レジーのブログ(旧)

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tofubeatsと街と女の子の絶妙な関係

レジー「話題のtofubeats『lost decade』を聴きました」



司会者「初めてのフルアルバムということで」

レジー「これまでちゃんと追ってたわけじゃないんだけどね」

司会者「『水星』聴いたのずいぶん遅かったですしね」



レジー「うん。個人的にはtengal6の『プチャヘンザ!』のイメージが強い」



司会者「今ではlyrical schoolに名前が変わってますが、新曲の『PARADE』もtofubeats作ですね」



レジー「これもいい曲だわ。ほんといい仕事してるよねこの人。あとdancinthruthenightsで出してる『ダンシンスルーザナイト』は今年の1Qで一番聴いた曲の一つです」



司会者「クオリティ高い曲を量産してるわけですが、アルバムはどうでしたか」

レジー「いやーすごい良かったよ。かなりフィットしました」

司会者「発売前には全曲試聴という取り組みをしていましたね。今でも公式サイトで全て聴けます

レジー「すごく今時っぽい取り組みですよね。隠すのではなく公開してバズを作ると。いろんな媒体で増殖していく感じがなんかかっこいいです」

司会者「「フリー音源を使ってマネタイズにつなげる」って話の一つの成功ケースとなりそうですね」

レジー「うん。で、肝心の音の方ですが、一言で言うと「タイムレス」だなあと思いました。直近のクイックジャパンで磯部涼さんが書いていることがまさにその通りだなあと」



TSUTAYAやBOOKOFFに並ぶJ-POPと、チル・ウェイブやトラップといったネットのモードを掛け合わせたような『lost decade』は、二〇一三年のリアリティを表現したポップ・ミュージックだ。

司会者「なるほど」

レジー「この前たにみやんさんも書いてたけど、2曲目の『SO WHAT!? feat. 仮谷せいら』とかドリカム?って感じだもんね。一番気に入ってるのは11曲目の『No.1 feat. G.RINA』です。これはやばい」



司会者「素敵」

レジー「この手のやつ弱いんだよね。僕Steady&Co.の『Only Holy Story』が大好きなんですが、それに近いムードを感じました」



司会者「この『No.1』は元々はご本人が歌ってたのを女性ボーカルで録りなおしたもののようですね」

レジー「最初のも良かったけど僕は今回のバージョンの方が断然好きですね。他の曲も含めてほんとお勧めのアルバムなので、まだの人はぜひ聴いてみてください」

司会者「わかりました。『lost decade』最高!ということで今回はもう終わってしまっていいですか」

レジー「まあまあ、ちょっと待ってくださいよ。もちろんこのアルバム素晴らしいですよ、ってのが今回の趣旨ではあるんですけど、関連して2つほどお話しさせていただきたいなと。「街」に関する話と「女の子」に関する話です」

司会者「はい」

レジー「まず「街」についてなんですけど。tofubeatsを語るにあたって外せないものとして、『水星』リリース時に磯部涼さんがエレキングに書いたレビューがあります」

司会者「シティポップ全般の歴史を総括したうえで、『水星』を「2012年を代表するシティ・ポップ・ソング」として位置づけています」

レジー「このレビューちょっと長いけどめちゃくちゃ面白いので、未読の方はぜひ読んでみてください。で、その中でこんなことが書かれています」

言わば、シティ・ポップとは、現実の都市に居ながら、架空の都市を夢見る音楽である。
(中略)
そして、公園通りが生まれて40年が経った。道沿いの〈PARCO PART2〉は、もう随分と長い間、廃墟のまま放置されている。いまの都市が夢の残骸なのだとしたら、そこに、プロジェクションマッピングさながら、架空の都市を投射する音楽。そんな、2012年を代表するシティ・ポップ・ソング――新しい"DOWN TOWN"が、"水星"だ。


司会者「なるほど。一方で、磯部さんのレビューでも触れられていますが、tofubeats自身は「都市」よりも「郊外」の文化の中で育ってますよね。いろいろな情報が雑然とあるがゆえに刺激的、という文脈ではなく、ある種漂白されたエリアが出自です」

レジー「僕これ読んで思ったんですけど、の子もこういうニュータウンの出身ですよね」

司会者「あー」

レジー「で、2人とも同じような形で音楽の洗礼を受けています。こちらは磯部さんのクイックジャパンの記事からの引用です」

そんな無機質な閉じた世界の中で、唯一の外に開かれたドアが、他でもない、TSUTAYAだった。
(中略)
“駅前TSUTAYAさんで、”神聖かまってちゃんがビートルズとセックス・ピストルズに出会ったように、tofubeatsはクラブミュージックと出会ったのだ。


司会者「「ファスト風土化」の象徴的な悪例として取り上げられがちな郊外の大型レンタルショップが、後にシーンに衝撃を与える才能が覚醒するきっかけを作ったと」

レジー「ここについては先日スタジオボイスにアップされていたレビューにもそんなことが書かれていました」

彼が学生時代に影響を受けた音楽がHIPHOPであったことも影響したのだろう、郊外のTSUTAYAやBOOKOFFを文化民度の貧しさの象徴としてではなく、手軽で巨大なアーカイヴとして機能させているように思う。

司会者「ちなみにこの記事を書いた本橋優輝さんは弊ブログ読んでくださってるとのこと」

レジー「ありがとうございます。引用させていただきました」

司会者「「文化民度の貧しさの象徴としてではなく、手軽で巨大なアーカイヴとして」って面白いですね」

レジー「うん。よくブックオフに対して「本当に価値のある本もクソみたいな本も全部100円売ってる。バカなんじゃないのかあいつら」みたいな批判ってあると思うんですけど、そういう状況を逆手にとってフラットな視点でいろいろな情報を摂取している人たちがすでにシーンの最前線に登場しているっていう事実は直視するべきだと思います」

司会者「そう考えると、ブックオフとかツタヤの店頭ってある意味では昨今のネット空間を先取りしてたのかもしれないですね」

レジー「確かに。で、このあたりの「目の前にある景色の読み替え」という話を踏まえて冒頭で紹介した磯部さんのシティポップに関する定義、「現実の都市に居ながら、架空の都市を夢見る/架空の都市を照射する」っていう話を結び付けたいんですけど」

司会者「これって、先日『エイリアンズ』についての記事で書いた「拡張現実」の話とぴったり重なりますね」

レジー「そうなんですよ。この切り口で見ると、『水星』が2012年を象徴する曲になったことにも納得がいきます。「ここではない、どこか」ではなく「いま、ここ」を書き換える想像力。このリリックが象徴的です」

i-pod i-phoneから流れ出た 
データの束いつもかかえてれば
ほんの少しは最先端 
街のざわめきさえもとりこんだ


司会者「膨大なアーカイブに接続する端末があって、それが現実=街のざわめきと重なり合ったときに「ほんの少しは最先端」になると。現実から完全に切り離されるわけではないんですよね」

レジー「そうですね。このあたりの感覚がすごく今の時代のムードにマッチしているよなあというのが1つ目の「街」に関する話です」

司会者「わかりました。では2つ目の「女の子」に関する話をどうぞ」

レジー「はい。今回のアルバム全体的にすごく良かったんだけど、個人的には女性ボーカル曲の方が良いなと思ったんですよね。最初にあげた2曲、あと実質的なラスト曲の南波志帆さんの曲。てか仮谷せいらさんの声って自分の中で結構理想的ですね女性ボーカルとして。あれくらいの力の入り具合の歌が好きです」

司会者「『水星』も仮谷せいらさんバージョンがあります」



レジー「実はこっちの方が好きなんだよね。サビの高音でちょっと苦しげになる感じがまた良いんだな」

司会者「記事の最初でtengal6/lyrical schoolについて触れましたが、女性アイドルへの曲提供も積極的ですね」

レジー「そうですね。最近だと9nine『CUE』に収録されてる『CANDY』という曲がtofubeats作詞作曲なんですが、最近僕これ聴きまくってます」





司会者「サビのフレーズが印象的ですね」

ca-ca-candy なめたら 気になる男子とdancin’ dancin’
lo-lo-love you 止めれない感情は 君にあげる あげる


レジー「ここもそうなんですけど、女の子を絶妙に美化する視点があるよね。歌詞の全体から通底する、「恥ずかしがり屋なんだけど積極的」みたいな感じね。なんとなく派手な顔じゃないんだけど実は結構可愛くて、真面目なグループの中で相対的に見るとちょっと派手、くらいのバランスがイメージじゃなかろうか」

司会者「それは単に自分の好みでは」

レジー「こんな女の子いるのかなあ。非モテ男子の願望の表出ですな」

司会者「なんて失礼な」

レジー「いや、これ僕超共感するんですよ。tofubeats自身がザ・インタビューズで「なんでアイドル好きなの?」って質問に答えてて、これ超名文だと思うんですけど、その中にこんなことが書かれております。ちょっと長いですが引用します」

先ほども言ったが僕は中高6年間男子校に通っていた。だからまさにアイドルと呼ばれているような年の女の子が何を考えて、どこで大人になっていくのかが全然わからない。今でも。もしかしたら世の中に僕らの思っている純粋な女の子は存在しないのかもしれない。今こうして原稿を書いているマクドナルドで僕のまわりにいるのはガラの悪い、けどまさにアイドルと同い年くらいの高校生の集団で、携帯のスピーカーでAKB48のヘビーローテーションを流してぎゃーぎゃー騒ぎながら誰とセックスしただのいう話をしている。椅子あるのに地べたに座ってる。こんなんでええんかこいつらは。しかもこんな高校生ってそこらへんによくおるし、僕にとって少女から女性への転換期はブラックボックスで、大学に入学したらそこに少女は居なかった。大学で聞く話も"あの女は云々"みたいな話ばっかりになってしまったと思う。正直言って僕もいつか変わってしまうのかは知らないがこういう状況をあまり楽しめる方ではない。

 あの日女の子とうまくしゃべれなかったから、何も女の子のことを知らなかったからぼくはアイドルのことを信じたい。そういう立場で居たい。少し大げさな言い方になってしまうがいつまでたってもアイドルは希望だ。僕らとは違って素敵な女の子にはちゃんと素敵に育って欲しい。少なくとも僕はそう思う。


司会者「少女から女性への転換期はブラックボックス、ですか」

レジー「わかるわーこれ」

司会者「中高6年間男子校ですからね」

レジー「うん。僕は妹いたのでまだマシなのかもしれないけど、やっぱりどうしても知らないがゆえに美化する視点は入ってきちゃうよね。何だかんだで当時は女の子と接すること自体がイベントになってたから。よその女子校の子とカラオケ行ってマック行ってプリクラ撮るだけで大騒ぎですよ」

司会者「そういう環境の中で「初めてPerfumeと握手して人生が変わった」って話もこの中に出てきますよね」

レジー「なんか男子校でかつ派手に遊んでない界隈にいると、とりあえず会った女の子を好きにならなきゃいかんみたいな錯覚に陥ることがあったんだよね。自分も友人もふられたとかどうしたとかやってた気がするんだが、今考えてみると別に好きでもなかったようなケースもあるんだよな」

司会者「はあ」

レジー「そんな状況で握手会なんて行ったら完全に人生ひっくり返るだろうなあという想像はつきます。で、女の子に対してそういう距離感を持っている人だからこそ、tofubeatsの女性ボーカル曲は絶妙にロマンチックだし切ないんじゃないかなあと思いました。というのが2つ目の話でした」

司会者「わかりました。ではぼちぼちまとめに入りたいんですが、『lost decade』を起点に「街」「女の子」という切り口でtofubeatsの話をしてきました」

レジー「はい。街の景色を読み替える話とか、女の子をちょっとだけ美化して描く感じとか、tofubeatsの作る音楽は「リアル」と「ファンタジー」の狭間にある絶妙ないいところにぴったりはまるなあと思ってます。すごく地に足が着いてるんだけど、決して退屈なわけではない」

司会者「地元の神戸を拠点にして活動してるのにもその辺のスタンスが表れてますよね」

レジー「うん。今年聴くことにすごく意味があるタイプのアルバムだと思うので、まだ聴いてない方はぜひ聴いてみてください。あと気になったのは「ブックオフやツタヤを膨大なアーカイブとして捉え直す」って話なんですけど。ジャンク棚の中に面白いものがあるよなあってのはたまにブックオフ行くときに思ったりすることで。ちょっとこの前ツイッターでそれに類するような会話をしたので、次回できるかわからないけどそういう観点からJ-POPを振り返るみたいな企画をやってみたいと思ってます」

司会者「わかりました。できるだけ早めの更新を期待しています」
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