レジーのブログ(旧)

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連載「音楽で食わずに、音楽と生きる」 case2 会社員×バンドスタッフ

レジー「前回に引き続き、連載企画「音楽で食わず、音楽と生きる」をお送りします。これまでの記事はこちらをどうぞ」

前口上
case1 会社員×音楽ライター

司会者「ライターやアーティスト活動のサポートなど、ミュージシャンではない形で音楽業界に関わりながら一方では会社員としても働いている方々の「二足のわらじ」生活について紹介する企画です」

レジー「前口上入れると2回記事をアップしましたが、面白いなと思ったのが普段のエントリよりもフェイスブックのいいね!の数が多いんだよね」

司会者「「働き方」みたいな話はあのSNSと相性が良さそうですね」

レジー「いかに自分の人生を充実させるか!みたいなね。まあ確かにそういう側面もあると思うので、これを機に今までこのブログ知らなかった方にも読んでいただけると嬉しいです。というわけで今回も「二足のわらじ」生活を送っている方のインタビューをお送りします」

司会者「今回ご登場いただくのは、THE NOVEMBERSのスタッフとしてプロモーションなどを担当されている舐太さんです。ツイッターではこの犬のアイコンでおなじみ

レジー「THE NOVEMBERSは昨年UK PROJECTから独立したわけですが、舐太さんは自主レーベル「MERZ」でメンバー4人と一緒にバンドのかじ取りに関わっています。一方で、普段は「普通の人間」として一般企業で働いています」

司会者「「人」と「犬」の二足のわらじ生活です」

レジー「去年THE NOVEMBERSが『zeitgeist』をリリースしたときにボーカルの小林さんにインタビューさせていただいたのですが、それに関してお声掛けしていただいたのも舐太さんでした。そんな縁もあって、今回はこちらから舐太さんにオファーして実現したのが今回のインタビューです」



司会者「前回は「会社員」と「ライター」の二足のわらじでしたが、少し色合いが違いますね」

レジー「そうですね。今回はバンドに対してどんな役割として関わっているかということや、一般企業でのビジネスを知っているからこそ持ち込める価値などについてお話ししていただきました。それではどうぞ」

---


---昨日はライブお疲れ様でした(注:THE NOVEMBERSリキッドルーム公演翌日の2/22にインタビューを実施)。金曜日でしたけど、日中は普通に会社あったんですよね?

「レジーさんも昨日はお越しいただきありがとうございます。昼間は人間のフリをして会社へ行って、開場前にはなんとか犬になりました」

---なるほど(笑)。現状は会社員をしながらTHE NOVEMBERSにもスタッフとして関わっているわけですが、バンドとはどういう経緯で関わり始めたんですか?

「もともとメンバーとはTHE NOVEMBERSがまだ3人だった頃、初めて東京でライブをしたときからの長い付き合いです。スタッフになる前から友人で、普通にお茶をしに行ったりとかはしていました。自分が広告関連の仕事をしていたこともあって「こんなプロモーションはどう?」みたいな雑談をたまにしていたんですが、その流れでメンバーの方からUK PROJECTのチームに入ってほしいということを言ってもらえて、私としても挑戦してみたいと思ったので関わることにしました。時期としては『GIFT』が出る前なので2012年の夏頃からです。それで、メンバーとUK PROJECTのマネージャーさんと一緒に打ち合わせをするようになりました」



---現在はUK PROJECTからは独立して、「MERZ」という自主レーベルを立ち上げていますね。実質的にはメンバー4人+舐太さんで進めている感じですか?

「そうですね、バンドとして今後どうしていくのかの検討と物事の最終決定はメンバーと私で行っています。各メンバーに役割分担があって、それぞれの領域でいろいろな方にご協力いただいています」

---舐太さんが具体的にやってるのは・・・

「一番大きいのはプロモーション関連です。メンバーに対して「THE NOVEMBERSの事を知ってもらうためにこういうことをやるのはどうかな?」という提案をして、それを一緒に実行したり、媒体の方とのやり取りをしたり。あとは全体のタスクやスケジュールの管理、「いつまでにこれとこれをやらないと・・・」というチェックをしています」

---一方で、生活のためのお金を得ている仕事もあるわけですよね。

「はい。基本的にはWeb関連の仕事をしています。ただモノを作るだけではなく、クライアントのことを知ってもらう、その際にどのような印象を与えるかという部分まで考える、というプロセスに関わっています」

---そちらの仕事ではどんな部分がやりがいになっていますか。

「いろいろありますが、様々な業種の方と接する機会があるのが特に面白いです」

---新卒からずっとその仕事ですか?

「転職という経験は一度だけあります。以前は広告の制作会社にいました。メインはイベント制作で、台本作りから映像・音響・照明の手配、キャスティングなどが主な業務でした。基本的にプロモーションに関しては何でもやる会社でしたので、街頭サンプリングの企画運営やソーシャルメディアを活用したプロモーションなども担当したことがあります」

---音楽に関わる仕事に就こう、とその当時思ったことはありますか?

「その頃はなかったですね。もちろん音楽の事は好きだったんですが、それを仕事にしたいというよりは「生活の為に働ければいい」と思っていました。たまたま働いた会社で「物事を世の中に広める仕組みとしてどんなものがあるんだろう」ということに興味を持つようになりました」

---なるほど。で、現在は2つの「仕事」を同時に走らせているわけですが。平日の日中は会社に行かないといけないわけで、バンド関連の作業はそれ以外の時間になりますよね。

「そうですね、平日の夜とか。メールベースで進められることもあるので、日中の休み時間にもやれることはやっています。週末はほぼTHE NOVEMBERSのスタッフとして生きています」

---作業時間の捻出とかで大変なことってありますか?会社の仕事が忙しいタイミングもあるじゃないですか。

「会社の仕事自体はコントロールできる部分もあるのでうまく調整しながらやってはいますが、結局休みの日に作業をすることが多いですね。どっちも中途半端にならないように気を付けてはいます」

---それだと、休日に別の仕事をやっているみたいな形になっちゃいますよね。

「やることはいくらでもあるんですがそれに全部手を出してしまうと現状はさすがに体が足りないので、「自分はこういう側面での貢献をする」ということを明確にしたうえで関わるようにしています。もちろん、そういう限定的な関与の仕方ができるのはメンバー自身が「バンドをどうしていくのか」ということを自分たちで考えて実行しているからこそだと思いますが」

---会社の仕事を辞めてバンド側一本で・・・ということを考えたりはしますか?お金との兼ね合いにはなってくるとは思いますけど。

「THE NOVEMBERSのスタッフ一本でやるかやらないかということはあまり考えていません。ただ、時間や場所の制約がなくなれば、よりメンバーとの強固な関係を築けるとは思います。自主で活動しているという事もあり、メンバーには音楽にまつわる金銭的なことや業務的なことも知っておいてほしい…と思いながら、一方では音楽自体に集中できる環境に身を置いてほしいという思いもあります。例えば、ほとんどの仕事がウェブ上や電話で完結するようになれば両立も可能かなとか。なので、会社の仕事を辞めたいというよりも、よりバンドと同じ時間を過ごすための働き方を模索したいと思っています」

---現状は会社に行って仕事をしないといけないってところで時間や行動に多少制約が出てくるのがデメリットになっているけど、そこが解消されればってことですね。

「10年20年のスパンの話かもしれないですけど、会社勤めだとしてもメールとスカイプで完結できるみたいな、そういうスタイルもあるということがいずれは浸透してくるんじゃないかなとも思ってます」

---逆に、音楽業界以外の仕事を経験したり、2つの仕事を並行させていることで良かった面があれば教えてください。

「これまでやってきた仕事で得たスキルが直接的に役に立っていることもたくさんあります。パワーポイントの使い方とか提案の仕方とかを覚えたので、バンドの資料を作るのはそんなに苦にならないとか。それから、物事の進め方じゃないですけど、「計画を立てて、それに則ってスケジュール通りに進行する」という部分も会社での仕事を通じて身につきました」

---なるほど。

「あとは、お金に対する考え方ですかね。THE NOVEMBERSのメンバーも私も、手伝ってくれる人に対して気持ちはもちろん、お金でもきちんと誠意を示したいというか。チームとして本当にお金がなかった時に沢山の方が力を貸してくれたので、よりそう思うようになりました。だから、お互い良い仕事をして、お金をきちんともらったり払ったりしたいです。いくら芸術だ、感情を表現することだ、と言っても経済活動に参加しているのは間違いないわけで」

---傍から見てる印象ですけど、音楽関連のフィールドだと「世の中お金じゃないんだよ」みたいな価値観が悪い方向に働いてる感じはあるような気がします。

「思いますね。えげつない商売をしたいとかそういうことではなくて、事実としてお金は大事だろうっていう。その辺を気分やムードでうやむやにせずに、お互い気持ちよく良いものを作っていきたいです」

---うんうん。

「あと他に2つの仕事を並行させて良かったことって話に戻ると、音楽業界内部からの視点だけだと、音楽好きには何かを伝えることはできても、「音楽を積極的に探さない人」に向けて何かを伝えるのは難しいのかなと思っていて。そういう人が普段どういうことを意識しているのかを考える機会がもう一方の仕事では多いので、自分としては刺激になっています」

---その視点は意外と忘れがちですよね。僕も会社とかで「みんな音楽に興味ないんだな」っていうことを日々感じます。

「音楽好きだけではなくて、「特に音楽が好きというわけではない人」にどうやって存在を伝えて、関わりたいと思ってもらえるのかというのが重要なんじゃないかと思います。例えば、世間的に「わかりやすいポジティブさ」を持っている音楽が今の時代流行っていますけど、そうじゃない価値観もあるということを音楽に関心が薄い人たちにどうやって広めるか、もしくはその価値観をどうやって感じてもらうのかというのは考えどころだなと。THE NOVEMBERSの根底にあるのもポジティブさですから、そういった部分を感じてもらいたいし、広めたいですね」

---「特に音楽が好きというわけではない層」も見据えながらTHE NOVEMBERSの持つ価値観をさらに広めていくために、意識して行っている取り組みとかはありますか。

「そうですね、まずは前提として今のTHE NOVEMBERSのファンがどういうタイプの人なのかと考えた時に、「ロッキング・オン・ジャパン」を読んでいるような人たち、ラルクアンシエルとかディルアングレイなどが好きな人たち、あとはdipとかdownyなどが好きな人たち、などいくつかグループがあると思うんです。もちろんこういった「音楽の傾向によって分類できるグループ」をもっと開拓することでTHE NOVEMBERSを音楽好きの中に浸透させていきたいという想いはありますが、それに加えて「音楽からは少し離れた切り口で共通の傾向を持つ方々」にもバンドの存在を届けたいと考えてます。例えば、「BASE」という無料のECサイトを活用したり、物販でクレジットカードが使えるように「Coiney(コイニー)」というサービスを入れたり、あとはリクルートのキュレーションアプリの「KOLA」とコラボしたりしてるんですが、そういうところで新しいテクノロジーに積極的に取り組んでいるってところから関心を持ってもらえないかなとか」

---音源やライブだけでなく、それ以外での動きも含めてバンドにカラーを持たせていきたいということですね。

「ただ単に音楽があって、映像があって、パッケージがあって、という「点」を作っていくだけではなくて、音楽を起点にしてパッケージもミュージックビデオもプロモーションもライブも全部がつながっていって、その世界観をリスナーにさらに楽しんでもらえるような工夫をプロモーション全般においてしていけたらなと思っています。音楽だけに限らず、THE NOVEMBERSが表現したい事をよりわかりやすく、純度の高いまま社会に通訳するというか」

---ありがとうございました。最後に、僕自身の就職活動を振り返ってみると「2つの仕事をする」なんて発想は全く持たずにレコード会社とか出版社とかを受けて玉砕していたんですが、それから10年経った今の時代でも、同様のスタンスで音楽業界に入ろうとしている人も多いと思います。また、音楽とは関係ない仕事をしながら「何かしら音楽に関わってみたい」という気持ちのある社会人の方もいますよね。そういう想いを持っている人たちに対して、ご自身の経験から何かアドバイスなどあればお願いします。

「私の場合は本当に巡りあわせだったのであまり大きなことは言えないのですが、どこかに所属しているかどうかということはあまり関係ないかと思います。その人が音楽に持ち寄れる何かがあって、それを人に提案していくということでしかないというか。自分としては音楽業界どうこうっていうよりは、THE NOVEMBERSという音楽を創る人たちや生み出される音楽そのものとなるべく近い場所で、そしてよりよい形で関わることを大事にしたいです。あとは…好きなことを一つに絞る必要はないと思っています」

---あー、それはいい言葉ですね。

「好きなことは一つだけっていうのは美徳に聞こえるかもしれませんが、それで潰えてしまう可能性もあるかなって思います。個犬的にも、好きなことに対して自分のできることを考えながらポジティブな気持ちをもって接していきたいです」


---

司会者「何かご感想があれば」

レジー「こういう「フリーのプロモーション専門家(副業として)」みたいな職業はこの先拡大していくんじゃないかなと思いました」

司会者「津田大介さんもそんなことを言ってますよね。「音楽ライターの仕事の広がり方」という文脈での発言ではありますが」

今もメーカーにはA&Rという仕事がありますけど、部署単位じゃなくて個人の単位で、応援したいアーティストをフリーランスでサポートする。そういうエアポケット的な部分を埋めるような役割が、今後は求められるようになると思います。
(『Tweet&Shout ニューインディペンデントの時代が始まる』津田大介)




レジー「最後の「好きなことを一つに絞る必要はない」ってのも刺さりました。あとお金の話が出てきたけど、こういう「ビジネスの基本」みたいな感覚って意外と大事だと思うんだよね」

司会者「音楽ビジネスもあくまでも世の中にいくつもある産業の1つだったりしますしね」

レジー「そうそう。そういう相対化って何事にもおいても重要な視点だと感じます。これはどんな仕事に対してもそうだと思いますけど」

司会者「能動的な音楽好きではない人を見据えて、って話もそのあたりに関連してきますね」

レジー「「音楽に興味ない人にも届けたい」って言う人はたくさんいるだろうけど、日常的に接してる中からの発想だと説得力が違ったりするなあと。パーソナリティーも含めて、バンドにとって舐太さんみたいなバランスの方がいるのは重要ですよね。音楽が良くても、そこにぶら下がってる人が不誠実だったりもしくは妙に過保護だったりしたらバンド自体をスポイルしちゃうだろうし」

司会者「そういうケースも多々ありそうですよね」

レジー「会社員をしながらもう一つ「会社」経営に関与してるみたいなもんなわけで、このバイタリティは見習いたいなと思います。今回はこんな感じで。次回は最終回となります。アップまでしばしお待ちください」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」
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