レジーのブログ(旧)

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ノスタルジーとの向き合い方(ストーンズバーとHMVを起点にした雑談)

司会者「少し前の話になりますが、昨年末にアップした「「洋楽離れ」と「ビール離れ」の話」がガジェット通信に掲載されました

レジー「その他のニュースサイトにもいくつか配信されたみたいですね。ありがとうございます」

司会者「広く読んでいただける機会を得られるのはありがたい話ですね。何かあればお声掛けよろしくお願いします」

レジー「あの記事では「洋楽を聴かない人」という事象をビールのアナロジーで説明してみたのですが、最近それと関連性があるようなニュースがありました

サントリー「ストーンズバー」販売終了へ 若者に浸透せず…売り上げ目標半分

 サントリー酒類は15日、英国のロックバンド、ザ・ローリング・ストーンズの結成50周年を記念して昨年発売した「ストーンズバー」シリーズの販売を終了する方針を明らかにした。

 売り上げ不振のためで新規生産はせず、現在の在庫分をもって終了する。交渉5年、巨額の契約金を払い、ミック・ジャガー本人も気に入ったという商品だったが、ストーンズを知らない若者には浸透しなかった。

 ストーンズバーは、ストーンズのロゴである「ベロマーク」をあしらった新ジャンルのビール類とかんきつ系のハイボール、栄養ドリンク風味のカクテルの3種類を昨年6月から展開。ビール離れが進む20~30代の若者層を取り込む狙いだったが、売り上げは「目指したものに届いていない」(相場康則社長)と、想定の半分程度にとどまった。昨年10月に発売した、50年ものの原酒を使った150本限定の「50周年記念ウイスキー」(50万円)だけは好評で、団塊世代のファンや高級飲食店を中心に完売したという。

司会者「結構話題になってましたね。販売終了がニュースになるだけマシという感じもしますが」

レジー「ほとんどの商品はひっそりと死んでいくからね。で、よく知らない商品だったので発売時のリリースとか開発者のインタビューとか見たんだけど、これ完全に「ストーンズありき」の商品開発だったのね。サントリーの宣伝部長の方のコメントがこんな感じ

「そこ(注:若い人はストーンズの音楽は知らないがマークへの認知度は高く、「かっこいい、テンションが上がる」という反応が多い)に着目し、若い人のビール離れ、酒離れに歯止めをかけるため、マークを商品開発に生かそうと考えた。『団塊の世代』のロックファンには、新しい軽めの酒として楽しんでほしい。期間限定の専用バーも18日、東京・六本木にオープンする」

--普通は商品を作ってから宣伝を考えるのでは

「今回は『逆転の発想』を取った。不景気で閉塞感のある世の中に一石を投じ、『さすがサントリー』と言われるような、新しくてわくわくすることをしたかった。伝統の『やってみなはれ』精神が生きたと思う」


司会者「きっと調査したらそういう結果が出てきたんでしょうけど、若者とるのにストーンズってどうよってツッコミは社内でなかったんですかね」

レジー「こういうのは調査より直感の方が正しかったりするよね。回答者も空気読んで答えたりするし。そこまで踏まえて社内を通すのが難しいのは経験上わかるんですけど」

司会者「超高価格の限定商品が完売したってのもまた何だか切ないですね」

レジー「商売相手を見誤った感が強調されちゃうからねえ。ライフスタイルの提案とか言ってカテゴリー横断商品にしたら正体不明になっちゃったとかコンセプト設定における典型的なミスなわけで、サントリーともあろう会社がどうしたんだろうって感じですね。で、この件は先日の記事で指摘した「洋楽を聴こう運動」がはまっている問題とも通じるところがあるなあと」

司会者「具体的には」

レジー「最初に思ったのが、ターゲットがものすごく「記号的」なんですよね。実在感がないというか。この商品のリリースにこんなことが書いてあるんですけど

流行に敏感な若者が集うクラブやダーツバー、カラオケなどでも気軽にお楽しみいただけるよう、スタイリッシュな瓶入りアイテムも取り揃え、仲間とのパーティーシーンを盛り上げます。

司会者「うーん、何となくリア充っぽい人を想像してるのかしら」

レジー「イメージできなくもないけど、ほんとにそういう場所に「流行に敏感な若者」がいるのかって話ですよね。完全にファンタジーの世界。「洋楽を聴こう運動」における「10代・20代前半のロック好き少年」っていう漠然とした想定ターゲットと同じものを感じました。で、じゃあ仮にそういう人たちがいたとしましょう。その人は今でも何かしら飲み物を飲んでますよね。それがアルコールなのかノンアルコールなのかはわからない。そういう人たちが、今飲んでるものではなくてこのストーンズバーという商品を選び取る理由は何なのかって話です」

司会者「それがストーンズのマーク、って言いたいんでしょうね」

レジー「まあそれじゃ買わないわな、少なくとも「ストーンズはよく知らないけどベロのマークはかっこいい」くらいの認識の人たちは」

司会者「ストーンズというものに何の特別感も感じてないわけですからね」

レジー「うん。これも「洋楽を聴こう運動」で言うと、「今邦楽で十分楽しんでるんだけど、なぜそうやって楽しんでる時間を洋楽に割いた方がいいの?」って問いに対する答えが「それは洋楽だからです、つまり海の向こうの本物だからです」以上のものがないのに近いなあと」

司会者「「一部の人だけが共有している特別感」をベースにしてるコミュニケーションはその「外」の人たちには伝わりづらいですよね」

レジー「ほんとそうね。ここは完全に自戒の念も込めてなんですが、ストーンズバーの件は「“特定の音楽に対するおっさんのノスタルジー”が市場でワークしなかった例」としてすごくわかりやすいなあと思いました」

司会者「確かにそうなんですが、ノスタルジーから完全に逃れるのも難しいですよね」

レジー「まあそれはそうなんですよね。最近もそういうノスタルジーがくすぐられるニュースがあったんですけど

音楽ソフト販売の英HMVは14日、販売不振で資金繰りに行き詰まったことなどから大手会計事務所のデロイトを管財人に指定したと発表した。事実上の倒産に当たり、今後は営業を続けつつ事業の引受先を探す。

HMVは英国とアイルランドで約240店を運営。2012年5~10月期決算で3600万ポンド(約52億円)の最終赤字を計上した。年末商戦でも巻き返せず、自力での経営再建を断念した。

英HMVは1990年に日本に進出したが、07年に日本事業を大和証券系の投資ファンドに売却。10年にはコンビニエンスストア大手ローソンが買収している。


司会者「これねえ」

レジー「改めて思ったけど、今やタワーもHMVも日本は別法人ってのが何とも言えないよね。僕中2のとき家族旅行でロス行ったんですが、向こうのタワレコで買い物するのがすごく嬉しかった記憶があります」

司会者「今ではモリッシーが渋谷タワーレコードに興奮する時代ですからね

レジー「HMVはローソン、タワーは筆頭株主はドコモだけどセブンアンドアイの資本が入ってるわけで。こういう座組みで何かしらシナジーは出てるんですかね。全然戦略的に取り組んでる感じがしないんだけど。ローソンとHMVの合同店舗とか、アリバイ作りのためのコラボって匂いがぷんぷんする」

司会者「通販で買った商品がコンビニ店頭で受け取れるサービスはあるみたいですね」

レジー「うーん。まあなんかセブンやローソン陣営にとっては「品ぞろえの一つ」くらいでしかないんだろうね」

司会者「今となってはタワーにもHMVにも特別感なんてないんでしょうしねユーザーサイドから見ても。どこにでもあるし」

レジー「きっとそうなんだと思う。さっき中学生の時アメリカのタワーに行くのにわくわくしたって話をしたけど、当時千葉のベッドタウンに住んでた僕は都心のタワーやHMVに行くってこと自体が「イベント」だったんですよね。僕はタワー派だったんですが、最初は池袋のピーパル、渋谷が今の場所に移ってからは渋谷に行ってました」

司会者「渋谷タワーの建物が昔はビル全体で子供服だかおもちゃだかを売ってるデパート的なものだったとか知らない人多そうですね」

レジー「リニューアル前のトイレに名残があったよね。で、僕が渋谷タワーに通いだした当時は「渋谷系」的な波もひと段落してたわけですが、渋谷HMVがそういうムーブメントを生んだ特別な場所だったってのは知ってました。渋谷タワーをがっつり見て、HMV、WAVEと回って帰ってくる感じでしたね。お金ないから試聴ばっかりだけど」

司会者「YouTubeもフリーDLもない時代の情報収集ですな。渋谷HMVに対する特別感ってのは多くの人が感じていたわけで、渋谷HMV閉店発表時に拡散されたこの有名なエントリーにもその感じが表現されてますよね」

レジー「これ改めて読んで、自分の実感値も踏まえて昨今の洋楽関連の議論に無理やり接続させるとすると、このブログに書かれているような時代ってたぶん「洋楽を聴くこと」そのものというよりも「こういうお店に洋楽のCD/レコードを買いに行く」ことがかっこよいとされてたんじゃないかなと思いました。ここに行かないと手に入らない情報が発信されている外資系CDショップとか、その界隈のごちゃっとした小規模レコードショップ群とか」

司会者「この辺の話は以前も少し触れてますが、行ってましたもんね宇田川町とか西新宿とか」

レジー「うん。スウェディッシュポップの流れからzestに行き、ブートレグ求めて西新宿へ。学校がその辺だったから行きやすかったってのもありましたが。電話帳みたいなCDショップガイドを持ってました。中高生でそういうことしてるのはまあまあスノッブだったと思いますが、今考えるとあれもかっこつけの一種だったなあ」

司会者「男子校だからかっこつけてもしょうがないのにね」

レジー「対異性とは違った論理の話だよね。今ではタワーもHMVも郊外に普通にあるし、zestもとっくになくなり、未知の音楽聴きたけりゃネットにアクセスする時代なわけで、CDショップの持つ「文化発信基地としての特権的な立場」が相対的に薄れてきた。そういう中で「洋楽を聴く≒洋楽のCDを買いに行くという“ポーズ”をライフスタイルとして取り入れて周囲にアピールする」層が完全に剥がれていった、もしくは流入しなくなった。「洋楽離れ」的な話にはこういう側面もあるんじゃないかなと思いました」

司会者「「洋楽離れ」にとどまらず、「音楽離れ」とも関係のある話かもしれないですね。長くなってきたのでそろそろまとめに入りたいんですけど、最近の代官山蔦屋とかリニューアルした渋谷タワー、特に2階の雰囲気が顕著ですが、ああいう動きは「文化発信基地としての特権的な立場」を取り戻そうという動きともとれると思うのですが」

レジー「どっちも書籍を扱ってるから音楽の話にどこまで引きつけていいかわかんないけど、そういう文脈で語れるんじゃないかな。まあでもこれもストーンズバーと同じで、気を付けないと「あーおっさんたちは昔こういう感じ好きだったのね、俺らには関係ないけど」ってなるよね」

司会者「タワーに関しては、地下フロアをドミューンと連携させたりして新しい取り組みもしていますよね」

レジー「そうですね。そういう意味ではタワーには期待していますよ。T-Palette Recordsの展開も含めて、リアルとバーチャル、旧来型の「おしゃれ感」と今の時代らしい「最先端感」をハイブリッドしようとしてるわけで。ここ最近のエントリーで音楽ジャーナリズムどうよって話をしてましたが、タワーの取り組みの方がある意味よっぽどジャーナリスティックですよね。こういう動きの中から文化としての音楽の新しい在り方が出てきたらいいなあと思います」

司会者「わかりました。では今回はこの辺で。次回はどうしましょうか」

レジー「そうですねえ。そろそろドキュメンタリー映画も始まるし久々にAKB話やろうかなあ。予定は未定ということで」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」
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