レジーのブログ(旧)

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「桐島、部活やめるってよ」から派生した昔話

レジー「先日「桐島、部活やめるってよ」をバルト9で見ました」

司会者「混んでましたね」

レジー「混んでた。で、あの映画でいうところの沙奈みたいな感じの男女が結構いた。中森明夫氏が「若い観客らが「何これ?」「さっぱりわけわかんねーし」とか言ってて」とツイートしてたけど、この反応はそういう人らだろうね。隣で見てたカップルも途中明らかに退屈してたし」

司会者「ベボベ小出氏のツイートであったように、見る人によって感想が全く違う映画ですね。で、どうだったんですか」


レジー「超良かった。中身ペラペラな高校生を愛のある悪意をこめながら描きつつ、でもそっちの方が楽しそう…みたいな感じに見せるバランスが誠実だなと」

司会者「うおーー!!ってポイントがありつつも勧善懲悪になってないのがいいですね」

レジー「あとは橋本愛ね。あんなに可愛かったのか。「告白」のときは特に何とも思わなかったんだけど」

司会者「輝いてましたね。で、このブログは映画ブログではないので音楽の話をしていただきたいんですが」

レジー「はい。僕この映画の原作小説を2010年、ちょうど出たときに読んでるんですが、このときに固有名詞の使い方で気になるところがありまして。映画ではほとんど出てこないんですけど、「上」「下」っていうスクールカーストの位置づけと触れてる文化を対置させてるなあと」



司会者「映画だと過去の映画作品と満島ひかりくらいだったと思いますが、原作には実在のバンドや作品の名前がいろいろ出てきますね」

私は一瞬だけ外した右耳のイヤホンを元に戻し、二人ぼっちに慣れようか、と歌うチャットモンチーのかわいくてロックな世界に戻る。

レジー「女友達に微妙なコンプレックスを感じながらも好きな男の子が気になってる亜矢の章にはチャットモンチーの描写がたびたび出てきます。一緒に出てくるのはaikoで、切ない恋心を表現するアイテムとして使われています」

司会者「いわゆるロック批評だとこの2つのアーティストが並び立つことってあんまない気がしますが、こういう聴かれ方が実態に近いんですかね」

レジー「あとは映画部の面々の「サブカル」な感じを伝える固有名詞とか」

「お前ジョゼばっかり観すぎやって」
「いや!涼也あのコメンタリー見たことある?あれ観たらやっぱ絶対映画って素敵やって思えるから!」
・・・
「『メゾン・ド・ヒミコ』もよかったし、やっぱ犬童一心最高!」


司会者「この2人はキネマ旬報買ったり岩井俊二を絶賛したり週間真木よう子について話したり、そっち側の文化圏の人だなあという感じがすごくわかりますね」

レジー「で、個人的に気になった部分はここ。チャラチャラした「上」グループの男子の会話」

「何聴いとん?」とiPodを覗き込んだ友弘が、「俺が貸したやつやん!ラッドウィンプスやん!歌詞めっちゃいいやろ?」と一気にテンションをあげてしまう。正直歌詞はあんまり頭に入ってきていなかった。「何聴いとったん?三曲目?これめっちゃいいよなー!」友弘は、目を輝かせてめっちゃいい、めっちゃいい、を連発する。

司会者「ラッドのアルバム聴いてるのか。この小説は2009年以前に書かれてるはずだから「RADWIMPS」から「RADWIMPS4」までのどれか、一般的な認知度から考えると「3」か「4」ですかね」

レジー「「3」の3曲目が「イーディーピー 〜飛んで火に入る夏の君〜」だからこっちのような気がするな。で、当時28歳だった僕がこれ読んでへえと思ったのは、こういう「上」の人たちを象徴する固有名詞として出てくるのがEXILEでもあゆでもなければミスチルでもラルクでもなくて「ザ・ロキノン系」のラッドだったってところなんですね。この感じは2011年に公開された映画「劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ」でも思ったことで」



司会者「「桐島」と同じく進学校が舞台で、軽い感じの男の子がかまってちゃんを彼女に勧めてるんですよね」

レジー「この男の子を評したライムスター宇多丸のコメントが秀逸

思春期にしかモテない男。なんかこう、たいしてうまくもないバスケやって、一応流行りものもおさえてるみたいな。つまんねーんだお前、っていう(笑)お前なんかすぐモテなくなんだバカ野郎、みたいな。

司会者「おもしろい」

レジー「「桐島」でも「かまってちゃん」でも、「進学校のリア充」が自意識ロックを消費してる様が描かれていると。もうすぐ31になるおじさんからすると不思議な感じがします」

司会者「おじさんが高校生のころはどうだったんですか」

レジー「おい、おじさんって言うなよ」

司会者「(自分で言ってたのに・・・)失礼しました。都内のバリバリ進学系男子校だとどんな感じだったんでしょうか」

レジー「結局この手のスクールカースト話って「学内でいけてる男子/女子と仲良くできるか」ってところに帰結すると思うので、異性から隔絶されてた男子校でそういうの感じたことはないんですよ。ただ、趣味嗜好によるグループはありましたよ。周辺の女子高と池袋で遊んでる派手な連中もいれば、今ほどメジャーカルチャーではなかったアニメにどっぷりな人たちもいたし」

司会者「そういう区分けと聴いてる音楽って何か関係はあったんですか」

レジー「あくまでも印象論なんだけど、たとえば当時出てきた中村一義、ナンバーガール、くるり、スーパーカーみたいな音楽って、さっき言った「派手」グループは聴いてなかったと思うんですよね」

司会者「ほう」

レジー「90年代後半ってこういうバンドとともに「JAPAN的な文化」が勢力を広げていく時期だと思うんだけど、うちの学校・学年に限って言うとそれを推進してたのって「もちろん異性には興味があるけどそこには特化しない、音楽とかそういうところで大人ぶりたい」みたいな感じの人たちだった気がします。僕高2のとき豊洲のフジロックに学校の友達と行って「周り大人ばっかだ・・・」とかひよってたら同じ学校の同級生と会ったりして。「派手」グループとは個人的に接点もあったりして女の子と絡むこともゼロではないけど、そことはちょっと違う世界で生きてる、そんな人が今で言う「ロキノン系」の音楽を聴いてたと思う。もちろん例外はあると思いますよ。あくまでも傾向の話です。ミュージックスクエアとミュートマジャパンで情報収集してたのが懐かしいですね」

司会者「なるほど。ではその「派手」グループは何を聴いてたんでしょうか。ビジュアル系?」

レジー「みんなカラオケではGLAYとラルクでしたけど、ここの文化圏がメロコアと重なり合ってくるわけですよ」

司会者「特にハイスタね」

レジー「そうそう。「東京ストリートニュース」って雑誌があって」

司会者「最近1号だけ復刊したらしいですね」



レジー「これは読んでないんですが、派手な男子女子が読者モデルとして出てて。うちの学校のやつも出てたな。特定の学校の指定カバンが人気出て高値で売れるとか何だったんだろうか。今もあの文化あるのかな。で、「メロコアが熱い!」みたいな打ち出しをしてたんですよね」

司会者「かつて読者モデルで今では有名俳優の彼もそういうの好きだったみたいですね」


レジー「「いけてる高校生はこういうの聴いてます」的な空気になってたことを象徴的に表してます。彼らの「聴くべきアーカイブ」にはいわゆる「98年組」はおそらく入っていない。こういうムードの中で高校生を過ごしていた感覚からすると、宇多丸が言うところの「思春期しかモテない男」がラッドやかまってちゃんを「いいね!」しちゃう感じはピンとこないんですよね。クラスターが違うんじゃないかっていう」

司会者「いけてる若者を象徴する音楽が「メロコア」から「ロキノン系」に置き換わったってことですかね。例によって「何がロキノン系か」問題は勃発しますが」

レジー「「桐島」の原作では、高校だと「下」に属している涼也は中学では比較的「上」の人だったという設定で、彼の中学時代のシーンにはハイスタが登場してるんですよ。だから「置換」というよりも「拡張」の方が正しいかなあとも思います」

司会者「最近だとアイドルがはやってますがこの部分にも食い込んでくるんですかね」

レジー「どうなんですかね?ここは全然肌感覚がないなー。この前たまたま赤坂でpaletのフリーライブに遭遇したんだけど、特にオタクっぽくない10代と思しき男の子がいっぱいいました。ただ、売れる前のアイドルを追いかけてるよりも「9mmいいよね!」の方がモテそうな感じがするのはなぜだろう」

司会者「確かに。長くなってきたのでぼちぼち終わりたいのですが、「自意識ロックをリア充が消費する」って話はどこかで聞いたことがある気が」

レジー「そうですね。先日来さんざん語っている「RIJのリア充化」の話とも絡んでくる部分かと。これまでのエントリーでは「フェスそのものの「夏のイベント」化」って観点から論じていましたが、「鳴ってる音楽そのものの受容のされ方」ってのも変わってるわけですね。ここは深い問題だと思うので、チャートとか見ながらちゃんと掘り下げたいんだけど」

司会者「しかしそういう流れがあるんだとすると、「つながれない僕らの日常を照らす」みたいなJAPAN的クリシェはいまや完全に無効化されてることになりますよね」

レジー「ほんとそう思うんですが、こういうこと書くと「俺は救われてる!」みたいな反応がありそうだな。もちろんそれを否定するつもりはないんですが、ロック以外の音楽、たとえば「サイタマノラッパー」とか「サウダーヂ」とか、「自意識がどうとかいうレベルじゃなくて本当に救いのない若者×ヒップホップ」っていう組み合わせであれだけすさまじい表現が生まれていることと比較すると、日本におけるロックってのは「ガチでピンチの若者が聴く音楽」ではないのかなあとか思っちゃいますね」





司会者「「サイタマノラッパー」を撮ってる入江悠監督が、「劇場版神聖かまってちゃん」ではロックをリア充兄ちゃんのツールとして扱ってるのが示唆的ですね」

レジー「そうそう。まあでもこの辺はおじさんの想像でしかないから、読んでくださった若い方、特に大学生くらいまでの方から実態を教えていただきたいですね。高校のときを思い出したとき、クラスの「上」「下」のグループで聴いてる音楽が違うのかみたいな話。「音楽はグループ格差に影響するような重要な文化じゃねーよ」ってのが真理なのかもしれないし」

司会者「もちろん現役の高校生の方もいらっしゃれば、何かあればぜひ。では次回はどうしましょうか」

レジー「そうですねえ。この前紹介した「MARQUEE」のアイドル特集と「ミュージックマガジン」の「アイドル・ソング・クロニクル」を買ったのでその辺の内容について書くかも。でもまだ構想はないので何か思いついたら違うこと書きます」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」
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