも後退してるし。前掲書から引用します」

一九九四年と九五年に司会者としてコンビを組んだ上沼恵美子と古舘伊知郎による、対抗意識をむき出しにした丁々発止のやり取りは、古き良き時代の「紅白」を彷彿とさせた。しかし男女対抗戦という形式は、実はすでに一九九〇年代に入ったところから揺らぎ始めていた。
まず、一九九〇年ごろから、オリンピックを模した開会式が行われなくなった。優勝旗返還も選手宣誓も、なくなったのである。これによって、スポーツをモデルとする歌合戦によって男女平等を実現するという「紅白」の基本コンセプトの一つが、後景へ退くこととなった。


司会者「1979年、水前寺清子さんが司会の時の話とか同じ番組とは思えません」

司会を務めることに決まると、水前寺は紅組の歌手全員と会うことにし、本番でどのように紹介してもらいたいか、セールスポイントは何かを取材した。歌手たちのビデオも何でも見返した。当日は紅組出演者に自前で弁当を配ったり、カメラマンを手配してスナップを写真を撮ったりした。
水前寺清子のそうした熱意に触れて、出場者たちの気持ちは「紅組勝利のために」から「チータを勝たせるために」へと高まっていった。


レジー「番組内容だけで言えば紅白だって歌番組の1つに過ぎないし、MステスーパーライブやFNS歌謡祭と比較してどっちが面白いか?って視点だけでいいはずなんですよ。でもたぶん実際にはそうはなっていなくて、紅白に何かしらの特別感を見出している人が多い。たとえば例のリアルサウンドの記事が同じ内容でFNS歌謡祭を対象にやってたらここまで炎上しなかった気もするんですよね」

司会者「「AKBと三谷幸喜→トイレに行ってたので見ませんでした」ならそんなに問題にならなかったかもですね」



レジー「ここはもしかしたら人によって感覚が違うかもしれないけど。で、今年初出場だったサカナクションの山口さんが紅白のそういう特殊性みたいなものを言い当てていて」

まだ紅白出たわけじゃないけど、決まってからいろいろわかったのは、紅白って出たら「おめでとう!」って言われるんだね。

それすげぇなと思って。俺の中では紅白ってフェスなんだよね。音楽お祭りなんですよ。たとえば、ROCK IN JAPANとか出ても「おめでとうございます」って言われるわけないじゃん。だけど紅白に出ると「おめでとうございます」って言われるって、すげぇなって。こんなものがまだ日本にあるんだって思った。

(MUSICA2014年1月号 山口一郎の珍事砲弾)


司会者「こういう特別な空気を感じながらサカナクションは紅白に乗り込んだわけですね」

レジー「うん。今回の紅白出演にあたって、山口さんは「レペゼンバンドシーン」みたいなものを明確に表明していました。発表時の記者会見とか

あまりテレビに出てこなかった僕らのようなバンドが紅白歌合戦という大きな舞台に呼んでいただけるというのは、バンド界にとって勇気になるかと思いましたし、出るからには何か面白いこと、楽しんでいただけることを精一杯やらせていただきたいと思います。

司会者「番組のサイトのコメントにもそういう意識が出ています」

初の紅白歌合戦。ロックバンドとして何かしら爪跡を残せたらなと思っております。(山口一郎)

レジー「一貫してるね。で、最近の紅白における「初出場のバンド」っていうのがどういう意味合いを持っていたのかってのを確認すべく、おそらく個人の方のページだと思うんですがこちらのサイトをソースにして97年以降の「紅白初出場バンド」の一覧を作ってみました。97年ってのはたまたまここに載ってたというだけで特に意味はありません」

kouhaku.jpg


司会者「毎年1つか2つなんですね」

レジー「これざーっと見てもらって、サカナクションの歪さというかこれまでの流れと違う感じを理解していただけますでしょうか。グレイラルクルナシーみたいな大きな時代の潮流だったり、超大物出演としてのミスチルや復活ネタのプリプリ、沖縄復帰30周年のBEGINや震災絡みでの猪苗代湖ズのような社会的トピックとしての出演、あとはほとんどが一発ヒット曲が出たり飛び道具的な強さがあったりというどちらかというと「芸能」的な位置づけでの出演。こういうものと今回のサカナクションは一線を画してるというか、明確に「フェス」とか「音楽雑誌」みたいなものに軸足を置いたバンドが出るケースって実は今までほぼなかったんだよね。少なくとも計測した範囲内では」

司会者「そもそもこの手の人たちは紅白に出たがらないみたいな話もありますよね。直近だとバンプ出演のガセ報道なんてのもありましたが」

レジー「そういう流れに一石を投じたい、ってのも今回の出演なんだよねきっと。2012年の段階で山口さんはこういうことを言ってます

──山口くんの言う「メディア」って、テレビとかを指してる?

そうそう。前回「ミュージックステーション」に出たとき、面白かったんですよ。出たってことも面白かったし、周りの反応も良かったし。その理由も検証したけど、テレビを見たあとにYouTubeに行くんですね、みんな。そこでこのバンドはどういうミュージシャンなのかって情報をすぐ手に入れられるようになってる。逆にミュージシャンは、お客さんが「Mステ」を観たときの反応をTwitterなんかで即座に知ることができる。そのリアルタイム性も現代っぽいなと思ったんです。だから1990年代~2000年代に表に出ないのを美学にしていたバンドの手法を踏襲しても、それ以上の効果は得られないと思ったし、今の時代っぽくないなと考えて。だったら今あるツールを利用して表に出ること、それ自体が表現としてアリだなと思ったんです。僕がいつも言う「戦略すら表現」って部分に転化できるんじゃないかと。

(ナタリー 『僕と花』リリース時インタビュー)


司会者「「あえてテレビ出ない」みたいなのは違うんじゃないかと」

レジー「この辺は最近だとtofubeatsのスタンスとかにも近いよね。もったいぶらないでどんどん発信していくことこそパイの拡大につながると。だからMステにもスマスマにも出て。そういう動きの集大成が紅白だったわけですよ。いろんなトライが最高の舞台で結実したわけで、グッときました。で、今回のポイントはもう1つあって。サカナクションは13年が初出場だったけど、12年の段階で「山口一郎」って名前だけは紅白デビューしてるんだよね」

司会者「SMAPが山口さん作の『Moment』を歌いました」

レジー「そう、SMAP。さらに遡ると、SMAPは11年でも大トリをやってます。震災のあった特別な年の最後、多くの人が“「日本」というコミュニティ”の存在を意識してしまう紅白という場で、SMAPは『not alone』、「きみを 想いを ぼくがひとりにさせない」「あの日 ぼくたちは もう一度生まれた」と歌って、さらに『オリジナルスマイル』で前向いて笑っていこうぜってメッセージを発信したわけで。それで復興が進んだり原発問題が片付いたりしたわけじゃないけど、僕あのステージ見ててすごく感動したというか、SMAPが2011年という年に区切りをつけたなって強く感じました」




司会者「その翌年も大トリ、『Moment』と『さかさまの空』の2曲を歌いました。オリンピックのテーマソングと朝ドラの主題歌、これもどちらも“「日本」というコミュニティ”につながるモチーフですね」

レジー「そう。「日本」という枠組みが読み込まれがちな場としての紅白歌合戦で、SMAPは2年続けて「日本の精神性」みたいなものを表現するパフォーマンスをしたわけで。で、そこに連なる楽曲をSMAPに提供した山口一郎率いるサカナクションというバンドが、これまで初出場したバンドとは異なる価値観を背負って紅白に出たと。つまり、今回のサカナクションは単にロックバンドとして新しいことをやったというだけじゃなくて、SMAPを介して「震災以降の日本のポップミュージックの歴史」にはっきりと足跡を残したっていう意味合いもあったと思うんです。これはものすごく大きな越境というか、単に「若者に人気の尖ったバンドが紅白に出た」ということにとどまらない価値があるんじゃないかと。それをいつもと同じやり方でぶちかましたサカナクションにはほんとに感動させられました」

司会者「すごい興奮してますね」

レジー「いやー、そりゃ興奮するでしょ。自分としては、2部があまちゃんなら1部はサカナクションだった。繰り返しサビ前で山口さんが「こうはくうたがっせーん!!」って叫んだときはまじで涙腺決壊だったわ」

司会者「普通のロックバンドは叫ぶことを許されない言葉ですからね」

レジー「うん。なんかさ、JAPANとかMUSICAとか読んでると「○○を聴いた瞬間ガッツポーズを抑えきれなかった。」みたいなレビューたまにあるじゃないですか」

司会者「あーあるある」

レジー「ああいうの見るたびにこの人は何を言ってんだろうって思ってたんだけど、今回初めてその意味がちょっとわかった気がした。全然部外者だけどやったー!!みたいなね。Mステ見てる時に発見したツイッターでマンウィズマンウィズ騒いでるロキノン厨の気持ちがわかった」

司会者「そんなサカナクションは早速ニューシングル『グッドバイ/ユリイカ』を発売します」





レジー「年初早々に年間ベスト入りそうな曲がきましたね。で、ここに至る前に去年彼らは『sakanaction』ってアルバムを出してるわけですが、この作品は先日から話題になってる「ネットの音楽オタクが選んだ2013年の日本のアルバム」で2位にランクインしてます。というわけで、次回はこのランキングについて掘り下げたいと思います。今回はこの辺で」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」
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