レジーのブログ(旧)

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おじさんの知らない軽音楽部の世界1-そんなにみんなアニメが好きなのか

レジー「先日サエキけんぞうさんの「ロックとメディア社会」を読みました」



司会者「去年出た本ですが、賞とったりして広く読まれてるみたいですね」

レジー「そうみたいね。ポップミュージックの歴史を長く、かつ深い視点でとらえていてすごく読み応えありました。ただ、個人的には日本のシーンに関するところはいろいろ気になる部分もありましたよ。たとえばこんな記述」

ミスター・チルドレンの歴史的な特徴は、プロデューサーの小林武史によって徹底的に管理されたバンドサウンドであることだ。まるでビートルズにおけるジョージ・マーティンのように、日本においても音楽プロデューサーが最高責任者となり、陣頭指揮をとって長年の成功をもたらした。

司会者「まあ間違ってないとは思いますけど」

レジー「この後に、「ボーカルや歌詞がちゃんと聴こえるようにしつつもバンドアンサンブルが崩れない音の配置にしたことがヒットにつながった」みたいなことが書いてあって。言わんとしてることはわかるんだが、どうにも引っかかってしまった」

司会者「「徹底的に管理」されたってのはミスチルじゃなくてレミオロメンじゃないですかね」

レジー「レミオロメンが被害者であるのは間違いないと思う。それはさておき、ミスチルが小林武史に「徹底的に管理」されたバンドだったらもっと退屈だったと思うし、そもそも「BOLERO」出した後に止まらずに活動してて桜井さんが完全廃人になってたんじゃないかなあ。それからこの辺の時代の話だと、95年ごろのTKサウンド全盛のシーンを「ディーヴァ時代」とかって言ってるのがすごく違和感ありました」

司会者「MISIAも宇多田も出てくる前の時代ですよね」

レジー「そう。MISIAが「つつみこむように・・・」出したのが98年1月で、ヒッキーの「Automatic」がその年の年末。そのころの和製R&Bシーンについて「ディーヴァ」とかって言葉が使われてた印象なんですよね。95年ごろのは「黒人志向の女性ボーカルの時代」っていうよりはあくまでも「小室哲哉の時代」だったと思うんですけどどうでしょうか」

司会者「日本のシーンの話で言うと、この手の本では見落としがちなアニメとかについても記述がありましたね」

レジー「うん。で、アニメとポップミュージックのつながりみたいな話でこんなことが書かれてました」

戯れにアニソンで流れるロックの作品を調べたところ、ラルク アン シエル[『D・N・A2~何処かで失くしたあいつのアイツ』]、GLAY[『KAIKANフレーズ』]、ジュディ&マリー、ザ・イエローモンキー、TMレボリューション[以上『るろうに剣心』]と、そうそうたるバンドの作品がラインアップされた[それをリストアップしていたアメリカのオタクもいた]。

司会者「なんか例示が古くないですか」

レジー「ね。懐かしい気持ちになる。ラルクはまさにこのアニメで知ったんですよ。この曲は今でもカラオケで歌いたくなりますね」



司会者「どれも90年代の話ですね。この本って2011年に出てるんですよね」

レジー「厳密には2010年の秋に獨協大学で行った講義が元になっているようです。それにしても古いですよね。アニメそのものの世界市場への拡大みたいな話はいろいろ書いてあるけど、じゃあ音楽との関連は?みたいな部分だとこういうちょっと微妙な記述があった気がします」

司会者「それでいうと、「メディア」の話をしてるわりには最近の発明でもある初音ミクへの言及がほとんどなかったですね。アイドルについては「ディアステージ」の話まで深く取り上げてるのに」

レジー「アイドルについては完全に当事者だしさすがに詳しいよね。でね、いろいろ考えたんですけど、この本って要は「旧文脈ロックおじさん史観」に基づいたポップミュージックの教科書なんですよ」

司会者「また怒られそうな言い方を」

レジー「いや、別に貶してるわけではもちろんなくて。この本すごく面白くて勉強になったんですよね。ただ、その面白さってのは「古き良き音楽シーンを支えていた方の語り口」としての面白さなんですよ。たとえば、サエキさんからすると、「日本のアニメ市場の拡大」は「80年代以降の欧米以外の音楽=ワールドミュージックの広がり」と地続きで語るべきものに見えてるわけで」

司会者「新鮮な切り口ですよね」

レジー「で、こういう歴史的経緯を踏まえた議論ってのは超必要だと思うんだけど、一方ではそもそも欧米の音楽すら売れなくなってきてるこの国において、第三世界の音楽をネットを介していかに広めるかなんて話がどこまでリアリティを持つのか?ってのは結構難しいところだと思うんですよ。で、いみじくもこの本にこんなことが書いてあるんだけど」

つまり、一見、メディア環境の進化でボーダーレス化(国境がなくなるような状態)したように見える現代において、「目に見えない壁」が世界を分け隔てているのだ。

司会者「あーなるほど。要は、この本に書かれているのはあくまでも「目に見えない壁」の内側、つまりポップミュージックの歴史の直線的な進歩に位置づけられる部分での話が中心になっていて、外側にまでは話題が広がっていないと」

レジー「僕はそう感じました。だからこそ、ある種突然変異的に生まれた初音ミクについてはネグられているし、アニソンの例示にしても意図的か無意識的にかわからないけど「J-POPが機能していたころの例」になってて最近の事例ではないんだと思います」

司会者「まあでもその辺は難しいですよね。特に今挙げたような話は世代の違いも大きく影響しますし。まあサエキさんに関しては初音ミク絡みの作品もたくさん作ってるし、状況を把握したうえで本の趣旨やボリュームを鑑みてあまり言及してないってだけだと思いますけど」

レジー「僕自身は完全に「旧文脈ロックおじさん史観」に毒されてる人なので、今の時代に音楽を語ろうとするならそこからは脱却しないといけないと思ってます。で、そんなことを考えるにあたって高校の軽音楽部ってのはなかなか面白いケースだな、というのが前回予告したところです」

司会者「前置きが長すぎます」

レジー「あの本はいろいろ語りたくなる論点が多いんですよ。ぜひ読んでみてください。で、高校の軽音の話をしたいなとそもそも思ったきっかけは、成松哲さんが作ったこのミニコミを買ったからなんですけど」

司会者「先日の朝日新聞の軽音楽部特集の記事でもデータが使われてましたが、これほんとすごいですよね。足で稼いだ情報というか」

レジー「いろんな高校の文化祭に実際に行って調べてきたセットリストとコピーバンド数ランキングとか。はっきり言って正気の沙汰じゃない。でもこれは超貴重なデータですよ」

司会者「取材の多くは2011年に行われてたみたいで、ちょうど「ロックとメディア社会」とタイミングが同じですね」

レジー「そうなんですよ。だからサエキさんの本が「オーセンティックなポップミュージックの正史」について述べられた本だとすると、成松さんのミニコミは「そこからは零れ落ちがちだけど、次の時代のメインストリームになるかもしれない胎動を拾い集めたドキュメンタリー」って感じでしょうか。現在進行形というか」

司会者「大きな流れとミクロな動き、どちらも把握するのが重要と。サエキさんの本で感じた違和感みたいな部分に対する回答になりそうなところはありましたか」

レジー「そうですね、一番ほえーと思ったのはさっきもちらっと触れたアニソンの話なんですけど、コピーする曲にアニメの影響ってのがかなり強く出てるんですよね。詳細はぜひ実際の記事を読んでいただきたいんですが、サマるとこんな感じです」

・「銀魂」の関連曲のコピーがやたら多い。DOESを筆頭に、ベボベ、FLiPなど
・ラルクの曲でコピーされてるのは「READY STEADY GO」と「Link」ばかり、どっちも「鋼の錬金術師」の関連曲
・「あの花」のエンディングでZONEの「secret base ~君がくれたもの~」がカバーされた影響もあり、コピーされた曲ランキング2位にランクイン
・同率で2位なのが桜高軽音部の「Don’t say “lazy”」で、放課後ティータイムのコピーバンドも非常に多い

司会者「今の高校生や大学生からすると「そりゃそうだろ」って感じなんだろうか」

レジー「31のおじさんにはさっぱりピンときませんがこういうことらしいです。今時ZONE?とか思うけど、人気アニメで使われるとでかいみたいですね。さっきのサエキさんの本でもほんとはジュディマリやイエモンじゃなくて、DOESとかベボベとかが出てこないといけなかったんだろうね。ちなみにコピーされてる曲1位はアジカンの「ソラニン」でした。あれを「マンガ絡みの曲」って定義していいか難しいところはあるけど、去年高校生にコピーされた上位3曲が「マンガ・アニメ」とかかわりのある曲だと」

司会者「時代を反映している感じはしますね。あと、さっき「欧米の音楽すら売れてない」って話ありましたけど、やっぱり洋楽はコピーされてないんでしょうか」

レジー「結構顕著みたいですよ。173バンド540曲の演奏曲リストが載ってるんだけど、ザーッと見た感じだと洋楽ってほんとにポツポツあるだけだもんね。で、成松さんとシンコーミュージックの栁川さんの対談でもこんなやり取りが」

成松 確かに、よくコピーされてるのはグリーンデイとアブリルラヴィーンとレッドホットチリペッパーズくらいかな。

栁川 ですよね。ウチの洋楽スコアのなかでも、そのあたりがビートルズ、オアシスに次いで成績がいいですし。


司会者「ふーん」

レジー「で、「グリーンデイやアブリルはまあわかる。なぜレッチリ?オアシスのコピーバンドは全然見ないけど」という話になり、出た結論がこれ」

・デスノートの主題歌だった
・Mステに出たことがある


司会者「これ嘘じゃないですよね」

レジー「そう書いてあります。それゆえ、コピー率が高いと」

司会者「まだまだMステって影響力あるんですね」

レジー「それで言うならオアシスも出たことあるから、実際にはデスノートの影響の方がでかいでしょう。これも原作はマンガか。ちなみに「オアシスも「BECK」の主題歌だったけど、「BECK」より「デスノート」の方が人気なのか」みたいな話もされてます」

司会者「完全に未知の世界ですね。アニメやマンガとの結びつきってここまで強固になってるのか」

レジー「うん。今後音楽業界はこういう人たち相手に商売しないといけないってのはよく認識しておいた方がいいと思います。だからこそソニーは傘下にアニプレックス持ったりとかしてるんだろうけど」

司会者「長くなってきたのでそろそろ終わりたいんですが、この話題はもうちょっと続きますか」

レジー「その予定です。次回はさっきちょろっと書いた朝日新聞の記事に触れつつ自分がバンドやってた大昔の話もしながら、軽音楽部という場所で何が起きてるのかについてやりたいと思います」

司会者「次回も参考文献は成松さんのミニコミです」

レジー「あれマジで読む価値ありますよ。特に20代半ば以降くらいで音楽好きな人たち。もう我々の想像とは違うところにシーンがいっちゃってるってのがわかるから。サエキさんの本と合わせておすすめです」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」
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