レジーのブログ(旧)

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アイドルと自意識、アイドルの自意識11 -AKB総選挙を終えて、改めて『ヘビーローテーション』について考えてみる

司会者「AKB総選挙が開票され、さっしーが1位になりました。速報結果からの逃げ切りです」

レジー「僕が投票したゆきりんは4位、ぱるるは12位、宮脇咲良ちゃんは26位でした」

司会者「注目ポイントとかありますか」

レジー「大きいところでは篠田さんの卒業なんだろうけど、さっしーが1位になった時点で真面目に考察する気は失せるよねなんか」

司会者「大島さんの表情やスピーチが物語ってましたね」

レジー「うん。なんかいろんなものがうやむやになった気がする。とりあえず運営が世代交代感を出そうとしてるわりには、なんだかんだで上位メンバー頼りってのがAKBの実情だと思うんですよ。そういう状況の中で何となく「変わった感」が出て良かったんじゃないかなと思います。あとは結局恋愛スキャンダルで移籍した人が1位なんだから、もう恋愛禁止とかなしにしてもいいんじゃないかなと思いました。自己責任でというか。律儀にやってる人がバカみたいじゃんね」

司会者「まあそうですね。投票した1ファンとしてはどうですか」

レジー「とりあえずさくらちゃんがいい順位に入れてよかった。ゆきりんは「私なんかそんな恐れ多くて・・・」みたいな雰囲気が完全になくなったね。最近いい女になってるなーと思ってます。ぱるるはなあ。もうちょっと行くかと思ったんだけど。さえちゃんの壁は厚いね。あと柴田阿弥が最終的に17位ってのも面白かった。なんかいいじゃんあの子。という感じで完全に踊らされています」

司会者「なるほど。いろいろありましたが、とりあえず今回の上位16人での新曲が発売になりますね」

レジー「総選挙の結果を受けたシングルってのも今回で5回目になるわけですね。早いな。参考までにこれまでの曲を改めて並べてみましょうか」

09年 言い訳Maybe
10年 ヘビーローテーション
11年 フライングゲット
12年 ギンガムチェック


司会者「特に好きな曲とかありますか」

レジー「そうねえ。僕実は『言い訳Maybe』すごい好きなんですよね」



司会者「はあ」

レジー「久々にPV見たけどみんな若いな」

司会者「どの辺が好きなんですか」

レジー「まあなんかジャパニーズ王道アイドルソングって感じがするんだよね。意外とこういう曲やってるグループ他にない気がする」

司会者「変に凝ってない良さはありますね」

レジー「うん。最後のサビの後ろで何かギターがうなってる感じとかなんかクセになります。あとは普通に『ヘビーローテーション』ね」



司会者「AKBの代表曲って言ったらこれになるんですかね」

レジー「たぶんね。で、今回は、次のさっしーセンターのシングルが出る前に改めて『ヘビーローテーション』という曲は何だったのか、ということについてやりたいなと思ってます」

司会者「わかりました。『ヘビーローテーション』は2年連続でJASRAC賞の金賞なんてニュースが先日出ていましたが、リリース以来日本中で使われまくっているということになりますよね」

レジー「カラオケチャートで2年連続1位、48週間連続1位っていう記録も持ってるわけでほんとすごいよね。「AKBなんて複数買いだけで誰も歌とか知らねーよw」って言う人たちでもさすがにこの曲は知ってるでしょう。カラオケチャートは複数買いなんてないしね」

司会者「結婚式の余興でも使われてるのではという話も以前しましたね

レジー「はい。この曲に関しては2010年代の国民的唱歌といっても過言ではないと思います。この曲があるからこそAKBは他のアイドルとは違う層にアプローチできてる、って部分はありますよね」

司会者「それは確かにそうですね」

レジー「で、曲そのものについての話をしたいんだけど、これについては柴さんが「アウフタクト」という概念を使って説明していました」

司会者「アジカンの『リライト』と比較してますね。あとはそもそも「アウフタクト」自体がAKBの曲の一つの明確な特徴なのでは?って話をこの記事および『文化時評アーカイブス』の音楽座談会の中でされていました」



レジー「あとはコード進行の話で言うと、マキタスポーツが「カノン進行」っていう切り口でネタにしてたよね。日本人が大好きなコード進行で、AKBのほかの曲やその他いろんなアーティストのヒット曲にも使われてるって話」

司会者「森山直太朗の『さくら』とかが例に出てましたね」

レジー「うん。この2つはもちろん重要な要素なんだけど、個人的に一番大事なのはあの曲の雰囲気を規定しているアレンジだと思っています」

司会者「ロック風ですが、先ほど挙げた『言い訳Maybe』のアイドル歌謡然とした雰囲気とはまた違って、もうちょっといわゆるJ-POP的な女の子のロックって感じですよね」

レジー「で、このアレンジ誰やってるんだろうと思って調べたらびっくりしました。何かあんま言われてない気がするけど、この曲のアレンジャー、田中ユウスケさんっていうアゲハスプリングスの方なのね」

司会者「AKBとアゲハスプリングスって結びつかないですよね」

レジー「アゲハ全体で言うとトマパイや9nine、最近だとでんぱ組の『でんでんぱっしょん』とか、アイドル絡みの仕事いろいろあるけどAKBまでやってるとは知らなかった。他にもあるのかな。で、この田中ユウスケさんって方が他にアレンジとかプロデュースをやってる曲見てたらさらにびっくりしたわけです」







司会者「YUKIやいきものがかりの曲に関わってる方なんですね」

レジー「しかもパスピエにも噛んでるんですよこの人」

司会者「田中さんの会社であるキューがマネジメントをやってるみたいですね」

レジー「サイト見ただけだとはっきりわからなかったけど、音源自体はワーナーから出てるしアーティストマネジメントをやってるってことでいいんだよね。とにかく、田中ユウスケさんって補助線を引くことで『ヘビーローテーション』という曲の存在意義みたいなものが見えてくると思います。YUKI、いきものがかり、パスピエって文脈に『ヘビーローテーション』を置いてみると、この曲がここまで爆発的に浸透した背景には「日本の音楽シーンで続いているガールズロックの系譜」みたいなものが大きくかかわっているってことが見えてくるんじゃないかと」

司会者「確かにジュディマリっぽいみたいな指摘は出た当初からありましたよね。『あなたは生きている』に似てるなんて話も」



レジー「僕も初めて聴いたときに「うわ、ジュディマリじゃんこれ!」って思ったんだけど。ジュディマリが本格的にブレイクしたのが『Over Drive』をリリースした95年。この頃は解散直前のモンスターバンド然とした雰囲気ではなくて、「女の子の元気でキュートなロック!」みたいな感じでの受容のされ方だったと記憶しています。で、この手の女の子ロックって、80年代後半にプリプリが温めて、90年代初頭からのJ-POPの時代になるとリンドバーグがヒット曲ポンポン出して、半ばにジュディマリにつながっていく、という感じで脈々とした流れがあるんですよね。ちょっと単純化しすぎかもですが、大きくはそういうことかなと」

司会者「『Over Drive』が出た年にリンドバーグは『もっと愛しあいましょ』を出してます」





レジー「そうか、ジュディマリとリンドバーグはチャート上で並走してる時期もあるのね。こういう感じの「ガールズロック」とか言われる類の音楽って日本特有なのかな。この頃は洋楽も結構聴いてたけどシンクロしてる動きがあったようには思えないんだが」

司会者「これもいわゆるガラパゴス化って話なんでしょうか」

レジー「どうなんだろうね。そこは本論ではないのでちょっと置いておきます。で、この手の音はJ-POPにおけるある種の「ボリュームゾーン」なわけで、そこ狙ったグループもちょこちょこ出てくるわけですよ」

司会者「特徴的なやつを紹介しておきますか」







レジー「こういうフォロワーっぽいのが出てくるのはこのシーンが盛り上がってた証だよね。まあこの辺はある種一発屋で持続せず、加えてジュディマリも解散してYUKIがいわゆるバンドサウンドとはちょっと違う方向にいくわけだけど、それと入れ違いでチャットモンチーが出てくるんだよね。で、ゼロ年代半ばから後半になるといきものがかりも定着してくると。『けいおん!』もこの流れでしょ」

司会者「結構音楽性違うグループを一直線上に並べてる感じになってますが大丈夫ですか」

レジー「もちろんここまであげてるバンドの厳密な音楽性は全部違うと思います。ここで言いたいのは、世の中的な見え方として「女性ボーカル、キャッチー、ロックサウンドではあるけど男っぽさというよりはかわいさをちゃんと担保している」くらいの記号で識別されるであろうバンドってのが90年代以降ずっといるということです」

司会者「なるほど」

レジー「こういう大きな潮流を意識すると『ヘビーローテーション』もその流れの中に位置づけられるし、あの曲が受け入れられる土壌は20年くらいかかってじっくり耕されてきたものだとも言えると思うんですよね。第2回総選挙って第1回と比べて注目度が飛躍的に上がってたわけで、ここで出すシングルってのはAKBにとって文字通りの「勝負曲」だったわけですよ。そこでAKB陣営はこういう「J-POPの歴史を踏まえたうえで、受け入れられる確率の高い曲」を出そうとして、その流れの最新モードを理解している田中ユウスケという人をアレンジャーに据えた。完全に勝ちに行って、そこで結果を収めたと。秋元康的にはしてやったりだったんじゃないかな」

司会者「『ヘビーローテーション』はマイクスタンドありのダンスパフォーマンスが基本ですが、バンド演奏バージョンもテレビやライブで披露されていますね」


AKB48×SKE48×NMB48 『ヘビーローテーション バンドver.』 M J 2012... 投稿者 hcinis_sayu

レジー「これとかお世辞にもうまいとは言えないけどさ、やっぱりこれはやらないといけなかったんだよね。これがこの曲のあるべき姿で、J-POPにおけるガールズロックの歴史へのオマージュですよ言ってみれば」

司会者「そこまで意識してやってるかはわかりませんが、そういう解釈も可能ではありますね。長くなってきたのでぼちぼちしめたいのですが、『ヘビーローテーション』という曲について、J-POPにおける歴史的位置づけという観点から話をしてきました」

レジー「はい。今回いろいろ関連動画見てて、普通にこういう感じの曲いっぱいやるアイドルがいたらそこそこ売れるんじゃないかと思ったんだけどどうかな」

司会者「確かに意外といないですよね」

レジー「もちろんPASSPO☆みたいにロック調の曲やってる人たちはいるし、この前書いたひめキュンだっているわけだけど。なんかもっといわゆる「J-POP的ガールズロック」に寄せた感じの人たちがいたっていいんじゃないかなと。それこそさっき紹介したホワイトベリーみたいな曲って結構いいと思うんだけどなあ」

司会者「ホワイトベリーはジュディマリのメンバーだった恩ちゃんプロデュースでした」

レジー「そうだよね。恩ちゃん曲作ればいいのに。というわけで今回の結論は恩ちゃんもう一度メインストリームに出てきてください、で」

司会者「ほんとにそれでいいですか」

レジー「いや、冗談で言ってるわけではないですよ。TAKUYAだってやってるんだから。これ最近まで知らなかったんだけどすごいいい歌じゃないか」



司会者「確かに」

レジー「若い作家も、かつて時代の中心にいたヒットメーカーも、いろんな人が参入できるのがアイドルの面白さですよね。恩ちゃんが作ったポップなアイドル曲ががつーんと売れたら個人的にはすごく感慨深いですね。そういう作家サイドでのリバイバルみたいな話も、文化としてのアイドルの成熟につながるのではないかと思っています」

司会者「わかりました。では今回はこの辺で。次回はどうしますか」

レジー「そうねえ。パスピエのアルバム出るからその話をするのがいいかなあ。ちょっと考えます」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」
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