レジーのブログ(旧)

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「音楽メディアユーザー実態調査」から見る今時のリスナー像 -「音楽」と「お金」の不安定な関係

司会者「パスピエの新曲「on the air」の音源が公開になりました」



レジー「これマジで売れるんじゃないか」

司会者「パスピエについて詳しく知りたい方はこの記事この記事をご覧ください」

レジー「これを機に過去音源もあたってみることをお勧めします。この曲がツボだった人は「ONOMIMONO」の方がはまる気がするし、もうちょい荒々しい方がいいなあって人は「わたし開花したわ」の方がしっくりくるかと」

 

司会者「TOKYO FMのキャンペーンソングのようですね」

レジー「TOKYO FMは僕にとってすごく重要なラジオ局です」

司会者「ほう」

レジー「小学校5年生の時に、この局で土曜日の1時からやってたカウントダウン番組を聴き始めたのがポップミュージックとの出会いなんですよ」

司会者「午前中の授業から帰ってきて、昼ごはん食べながら聴いてましたね」

レジー「カセットテープに録音して、音質悪くなりながらも曲の部分だけダビングしたりしてました」

司会者「ネットがない時代らしいエピソードですね」

レジー「子どもだからお金もないし行動パターンも限られてるわけで、その中でどうやっていろんな音楽聴くかはいろいろ考えてましたねえ。「音楽聴くのに金払わない奴は許さん!」みたいなことを迷いなく言う人に対して、理解は示しつつもちょっと引いちゃうのはこういう原体験があるからかもしれないです。そんなことを先日発表された「音楽メディアユーザー実態調査」の2012年度の結果を見ながら思ったんですけど」

司会者「日本レコード協会が毎年やってる調査ですね。昨年度の結果についてはブログの超初期に記事にしています」

レジー「相変わらずルーティーンでやってる感ありありだよねこの調査」

司会者「またこれやってるシンクタンクdisですか」

レジー「経年変化見るために変えられない部分もあるんだろうけど、たとえば「購入した新品CDアルバムのジャンル」ってところは以前も書いたように「日本のポップス」と「日本のロック」の区別とかようわからんからこれだけじゃ何とも言えないよね」

司会者「そう言わずに何かしら意味合いを出していただかないと話が進みません」

レジー「ここで唯一面白かったのは「ボーカロイド(初音ミク等)を利用した楽曲」ってところですかね。中高生だけ圧倒的に高い」

司会者「購入者の割合を見ると、中学生が男16.8%/女26.8%、高校生が男13.8%/女18.5%です。他の世代は一桁パーセント前半。ちなみに中学生女子では「日本のロック」の12.6%を大きく上回ってます」

レジー「「みんなボカロ聴いてる」とか言いつつこんなもんかーと思ったんだけど、考えてみたらたぶんこの周辺にニコ動で聴いてますみたいな人たちがたくさんいるんだよねきっと」

司会者「そのあたりは「未知アーティストの新品CD購入のきっかけ」で、「無料動画配信サイト」が中学生・高校生・大学生・20代社会人の各世代でトップになってるところからも読み取れますね。そこで見て気に入ったものをパッケージで買うと」

レジー「去年の報告書は「ネットやスマホ悪玉論」がすごかったけど、こういう結果が出るとネットも商売の役に立つと認識を改めざるを得ないだろうね。ファンが勝手にあげてる動画もプロモーションになってるはずだから、これを機に何でもかんでも削除するの減るといいなあ」

司会者「権利の問題とかで難しい部分はあるんでしょうけどね。ただ、ネットが購入のきっかけになるっていう話以前に、「音楽にお金を払う層」が減ってきているというデータもあります」

レジー「そうですね。「CD購入」「レンタル利用」「有料音楽配信」それぞれの利用状況についての設問について、ダブりのないように足し合わせると「音楽にお金を払う層」の頭数が出るわけですが、3年間の推移を見るとこんな感じです。ちなみに2007年度は57%くらいでした」

2010年度 45.2%
2011年度 47.9%
2012年度 41.9%


司会者「2011年度でちょっと上がる傾向があったのに2012年度は大きく下がりましたね」

レジー「2011年度はAKBの爆発があって、直近では一巡したとかそんな話かしら」

司会者「これで2012年はパッケージ売上がアップとか言ってるわけで、確実に「一部の人がたくさん買う」構造になりつつあるんでしょうね」

レジー「そんな感じなんだろうなあ。で、有料利用者は減ってるわけですけど、その中での構成比を算出したのがこちらです」

数字1

司会者「レンタルのみの人のシェアが2割に達したんですね」

レジー「ここちょっと気になるんですよね。今年はストリーミング型のサービスが来る!みたいな話結構あるけど、ピンポイントでTSUTAYAで借りればいいやみたいな人たちが増加傾向にあるんだとすると「有料聴き放題」って言っても別に刺さらないような気がするんですよ」

司会者「レンタルCDがここまで充実してるのは日本の特殊性ですよね」

レジー「当然ストリーミング陣営の人たちもそういうことは考えてロンチの仕方を検討してるんだろうけど、ここは結構クリティカルな気がする」

司会者「「洋楽離れ」問題についても、レンタル解禁を早めるだけで解消される部分もありそうですね」

レジー「そう思います。で、今回一番ほーと思ったのが「聴取層別セグメント構成」って項目なんですけど」

司会者「対象者を以下の4つのグループに分けてます」

①有料聴取層:
「音楽を聞くために、音楽商品を購入したり、お金を支払ったりしたことがある」
②無料聴取層:
「音楽にお金を支払っていないが、新たに知った楽曲も聞いている」
③無関心層(既知楽曲のみ):
「音楽にお金を支払っておらず、以前から知っていた楽曲しか聴いてない」
④無関心層:
「音楽にお金を支払っておらず、特に自分で音楽を聴こうとしていない」


レジー「4年間の推移を見るとこんな感じです」

図2

司会者「「③無関心層(既知楽曲のみ)」のシェアが伸びてますね」

レジー「これ見た時はほんと悲しくなりましたよ。特に僕も含まれる30代の値が9.5%から16.1%に大きく拡大してるんですよ」

司会者「この先年寄りが増えていくわけで、この構造はますます強まるでしょうねえ」

レジー「そうですね。この辺は歌番組の「懐かしの歌コーナー」の影響とかもあるのかなと思うんですけど。ちょうど今回の報告書に2009年度からの推移が載ってたんですが、この時期っていろんな歌番組がそっちの方向に舵を切ったタイミングみたいなんですよね」

司会者「wiki情報ではありますが、ヘイヘイヘイが「今聴きたい!名曲HEY!HEY!HEY!」というコーナーを始めたのが09年4月。10月ごろからCDTVで過去の曲を流す時間が長くなり、Mステも「BIRTH YEAR SONGS」が10年2月からスタート。FNS歌謡祭が懐かしの曲大会にコンセプトが変わったのも2010年ですよね確か」

レジー「こうやって金稼いでる世代をノスタルジーに気持ちよく安住させてるわけですよ。そりゃ好奇心も削がれるわな」

司会者「一方で、学生を見ると「②無料聴取層:音楽にお金を支払っていないが、新たに知った楽曲も聞いている」が25%存在しています。他の世代と比べて圧倒的に多いです。この辺が冒頭に出た「ボカロ曲をニコ動で聴いてる人たち」なんでしょうか」

レジー「もちろん他のジャンル聴いてる人もいるだろうけど、そういう人もたくさん含まれてるだろうね。で、ここでちょっと前に大爆発してた「音楽の価値とは??」ってエントリーを紹介したいんですけど」

司会者「かなり盛り上がってましたね」

レジー「このエントリーに関して「主観的過ぎてうざい」みたいなコメントがあって、「ブログに主観的なこと書かないで何書けばいいんだ?」ってとても驚いたんですけどそのあたりは割愛。今回の話と関係ありそうなのはこの辺」

俺「じゃあ○○ちゃんはボカロのCDとかは聴かないの?」
小「なんで?だってスマホで聴けばCD買う必要ないじゃん!」

???

俺「え、だからそれじゃ音悪いし、歌詞カードとかもないじゃん!」
小「私は音楽が聴きたいの。音が悪くても良くても私には関係ないし、音楽だけ聴ければいいの。」

なん…だと…。

俺「だけどなんかそれって好きな音楽にお金払ってないし失礼な感じしない?(まだ小学生だし、そうは思わないのかな)お母さんにCD買ってとか言わないの?」
小「言ってもムダムダ!YouTubeで聴けるからCD買う必要ないもん!ていうか、CDってどうやって聴くの?持ち運べないじゃん。」

ええ~!!!!そんな質問……。

俺「いや、家ならCDコンポとかでCDは聴けばいいし、持ち運ぶならPCから取り込んで、スマホとかiPodなんかに入れればいいんじゃない?(俺はウォークマンだけど)」
小「えぇ…なにそれ、めんどくさ。」

「めんどくさ」だと……。


司会者「数字の羅列からは見えない生々しさがあります」

レジー「正確には「数字の羅列と組み合わせるとより多面的に見える」って話でしょうか。こういう人たちが今回の調査に出てきた「音楽にお金を支払っていないが、新たに知った楽曲も聞いている学生」の姿なんでしょうね。もしかしたら特に先鋭化されたサンプルなのかもしれないけど、決して特殊例ではないんじゃないかな」

司会者「このブログに対して「CDを買って急いで帰ってきて、ご飯も食べずに部屋にこもって、CDプレーヤーでそれを聴く。そういう楽しみを知らない今の子どもはかわいそう」みたいなツイートがマンガ付きで回ってました。あのマンガ可愛かったけどもう削除されてるみたいですね」

レジー「そういうのとか現実逃避以外の何物でもないからね。確かに昔そういう楽しみがあったのは間違いないけど、別にそれを知らない人たちに押し付けちゃいかんと思うわ」

司会者「普通に考えれば今の方が楽しいですよね音楽好きとしては。インフラの充実度が違いすぎる。お金がなくてもないなりに楽しめますもんね」

レジー「ほんとそう思いますよ。サマブリさんとかハイハイさんのブログで紹介されてる「合法な」フリーの音源聴いてるだけでも十分面白いし、アイドルのフリーライブだってあるし」

司会者「そもそも音楽に金払うのが間違ってたのでは?みたいな話はミュージシャン側からもたまに出てますよね」

井上 もう、誰も音楽にお金なんか払わないですよ。連想するのはね、ブラジルで、欧米で作ったエイズの薬を使うには特許料を払わなきゃいけないんだけど、ブラジル政府は「目の前の貧しい人を助けるほうが先でしょう」と、特許を認めなかった話ね。確かに著作権なんて、西洋のある種の文化ですよね。絶対というわけでもない。

松任谷 音楽にお金を払うこと自体が間違ってたのかもしれない。19世紀の頭頃
に出版社ができ、楽譜というものを売り始めてね。

井上 もちろん、ある種の発展というのはあったんでしょうけど、「発展ってどうなの?」っていう時代に来てますからね。

(読売新聞2011年8月 松任谷由美と井上陽水の対談)

Q70 音楽が担う役割は今後、どう変化していくと思われますか?
「パッケージが衰退して、商品としての音楽の存続基盤が崩壊しつつありますよね。Youtubeやニコ動で見られるわけだから、若い子は音楽にお金を払わない。それは当たり前だと思うんですよ、僕だってそうするだろうし。この状況が進んでいくと、レコードが発売される以前の状態に戻るんじゃないですか? 音楽でお金を稼ぐには、実演しかないという。昔のダンスパーティーとか、生演奏で踊るっていうことが盛んになってくるかもしれない。そういう意味では、ダンスと音楽が不可分になっている現状は、当然の結果でしょうね。まぁ、もう少し見ていかないと、最終的な結論はわかりませんが」

(ぴあ「100Q」山下達郎 2011年)

レジー「この人らはもう十分売って金持ってるからだろってのもあるだろうけど」

司会者「まあ確かに」

レジー「ただ、こういうことを考えないといけない時期に来てるんだろうなあとは思います」

司会者「わかりました。そろそろまとめたいのですが、音楽メディアユーザー実態調査から「音楽にお金をかけるということとは」という話のさわりまできました」

レジー「はい。この辺の話に関連する内容で、ポピュラー音楽論をやってる学者の増田聡さんの年末のツイートが面白かったんですけど」




司会者「こうやって繰り返してる話ではあるんですよね」

レジー「うん。で、今の状況って「レコードからCDへ」以上にダイナミックな変化が起きてるタイミングだと思うんですよ。それは音楽だけにとどまる話ではなくて、メディア環境が変わって世の中全体が大きく変わってる中で、音楽も当然その影響を受けているって話だと思うんですよね」

司会者「そういう自覚なく漫然とCD売ってるレコード会社やミュージシャンもいっぱいいますよねきっと」

レジー「もうそういう人たちはどうしようもないから、「こういう時代に何をすべきか」みたいなことを考えてる人たちの邪魔だけはしないでくれって感じだよね。で、そういう時代だからこそ、「音楽そのもの」と「音楽を取り巻く環境」両方を踏まえて何かしらの言葉を発信していきたいなと改めて思いました、ってのが今回の結論ですかね」

司会者「わかりました。では次回はどうしましょうか」

レジー「今日パスピエのライブ行くからそれについてかなー、何かあれば考えます。予定は未定で」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」
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