レジーのブログ(旧)

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音楽メディアユーザー実態調査1 -「日本のロック」って何よ?という話

司会者「さて、それでは前回の予告通り、日本レコード協会が公開している「音楽メディアユーザー実態調査」の2011年度結果についてのお話をいただけると」

レジー「困りました」

司会者「何がですか?」

レジー「多少予想していたところではあるのですが、これ非常に分かりづらい調査ですね。ひどい」

司会者「ブログ始めたばっかりにしていきなりネタ切れ感を出されても…」

レジー「いや、これほんといまいちですよ。公開情報がいまいちなだけで実際はもっとまともな分析があるってならいいんですけど、質問を見る限りはこういう表層的な分析が並んでるだけだろうなあ」

司会者「実際に調査を企画してるのは有名なシンクタンクですね。あえてここでは名前は書きませんが」

レジー「ここはお役所系の音楽関連の話に食い込んでるっぽいですね。08年に経産省がやってた「音楽産業のビジネスモデル研究会」ってのもこのシンクタンクです。さらに言うと04年あたりのレコード輸入権の話も、ここが音頭とってたみたいですね」

司会者「「音楽産業のビジネスモデル研究会」については報告書が公開されてますが、いかにも頭のいい人が作ったって感じの内容ですね」

レジー「体温が全くない。「ビジネスモデル」の話だから仕方ないのかもしれないけど、あまりにも受容者、つまりリスナーの話が抜けてるのがもうね。結局この手の話って「CDが売れなくなった!さあどうする?」って感じになりがちだけど、「売れなくなった」ということは一方には「買わなくなった人」がいるはずなのにそこへの言及がないんですよね。100万枚売れたってのは、1枚を買う人が100万人いるってこと、複数購買を考えても数10万人いるってことですよ。で、その人らが買わなくなったのにはいろんな理由が絡み合ってるわけで。そういう視点なく「ひと山100万枚」みたいな発想をしてる限り、問題の本質には一生たどりつけないと思いますよ」

司会者「早速結論めいた話になってしまいましたが、ほんとにこの調査報告書からは何も言うことないんですか?もうちょっと考えてくださいよ」

レジー「気になったことはいくつかありましたよ」

司会者「じゃあその辺お願いします」

レジー「まず、ポップとロックの違いって何?ってことです」

司会者「(また答えの出なさそうな話だな・・・)はい」

レジー「この調査、最近買ったCDのジャンルを聴いてるんですけど、そのジャンルの分け方にまず引っかかってしまった。日本の音楽を想定してそうなものだけでも、

演歌・歌謡曲
日本のポップス
日本のアイドルミュージック
ニューミュージック・フォークソング
日本のロック
日本のソウル・R&B
日本のダンスミュージック(ディスコ・ハウス・テクノ)
日本のラップ・ヒップホップ
日本のジャズ・フュージョン
アニメ音楽(映画/テレビ/ビデオアニメ)
ゲーム音楽
インディーズ

この12個あります」

司会者「アイドルは別出しになってるんですね」

レジー「2010年から作った選択肢だそうです。チャート上位がアイドルばっかりになってきたことへの対処でしょうね。まあそれはいいとして、たとえばミスチルを買った人はどれを選べばいいんでしょうか。ロック?ポップ?もしくは安室ちゃん買った人は?ポップ?R&B?」

司会者「確かによくわからないですね」

レジー「調査票には具体的なアーティスト名を出した注釈がついていたのかもしれませんが、おそらく全てのアーティストを事前に仕分けておくのは無理ですよね。いや、何でこんなこと言ってるのかというとね、「日本のロック」のアルバムをよく買ってるのは男子大学生・専門学生、あと30代男性と20代女性ってのが出てるんですよ」

司会者「前者がバンプエルレあたりをティーンのころに聴いて今は9mmだテレフォンズだって言ってひたちなかで騒いでる人たち、後者は90年代から引き続きその手の音楽を聴いてる人たちっていう構図が何となく頭に浮かびますね」

レジー「僕も最初そう思ったんですよ。でもね、この区分けだと「ロック」に何入ってるかわからないでしょ。この調査は8月と10月にやってて、半年間での購入経験を聞いてます。で、その範囲に入る2011年の2月から10月の間でよく売れたアルバム、ここでは仮にこの期間内に発売されていて年間トップ40に入ったものとしましょう。それをオリコンチャートで見てみると、「日本のロック」と呼ばれる可能性がありそうなものは以下の5作品です。

11位 C’mon/B’z
14位 Mind Travel/Superfly
17位 COSMONAUT/BUMP OF CHIKEN
25位 絶体絶命/RADWIMPS
36位 SENSE/Mr.Children

当然のことながら、9mmもテレフォンズも入りません」

司会者「これが調査期間中によく売れた日本のロックアルバムだとすると、さっきの仮説をもろにあてはめるのは危険かもしれませんね。大学生めっちゃB’z聴いてるのかもしれないし」

レジー「もっとも、ここにバンプとラッドが入ってきてるわけで、おそらく彼らの主支持層は大学生とかそのあたりだと思うし、バンプファンやラッドファンの一定数はJAPAN界隈のバンド好きでしょうから、そこまで懐疑的に考える必要もないのかもしれないけど」

司会者「いずれにせよ、解釈の幅が著しく広い調査になってしまってることは間違いないですね」

レジー「そうなんですよ。これはJAPANがある種の「ロック認定」的なことをやってきた弊害なのかもしれないけど、単に「日本のポップ/日本のロック」みたいな切り方をしちゃうとわからないことが多すぎるんですよね。
ロックと言っても、

・ミスチルみたいにポップソング産業として成立してるけど「あれはロックだ!」とか言われがちなもの
・B’zみたいにスタイルとしてはロックだけど「あれはロックじゃない!」とか言う人が一定層いるもの
・バンプみたいにある種オルタナティブなところから出てきたけど、いまやある世代以下ではど真ん中になってるもの
・9mmみたいにまさに今オルタナティブな場所で支持を拡大しているもの
・Perfumeみたいに「存在がロック」的なよくわからない捉え方をされているもの

まあ何かこんな風にいろいろありますよね。これを「ロック聴いてますか」って質問で片付けるのはものすごく乱暴だと思います」

司会者「オルタナティブという概念自体ももう死んでますしね」

レジー「そうですね。そういう意味では9mmが「今オルタナティブな場所で」ってのは不適切かもしれない。Mステ見てる人にはわからないってくらいの意味で・・・いや、でもMステも最近Young Gunsとかって言って世界の終わり出したりしてるしな。あ、そもそも9mmも2010年にMステに出てるのか。そのくらい混沌としてるってことです。そういう時代に合った尺度を作ってこういう調査しないと、現状把握すらままならない。で、その尺度をお役所仕事で作るのは無理」

司会者「結局最初のシンクタンクdisに戻りましたね。気になったことはいくつか、って話でしたが1つめだけでずいぶん時間をとってしまったので、他の論点は次回にしましょうか」

レジー「そうですね。ここで言えることだけ言っちゃうと、いまやみんなCDプレーヤーじゃなくてPCで音楽聴くのが主流なんだなーとか、アイドルのCD買ってるのは男性よりも女性のが多くて、おそらく女子中高生はジャニーズもAKBもどっちも楽しんでるんだろうなーとか。この辺は単純に数字見ての感想です」

司会者「なるほど。では次回に積み残す話のさわりだけでも軽く教えていただけると」

レジー「この調査は「スマホユーザー」ってのを切り出して分析しているので、そこについての話をしたいと思います。どうにかして音楽ユーザーを悪者にしようとしてる雰囲気があるので、そのあたり物申したい」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」
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