レジーのブログ(旧)

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これからの「歌番組」の話をしよう

レジー「これ超かっこいいですね」

司会者「クリープハイプ「おやすみ泣き声、さよなら歌姫」」



レジー「名前は知ってたけどノーチェックでした。なんかこの手のギターバンドは正直食傷気味なので最近スルーしがちなんですが、これはありだね」

司会者「サウンド面では飽和してても、ボーカルとか歌詞とかで特徴を出してく余地はあるんですかね」

レジー「こういう音でボーカルが高めのキーにいく感じはいいな。単に上に抜けるだけじゃなくて、何とも言えない粘度があるのが良い。indigo la Endとかもそんな感じでしょ」

司会者「「緑の少女」はよく聴きましたね春先」



レジー「まああんまり聴かず嫌いせずレンジは広く持ってないといけないね」

司会者「それはどのジャンルに対してもそうですね。で、前回の続きに行きたいんですが。ヘイヘイヘイとかうたばんみたいな「キャラづけ」を念頭に置いた歌番組が終焉に向かいつつある中、そういう流れとは関係ないところにミュージックステーションと言う番組がある、というところで終わりましたが」

レジー「はい。で、最初に紹介したいのが星野源のMステ評です」

司会者「7月に出演してましたね」

レジー「ちょうどフジロックに出る前日だったんですよね。そのあたりの話をMUSICAでしてるんですけど、その中に出てくるMステについての発言がかなり的確だなあと思いました」

◆源ちゃんにとって、Mステとフジロックっていうのは、光と影とか黒と白みたいなもんだったのか、同じものだったのか、どっちなの?
「この2つを分けて考える人は多いと思うんですけど、僕はそんなに変わんないんじゃないかと思ってて、実際にMステの現場に行ったら、多くの刺激を感じたし、よく考えたらタモリさんが音楽番組の司会って変なんですよ。つまり、そのこと自体がオルタナティブなんです。生放送で新人も大御所も、アイドルも出る。凄く音楽に対して平等で」



司会者「「Mステとかクソ!AKBとジャニーズばっかじゃん!」なんて無邪気に言っちゃう自称音楽通に読んでもらいたいコメントですね」

レジー「他の部分もすごく面白いのでぜひ全部読んでもらいたいんですが、特にこのコメントはほんとその通りだなあと思うんですよね。まず前回挙げた番組と決定的に違うのは、タモリが音楽に対して素養があるってことですね。そういう部分が「音楽を大事にする」っていうスタンスにつながってると思うんですよ」

司会者「タモさん自身もこの番組からいろいろ吸収してる感じはありますよね」

レジー「そうですね。以前「笑っていいとも!」に上野樹里が出たときに、「初めて買ったCD」って質問で彼女が「トライセラトップス」って言ってたんですよ。そのコーナーの司会だった中居君が当然無反応の中、タモさんがぼそっと「和田君の・・・」って呟いてたんですよね」

司会者「トライセラもMステ出てましたしね」

レジー「これ確か祝日の月曜日かなんかで、ツイッターでも結構話題になったんじゃなかったかな」

司会者「くるりともすっかり仲良くなっちゃいましたしね」

レジー「あれもねえ。今のくるりの地位にすごく効いてると思いますよタモリとの関係は。最近では昔の曲流すコーナーとかも出てきてるけど、一貫して音楽そのものを主役に据えた番組構成になってるのはこういうタモさんのスタンスが結構でかいと思うんですよね」

司会者「ジャンルで区別しない懐の深さがありますよね。タコツボ化が進んでる今の時代には貴重な場ですね」

レジー「ほんとそうですね。山口一郎のトークにAKBのメンバーが後ろから「すごーい」とか「えー?」とか挟んでる絵なんて結構カオスですよ」

司会者「懐の深さゆえにいろいろ事件もありますよね。有名なところではt.A.T.u出なくてミッシェルが歌うやつとか」

レジー「これ普通に動画あるのね!知らなかった。リアルタイムで見てましたよ。いろんな意味で興奮した」



司会者「このときのミッシェルは何度見てもかっこいいですね」

レジー「あと個人的に好きなのはディルアングレイに苦情殺到事件ね。これ知らない方いたら見た方がいいですよ。なんかつべは削除されちゃったみたいだな」

司会者「クレヨンしんちゃんの流れで見てた子どもが泣いたとかそういうクレームが出たそうですね」




レジー「これも高校生の時見てたけど、確かに恐怖映像だな改めて見ると。ちなみにこれが放送された後、クラスの友達の間で「カラオケでこの曲を歌う→マイクを置いて部屋を出ていく」っていうのが流行りました」

司会者「歌番組が共通の話題になってた時代らしいエピソードです」

レジー「このときディルはメジャーデビューのタイミングでシングル3枚同時リリースだったんですよ。もっとキャッチーな曲もあったのに、一番ハードコアなのを演奏させちゃうこの番組はすごいわ」

司会者「国民的番組ということで、いろんなアーティストのラストパフォーマンスの場にもなりますよね。直近だとあっちゃんとか」

レジー「Coccoとかジュディマリとか感動的なやつがいろいろありましたね。たぶんこの先もそういう場面があるでしょう。AKB目当てで見た中学生が知らない音楽に出会う、みたいなそういう場として機能してたらいいですよね」

司会者「確かにそうですね。情報源がネットだけだと好きなものを掘り下げるだけになっちゃうけど、テレビだと良くも悪くも否応なくいろんな情報が入ってくるわけで、期せずして出会うみたいなことはテレビの方が起こりやすいかもしれないですね」

レジー「ほんとそれこそが今「テレビの歌番組」がやるべきことだと思うんですよね。ジャンル別に細かくやるんじゃなくて、いろんなジャンルで有名な人たちをがさっと一同に集めるMステみたいな番組は貴重ですよ」

司会者「最近だとフジテレビは畑違いの人たちをミックスさせる取り組みをしてますよね。僕らの音楽にせよFNS歌謡祭のコンセプト変更にせよ。どちらもちゃんと生演奏だし」

レジー「後者の方はちょっとおっさんホイホイ、ないしはおじいさんホイホイの側面が強すぎるけどね」

司会者「確かに」

レジー「まあでもフジテレビって、それこそヘイヘイヘイ全盛のころも深夜に「TK MUSIC CLAMP」で小室哲哉と一線級のミュージシャンを真面目に対談させたりしてたんですよ」

司会者「ゴールデンと深夜でフォーメーションを組んでたんですよね」

レジー「「TK MUSIC CLAMP」の中ではメジャーシーンとは異なる尺度で新しいアーティストを紹介するコーナーもありました

司会者「その流れが「FACTORY」につながってくると」

レジー「そう。いきなりヘイヘイヘイには出せないからまずはこっちのコーナーに出てもらうとかそういうチャレンジもしてたって記事を大昔に読んだ記憶があります。当時は音楽業界が儲かる分野だったから乗っかってただけって話もあるかもしれないけど、いろんな音楽にいろんな切り口で触れてもらうことでリスナーを育てていこうって意思がフジにはあったと思うんですよ。前回取り上げたヘイヘイヘイの「誰やねん?」ってコーナーもその一環だったんじゃないかな」

司会者「ちなみに「TK MUSIC CLAMP」ですが、途中1年ほど中居君が司会をやってました」

レジー「そうなんだよねえ。これほんと謎だよな。事務所の力が強かった、ってことで見なかったふりをしておきましょうか」

司会者「はい。リスナーを育てるって話でいうとNHKもそうですかね」

レジー「NHKというかEテレだね。「MUSIC JAPAN」はゲームとか多くて微妙だし。Eテレで言うと、ちょっと堅いけど坂本龍一の「スコラ」とか超いい番組だよね。また年初からやるみたいだけど。あのテイストでポップスについてもやってくれたら最高なんですが」

司会者「あとは「佐野元春のザ・ソングライターズ」ですか。これはシーズン3がちょうど始まりました」

レジー「これもコアに音楽聴いてる人じゃないと興味ないのかなあ。作品ベースで話が進むし、実際にどう作るかっていう実演もあるし、ここまで理想的な音楽の番組もないと思います」

司会者「難しいですね。良質な番組になると間口が狭まりがちになると。そろそろまとめたいんですが、内容が真っ当で、かつ誰もが入ってきやすい番組となるとやはりMステが最強なんですかねえ」

レジー「まあそれが一つの真理だとは思うんですよ。Mステ頑張れ!これ以上懐メロみたいなコーナーは増やさないでね!スペシャルのデビュー年切り口とか出身地別切り口とかはいまいちよ!と全力で応援したいと思ってます」

司会者「軽くdisも入りましたが流します」

レジー「あとはここまでの話とずれちゃうけど、結局信頼できる人が選んだ曲のPVを流し続ける番組ってのが一番いいんじゃないかっていうね」

司会者「まあ確かにそれが一番「音楽に寄り添った形」ではあるでしょうね。有料チャンネルにはたくさんそういう番組ありますが」

レジー「それはそうなんだけど、民放でそういうのがあるといいんだけどな。高校生がスペシャ入りたいって言っても無理な場合だってあるわけで。イメージは中村貴子さん時代のミュージックスクエアにアイドル系統の曲を加えた感じなんだけど」

司会者「やるとしたら深夜ですかねえ」

レジー「それでもいいと思う。あとは意外とU局にも多いんだよね。僕自身TVKのミュートマジャパンに超お世話になってたので。この前取り上げたチューインガムウィークエンドもそれで知りましたから」

司会者「今も「ミュートマ」という名前でやってるみたいですね」

レジー「そうなんですよ!引っ越して見れる環境になったので、早速毎週録画にしました。これで冒頭に挙げたようなバンドの聴き逃しも減るはず。というわけで、最強の音楽番組はTVKのミュートマということでいいですかね」

司会者「流れ的にそれでいいのかという気もしますが、長くなってしまったので一応そういうことにしておきましょうか」

レジー「タイムシフトで今まで見れてなかった番組も見れるはずなので、アップデートがあれば付け加えたいと思います」

司会者「わかりました。では次回はどうしましょうか」

レジー「いくつか候補があるんだけど、一回日本の音楽から離れるか、またアイドルの話するか、8日に見るパスピエの話するか、そんなことを考えてます。他の話題も含めて、まとまったやつからだな」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」

HEY!HEY!HEY!の終わりと歌番組の終わり

司会者「無事引越しは終わりましたか」

レジー「とりあえず居を移すことはできました。まだ段ボールまみれですけど。いやー、しかしAirMacExpressのある生活超快適だね」

司会者「あれすごいですね。無線LAN環境を作るだけじゃなくて、スピーカーとつなぐことでiPhoneに入ってる音源をそっちに飛ばせるという」

レジー「iPhoneだけじゃなくてiPadでYouTube見る場合でもそっちに音飛ばせますからね。内蔵スピーカーのチャカチャカした音とはだいぶ印象が違いますよ」

司会者「iPadも買ったんですか」

レジー「リビングのPCはiPadに統一しました。今まで使ってたノートは別の部屋にいきました」

司会者「急に環境が進化しましたね」

レジー「ほんとそうですね。あとはタイムシフト機能付きのレグザを導入しました」

司会者「何日分か勝手に録画してくれるあれですね」

レジー「民放全チャンネルは録画できないのとたまにバグが出るという難点はありますが、あれ超いいですね。ネットで話題になったシーンとか気軽に遡って確認できたり。噂のいいともにリリーフランキーが出演した回も見れました」

司会者「テレビとの接し方も大きく変わるんじゃないですか?」

レジー「そうですね。「番組編成」っていうテレビ局が独占的に握ってる機能が無効化されるわけですから。で、ちょうどそんな風に自分のメディア環境が変わったタイミングなので、今回はテレビの音楽番組に関する話でもしようかと」

司会者「わかりました。最近の音楽番組のトピックで一番大きいのは、ヘイヘイヘイの打ち切り決定のニュースでしょうか」

レジー「これねえ。最近はなんかよくわかんない番組になっててほとんど見てなかったけど、90年代に思春期を送ってきた人間としては感慨深いな」

司会者「視聴率も一ケタをさまよってたみたいですね」

レジー「まああんな内容じゃあね、とか思っちゃうんだけど。それについて2ちゃんで面白いやり取りが」

214:名無しさん@恐縮です:2012/09/18(火) 05:55:38.67 ID:aW9ERdde0
>>23
面白かったのは、次から次へとゲストに新しいバンドや歌い手を呼んでたから
あと、この番組はちゃんとライブをさせてくれるってことで、ゲスト側からの評判も良かった

ところが、しょうもない企画メインになってトークも多人数でわいわいやるタイプになり、
ゲストもあの人はいまとか、アイドルとか、韓流とか、そんなのばっかりになって、落ちぶれた


439:名無しさん@恐縮です:2012/09/18(火) 06:23:14.12 ID:U4lJm2YU0
>>214
いやその新しいバンドや歌い手を呼んでも数字がとれないから、仕方なくいまの懐メロ特集みたいな路線になったんだろ


618:名無しさん@恐縮です:2012/09/18(火) 06:46:03.54 ID:aW9ERdde0
>>439
その路線にしてもっと視聴率落ちたんだから、その過ちを認めて元に戻すべきだった
ゲストの歌とトークがメインだったのに、企画力もないのに企画に逃げるからこういうことになる

ゲストはバラエティ番組に出たいんじゃなくて、音楽番組に出たいんだから


司会者「なるほど。路線が変わった実際の理由はよくわかりませんが、確かにこの番組から生まれたスターも結構いますよね」

レジー「「誰やねん?」なんてコーナーがあったくらいだからね。ウルフルズもこのコーナー出たし、TMレボリューションもこの番組で見出されたわけで。初登場の時の松っちゃんと西川さんの絡みは相当面白かった。何者?って思った」

司会者「あとは有名なところではオザケンですね。「トイレは3つ」とか」

レジー「あれも衝撃だった。Lifeの小沢健二の回でもそのあたりのエピソードは取り上げられてましたね」

彼のエキセントリックなキャラに、ダウンタウンもノリノリで突っ込んでいたように思います。小沢「トイレ3つくらいある」松っちゃん「ウンコし放題やん!」など。思えばこの番組は電気グル―ヴピエール瀧の「無能キャラ」、エレファントカシマシ宮本の「髪をかきむしり、意味不明なことを言うキャラ」など、サブカルチャー寄りのミュージシャンにうまいキャラづけを与えていたように思います。

司会者「リスナーの方からのメールですね」

レジー「この小沢健二特集は面白いのでぜひ聴いてみてほしいです。この辺の「ミュージシャンをいじる」っていう部分についてはこちらのブログ記事「『HEY! HEY! HEY!』の終了――「Jポップ」と「ツッコミ」は一緒にやってきた」に詳しいので併読をお勧めします」

司会者「我々と世代の近い方の文章ですね」

レジー「普段の会話にヘイヘイヘイテイストが入ってきてたのは間違いないね。で、この番組はこういう「ミュージシャンいじり」だけじゃなくて、ライブも結構ちゃんとやってたんですよ。エレカシの話が出たけど、「ガストロンジャー」もリリースして早い段階でスタジオライブやってたし。ミッシェルもブランキーも出てたでしょ」

司会者「ミッシェルは確か1曲やって次にたたみかけようって感じのところでCMになっちゃった覚えが」

レジー「放送と関係なくガチの生ライブやってたんだろうね。収録のスタジオライブって形式だったがゆえに、しっかりしたパフォーマンスが行われていたんだと思います。まあでもやっぱりトークパートの面白さが語られがちだったよね昔から」

司会者「同時期に始まった「うたばん」もその路線ですよね。モー娘。とかMAXとかよくいじってましたね。ELTもそうか」

レジー「そうですね。でも当時のこの2つの番組は、音楽そのものに対する姿勢って言う点では全然違ったと思うな。ヘイヘイヘイはトークバラエティの体裁をとりつつもさっき書いたみたいに音楽をかなりしっかり扱ってたでしょ。うたばんは文字通り「トークの添え物」になってたと思う」

司会者「客前で演奏させるわけでもなかったですしねうたばんの方は」

レジー「そうそう。それに対してヘイヘイヘイのそもそもの出自は「「チャンプ」と呼ばれる1組のアーティストをじっくり取り上げる」だからね。ミスチルが「花はどこへ行った」歌ったテレビ番組なんてこれくらいでしょ」

司会者「うたばんでそういう「歴史的なパフォーマンス」ってのも記憶にないですね」

レジー「そもそも司会が中居君って時点でね。あの人音楽に対する敬意がなさすぎるから」

司会者「ただ歌が下手って話ではなくて?」

レジー「別に下手でも姿勢がちゃんとしてりゃいいけどさ、普段歌番組にSMAPとして出る時も完全に流してやってるもんね。そういうのもそうだし、司会としても何かもう上っ面なコメントしかしないじゃない」

司会者「巨人ネタ以外は全部そうじゃないですか」

レジー「それは確かにそうかも。しかしまあ何でTBSはずっと歌番組を中居君でやってるんだろうか。「カウントダウンTV」というタレントなしで成立するフォーマットを生みだすセンスのあるテレビ局とは思えない」

司会者「その中居君が出てる歌番組もいまやAKBの番組になっちゃってますが」

レジー「「火曜曲!」ね。なんか中居君とAKBが歌番組の司会者として並んでる絵はすごく象徴的な感じがしますよ。そもそも歌番組なのかすら定かではないって話もあるけど」

司会者「もう少し具体的にお願いします」

レジー「ここまで述べてきたとおり、ヘイヘイヘイもうたばんも「アーティストにキャラづけする」っていう機能があったわけじゃないですか。つまりテレビの番組側の方がアーティストよりも立場が上だったんですよね」

司会者「確かに。それを嫌って出演しないアーティストもいたそうですからね」

レジー「で、マスメディアの影響力が低下するのに合わせて音楽番組の影響力ってのも小さくなっていった現状があると思います。その一方で今一番人気のあるAKBってグループは、そういう構造と完全に無関係なんですよね。彼女たちは最近でこそテレビに出まくってるけど、1人1人の「キャラ設定」が確立する過程においては「テレビ的な“権威”」は介在していないわけですよ」

それ(注:おニャン子クラブ)に対してAKBの戦略というものはとにかく「ダダ漏れ」なんですよ。毎日劇場で公演を行い、そこに足を運んだファンたちが「大島優子はこんなキャラだ」とか「ブログで板野友美がこんなことを言っていた」とネット上に書くことによって巨大なデータベースが蓄積され、そこからキャラクターの全体像が作られていく。集合知的にメンバーのキャラクターが確立されて言っているんです。ウィキペディアでAKB主要メンバーの項目を引いて、ぜひ更新履歴を確認してみてください。

司会者「「ゼロ年代の想像力」の文庫版での宇野さんのインタビューですね」



レジー「宇野さん濱野さんが展開している「AKB論」の基本となるところです。こういう「テレビ的・お笑い番組的なキャラづけの世界」とは無関係な回路で個性を獲得して人気者になったAKBが「アーティストをキャラづけすることで優位な立場を確保していた歌番組のなれの果て」の司会をやっていて、隣りには「その当時の司会者」としての中居君がいまだに司会者として座っている、って光景からは「90年代に猛威をふるったフォーマットの完全な終わり」の匂いがプンプンしますね。うまいこと進化できなかったんだなあ、っていう感じ」

司会者「ボカロシーンみたいなテレビでは全く追えていない流れも結構なボリュームになってきてますしね」

レジー「そうですね。ボカロなんて「キャラづけする」相手すらいなくなっちゃったからね」

司会者「確かに」

レジー「単にネットでの流行りものだから取り上げられないってことだけじゃなくて、どう取り上げていいかわからないってことなんだろうなあと。ただ、そういう「キャラづけ」という手法を使った歌番組が一時流行って完全な終焉を迎えつつあるっていう流れとは関係ないところにもちゃんとした老舗歌番組があるわけですよ」

司会者「ミュージックステーションですね」

レジー「そうです。やっぱなんだかんだであの番組はすごいね。次回はその辺りの話から始めて、じゃあ今テレビの歌番組に何ができるのか、みたいなところまでいければと思ってます」

司会者「わかりました。できるだけ早めの更新を期待しています」

「桐島、部活やめるってよ」から派生した昔話

レジー「先日「桐島、部活やめるってよ」をバルト9で見ました」

司会者「混んでましたね」

レジー「混んでた。で、あの映画でいうところの沙奈みたいな感じの男女が結構いた。中森明夫氏が「若い観客らが「何これ?」「さっぱりわけわかんねーし」とか言ってて」とツイートしてたけど、この反応はそういう人らだろうね。隣で見てたカップルも途中明らかに退屈してたし」

司会者「ベボベ小出氏のツイートであったように、見る人によって感想が全く違う映画ですね。で、どうだったんですか」


レジー「超良かった。中身ペラペラな高校生を愛のある悪意をこめながら描きつつ、でもそっちの方が楽しそう…みたいな感じに見せるバランスが誠実だなと」

司会者「うおーー!!ってポイントがありつつも勧善懲悪になってないのがいいですね」

レジー「あとは橋本愛ね。あんなに可愛かったのか。「告白」のときは特に何とも思わなかったんだけど」

司会者「輝いてましたね。で、このブログは映画ブログではないので音楽の話をしていただきたいんですが」

レジー「はい。僕この映画の原作小説を2010年、ちょうど出たときに読んでるんですが、このときに固有名詞の使い方で気になるところがありまして。映画ではほとんど出てこないんですけど、「上」「下」っていうスクールカーストの位置づけと触れてる文化を対置させてるなあと」



司会者「映画だと過去の映画作品と満島ひかりくらいだったと思いますが、原作には実在のバンドや作品の名前がいろいろ出てきますね」

私は一瞬だけ外した右耳のイヤホンを元に戻し、二人ぼっちに慣れようか、と歌うチャットモンチーのかわいくてロックな世界に戻る。

レジー「女友達に微妙なコンプレックスを感じながらも好きな男の子が気になってる亜矢の章にはチャットモンチーの描写がたびたび出てきます。一緒に出てくるのはaikoで、切ない恋心を表現するアイテムとして使われています」

司会者「いわゆるロック批評だとこの2つのアーティストが並び立つことってあんまない気がしますが、こういう聴かれ方が実態に近いんですかね」

レジー「あとは映画部の面々の「サブカル」な感じを伝える固有名詞とか」

「お前ジョゼばっかり観すぎやって」
「いや!涼也あのコメンタリー見たことある?あれ観たらやっぱ絶対映画って素敵やって思えるから!」
・・・
「『メゾン・ド・ヒミコ』もよかったし、やっぱ犬童一心最高!」


司会者「この2人はキネマ旬報買ったり岩井俊二を絶賛したり週間真木よう子について話したり、そっち側の文化圏の人だなあという感じがすごくわかりますね」

レジー「で、個人的に気になった部分はここ。チャラチャラした「上」グループの男子の会話」

「何聴いとん?」とiPodを覗き込んだ友弘が、「俺が貸したやつやん!ラッドウィンプスやん!歌詞めっちゃいいやろ?」と一気にテンションをあげてしまう。正直歌詞はあんまり頭に入ってきていなかった。「何聴いとったん?三曲目?これめっちゃいいよなー!」友弘は、目を輝かせてめっちゃいい、めっちゃいい、を連発する。

司会者「ラッドのアルバム聴いてるのか。この小説は2009年以前に書かれてるはずだから「RADWIMPS」から「RADWIMPS4」までのどれか、一般的な認知度から考えると「3」か「4」ですかね」

レジー「「3」の3曲目が「イーディーピー 〜飛んで火に入る夏の君〜」だからこっちのような気がするな。で、当時28歳だった僕がこれ読んでへえと思ったのは、こういう「上」の人たちを象徴する固有名詞として出てくるのがEXILEでもあゆでもなければミスチルでもラルクでもなくて「ザ・ロキノン系」のラッドだったってところなんですね。この感じは2011年に公開された映画「劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ」でも思ったことで」



司会者「「桐島」と同じく進学校が舞台で、軽い感じの男の子がかまってちゃんを彼女に勧めてるんですよね」

レジー「この男の子を評したライムスター宇多丸のコメントが秀逸

思春期にしかモテない男。なんかこう、たいしてうまくもないバスケやって、一応流行りものもおさえてるみたいな。つまんねーんだお前、っていう(笑)お前なんかすぐモテなくなんだバカ野郎、みたいな。

司会者「おもしろい」

レジー「「桐島」でも「かまってちゃん」でも、「進学校のリア充」が自意識ロックを消費してる様が描かれていると。もうすぐ31になるおじさんからすると不思議な感じがします」

司会者「おじさんが高校生のころはどうだったんですか」

レジー「おい、おじさんって言うなよ」

司会者「(自分で言ってたのに・・・)失礼しました。都内のバリバリ進学系男子校だとどんな感じだったんでしょうか」

レジー「結局この手のスクールカースト話って「学内でいけてる男子/女子と仲良くできるか」ってところに帰結すると思うので、異性から隔絶されてた男子校でそういうの感じたことはないんですよ。ただ、趣味嗜好によるグループはありましたよ。周辺の女子高と池袋で遊んでる派手な連中もいれば、今ほどメジャーカルチャーではなかったアニメにどっぷりな人たちもいたし」

司会者「そういう区分けと聴いてる音楽って何か関係はあったんですか」

レジー「あくまでも印象論なんだけど、たとえば当時出てきた中村一義、ナンバーガール、くるり、スーパーカーみたいな音楽って、さっき言った「派手」グループは聴いてなかったと思うんですよね」

司会者「ほう」

レジー「90年代後半ってこういうバンドとともに「JAPAN的な文化」が勢力を広げていく時期だと思うんだけど、うちの学校・学年に限って言うとそれを推進してたのって「もちろん異性には興味があるけどそこには特化しない、音楽とかそういうところで大人ぶりたい」みたいな感じの人たちだった気がします。僕高2のとき豊洲のフジロックに学校の友達と行って「周り大人ばっかだ・・・」とかひよってたら同じ学校の同級生と会ったりして。「派手」グループとは個人的に接点もあったりして女の子と絡むこともゼロではないけど、そことはちょっと違う世界で生きてる、そんな人が今で言う「ロキノン系」の音楽を聴いてたと思う。もちろん例外はあると思いますよ。あくまでも傾向の話です。ミュージックスクエアとミュートマジャパンで情報収集してたのが懐かしいですね」

司会者「なるほど。ではその「派手」グループは何を聴いてたんでしょうか。ビジュアル系?」

レジー「みんなカラオケではGLAYとラルクでしたけど、ここの文化圏がメロコアと重なり合ってくるわけですよ」

司会者「特にハイスタね」

レジー「そうそう。「東京ストリートニュース」って雑誌があって」

司会者「最近1号だけ復刊したらしいですね」



レジー「これは読んでないんですが、派手な男子女子が読者モデルとして出てて。うちの学校のやつも出てたな。特定の学校の指定カバンが人気出て高値で売れるとか何だったんだろうか。今もあの文化あるのかな。で、「メロコアが熱い!」みたいな打ち出しをしてたんですよね」

司会者「かつて読者モデルで今では有名俳優の彼もそういうの好きだったみたいですね」


レジー「「いけてる高校生はこういうの聴いてます」的な空気になってたことを象徴的に表してます。彼らの「聴くべきアーカイブ」にはいわゆる「98年組」はおそらく入っていない。こういうムードの中で高校生を過ごしていた感覚からすると、宇多丸が言うところの「思春期しかモテない男」がラッドやかまってちゃんを「いいね!」しちゃう感じはピンとこないんですよね。クラスターが違うんじゃないかっていう」

司会者「いけてる若者を象徴する音楽が「メロコア」から「ロキノン系」に置き換わったってことですかね。例によって「何がロキノン系か」問題は勃発しますが」

レジー「「桐島」の原作では、高校だと「下」に属している涼也は中学では比較的「上」の人だったという設定で、彼の中学時代のシーンにはハイスタが登場してるんですよ。だから「置換」というよりも「拡張」の方が正しいかなあとも思います」

司会者「最近だとアイドルがはやってますがこの部分にも食い込んでくるんですかね」

レジー「どうなんですかね?ここは全然肌感覚がないなー。この前たまたま赤坂でpaletのフリーライブに遭遇したんだけど、特にオタクっぽくない10代と思しき男の子がいっぱいいました。ただ、売れる前のアイドルを追いかけてるよりも「9mmいいよね!」の方がモテそうな感じがするのはなぜだろう」

司会者「確かに。長くなってきたのでぼちぼち終わりたいのですが、「自意識ロックをリア充が消費する」って話はどこかで聞いたことがある気が」

レジー「そうですね。先日来さんざん語っている「RIJのリア充化」の話とも絡んでくる部分かと。これまでのエントリーでは「フェスそのものの「夏のイベント」化」って観点から論じていましたが、「鳴ってる音楽そのものの受容のされ方」ってのも変わってるわけですね。ここは深い問題だと思うので、チャートとか見ながらちゃんと掘り下げたいんだけど」

司会者「しかしそういう流れがあるんだとすると、「つながれない僕らの日常を照らす」みたいなJAPAN的クリシェはいまや完全に無効化されてることになりますよね」

レジー「ほんとそう思うんですが、こういうこと書くと「俺は救われてる!」みたいな反応がありそうだな。もちろんそれを否定するつもりはないんですが、ロック以外の音楽、たとえば「サイタマノラッパー」とか「サウダーヂ」とか、「自意識がどうとかいうレベルじゃなくて本当に救いのない若者×ヒップホップ」っていう組み合わせであれだけすさまじい表現が生まれていることと比較すると、日本におけるロックってのは「ガチでピンチの若者が聴く音楽」ではないのかなあとか思っちゃいますね」





司会者「「サイタマノラッパー」を撮ってる入江悠監督が、「劇場版神聖かまってちゃん」ではロックをリア充兄ちゃんのツールとして扱ってるのが示唆的ですね」

レジー「そうそう。まあでもこの辺はおじさんの想像でしかないから、読んでくださった若い方、特に大学生くらいまでの方から実態を教えていただきたいですね。高校のときを思い出したとき、クラスの「上」「下」のグループで聴いてる音楽が違うのかみたいな話。「音楽はグループ格差に影響するような重要な文化じゃねーよ」ってのが真理なのかもしれないし」

司会者「もちろん現役の高校生の方もいらっしゃれば、何かあればぜひ。では次回はどうしましょうか」

レジー「そうですねえ。この前紹介した「MARQUEE」のアイドル特集と「ミュージックマガジン」の「アイドル・ソング・クロニクル」を買ったのでその辺の内容について書くかも。でもまだ構想はないので何か思いついたら違うこと書きます」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」

音楽メディアユーザー実態調査2 -盗人猛々しい?

司会者「現在のBGMはこちらのプレイリストです」

レジー「ツイッターでやってた「この20年の20曲」がやっと完成したので、その曲でプレイリストを作りました。てかYouTubeの音源プレイリストにできるサイトがあるとは知らなかった。すげえ便利」

司会者「ツイッター見ていただいている方はご存知かと思いますが、まず50曲を選んで、その後20曲に絞ったと」

レジー「面白かったけど相当ハードでした。思い出さなくていいこと思い出したり」

司会者「この50曲についても別途お話しいただきたいのですが、まずは前回からの積み残しの話題を終わらせたいと思います。音楽メディア実態ユーザー調査についてですね。スマホユーザーという切り口に関して、ということだったと思いますが」

レジー「はい。まずその話題の前提として、「ここ数年で音楽に金かける人そのものが減ってますよね」という部分を押さえておきたいと思います。この報告書の冒頭には、「市場概要」としてどんな音楽の聴き方にお金を払っているかについての記述があります」

司会者「具体的には「CD購入・レンタル利用・インターネット有料音楽配信」の3つの利用状況ですね。それぞれのダブり等の数字も載っています」

レジー「今手元には2011年版と2007年版を紙に出力したものがあります。07年を選んだことに特に意味はありません。この2年について「CD購入・レンタル利用・インターネット有料音楽配信」の3つの利用状況をダブりのないように計算すると、3つのうちいずれかを使った人の割合は

07年 57.0%
11年 47.4%

となります。今の時代、世の中の半分の人は音楽にお金を払わない」

司会者「結構な低下率ですね」

レジー「それでも、逆に言えばまだ半分近い人は音楽にお金を使っている、という言い方もできるかもしれません。で、その「半分近い人」の中で、特に熱心にお金を払ってくれている層の切り口として、この調査では「スマホユーザー」をあげています」

司会者「性年代で言うと男女の大学生・専門学生、20代~40代の男性、20代の女性が多めですね。学生とビジネスパーソンが中心って感じでしょうか」

レジー「スマホユーザーは、ガラケー・PHSユーザーよりもひと月の音楽に関する支出が1.8倍もあります。グラフ上の目視では、パッケージ購入やライブに関する金額に差がありそうです」

司会者「配信にかける金額が圧倒的に高いとかそういうわけではないんですね」

レジー「そうですね。「パッケージ買ってライブに行く」という従来通りの「良い音楽ユーザー」像がイメージされます」

司会者「じゃあこの人たちをもっと大事にするのが音楽業界にとっては大事ですかね。間口の再拡大を目指す必要もあるけど、まずは優良顧客に対して丁寧に接すると」

レジー「普通はそう考えますよね。しかしなぜかこの報告書では、ここから「なぜこの人たちが音楽を買わないのか」ということについての記述が始まります」

司会者「え?買ってくれてる人たちなのに?」

レジー「「新たに知った曲を購入しなかった理由」というページのリード文はこんな感じです」

■音楽の購入に至らなかった理由についてみると、スマートフォン保有層では動画サイト等の視聴が購買行動を代替している傾向が特に強い。
■スマートフォンそのものによる影響は全体的に小さいものの、「無料で音楽を楽しめるアプリが豊富にあるので」(約8%)といった理由は無視できない。


司会者「無視できないって・・・」

レジー「ちゃんとお金払う傾向のある人たちに対してすらこの態度ですよ。「無料で音楽を楽しんでる不届きな奴ら」というスタンスが零れ落ちちゃってます。一つ目の文章は「購入しなくても好きな時に聴取できた(YouTube等を使って)ため購入しなかった」って回答がガラケー・PHSユーザーを大きく上回っていたが故のものです。確かに、「何で買わなかったの?」って聞かれたら「いやーつべでいつでも見れるしいいじゃないですかー」ってなりますわ。ただ、ここで見落としちゃいけないのは、この人は「その曲を聴くためにわざわざYouTubeにアクセスしてる」ってことですよ」

司会者「音楽に対して能動的な行動を起こしてるわけですよね。この瞬間はお金を払っていないにせよ」

レジー「その通りです。ここで見た動画がきっかけで他のアーティストを聴くきっかけになるかもしれないし、生で見てみたいと思ってライブに行くかもしれない。この「購入せずに聴いた」という行動がいろいろな音楽体験の入口なる可能性は決して低くない。それなのに、音楽業界はこういう行動を「お金払わないなんて!この盗人が!」になっちゃうんですよね。繰り返しますが、この層は音楽への関与が高くてよくお金を払っている人たちです」

司会者「『フリー』とか読んで勉強しなおした方がいいんじゃないですかね。この報告書書いた人も発注した人も」

レジー「「動画サイト等の視聴が購買行動を代替している」って言うなら、この人たちが音楽に全く金かけてないって事実がないと通りませんわな。逆にお金落としてる層なんだから、「動画サイト等の視聴」は「代替」じゃなくて「有料視聴へのきっかけ」になってる方が強いと捉えた方がいいんじゃないですかね。「ネットがなければこいつらもっとお金使ってるはず」ってのはちょっと都合が良すぎるんじゃないかなあ」

司会者「確かに。ではぼちぼちまとめに入りたいと思いますが・・・しかしまあなんでこういうおかしな見方をしてしまうのでしょうか」

レジー「たぶんバブってた時代を忘れられないんでしょうね。それは市場規模のこともそうだし、ポップミュージックというものの位置づけについても。「無料で聴ける音楽がなくなればみんな有料に来るはず」って発想は、「何とかして音楽を聴かないといけない」という前提に立ってますよね。たぶんもうその考え方が通用しないんだと思う。昔、と言っても10年か15年くらい前の近い昔ですが、その頃はポップミュージックってのはある意味「必修科目」だったんですよね。カラオケでのコミュニケーションみたいなことを含めて。でも今は「選択科目」になってるのが実情でしょう。別に音楽聴かなくたって困らない時代になったんですよ」

司会者「必修科目と選択科目」

レジー「そこの認識を間違ってるから、自主的に履修してくれてる人たちまで目の敵にしちゃうんじゃないかな。こっちの思惑通りに動かない奴は許さない的な」

司会者「その辺はちょっと前に拡散されてたライターの柴那典さんのブログにも書かれていましたね」

コンテンツビジネスを保護する立場の人間が、ユーザーを犯罪者予備軍としてしか見ていないということだ。そしてこれは、実際にCDを買ってほしいと思い、価値があると思って現場で音楽を作っているミュージシャンの心意気を踏みにじる言葉でもあると思う。端的に言って、ユーザーのことをここまで敵扱いする商売が成功すると思う人の気がしれない。

レジー「もうこれはほんとその通り。まずはここの考え方を変えないと。犯罪者予備軍と思われても音楽を聴き続けたい中毒者なんて、ほんと一握りだと思いますよ。360度ビジネスなんて言ったって、そもそも関与の高い人じゃないとライブには来ないんだから。いかに音楽との接点を増やすかってことを考えないといけないのに、そのための最大のツールであるネットを悪者にしてしまうセンスのなさにはほんと呆れますよ」

司会者「ライブのUSTが増えてきたりとか、プレーヤー単体では「タダ」と「有料」をいかに組み合わせるか、もしくはネットとリアルをいかに融合させるかみたいなトライが各所で始まってますよね。お役所の方々がそういう動きの足を引っ張るようなことがないようにしてほしいですね」

レジー「心からそう思います」

司会者「それではこのあたりでこの話題は終わりたいと思います。次回のネタのイメージはありますか?」

レジー「これから考えますが、だいぶ開催が迫ってきたしロックインジャパンの話とかしようかなあ。ぜんぜん違う話かもしれませんが。もうちょっと字数少なめで細かく更新できる企画も作りたいなと思ってるところです」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」

音楽メディアユーザー実態調査1 -「日本のロック」って何よ?という話

司会者「さて、それでは前回の予告通り、日本レコード協会が公開している「音楽メディアユーザー実態調査」の2011年度結果についてのお話をいただけると」

レジー「困りました」

司会者「何がですか?」

レジー「多少予想していたところではあるのですが、これ非常に分かりづらい調査ですね。ひどい」

司会者「ブログ始めたばっかりにしていきなりネタ切れ感を出されても…」

レジー「いや、これほんといまいちですよ。公開情報がいまいちなだけで実際はもっとまともな分析があるってならいいんですけど、質問を見る限りはこういう表層的な分析が並んでるだけだろうなあ」

司会者「実際に調査を企画してるのは有名なシンクタンクですね。あえてここでは名前は書きませんが」

レジー「ここはお役所系の音楽関連の話に食い込んでるっぽいですね。08年に経産省がやってた「音楽産業のビジネスモデル研究会」ってのもこのシンクタンクです。さらに言うと04年あたりのレコード輸入権の話も、ここが音頭とってたみたいですね」

司会者「「音楽産業のビジネスモデル研究会」については報告書が公開されてますが、いかにも頭のいい人が作ったって感じの内容ですね」

レジー「体温が全くない。「ビジネスモデル」の話だから仕方ないのかもしれないけど、あまりにも受容者、つまりリスナーの話が抜けてるのがもうね。結局この手の話って「CDが売れなくなった!さあどうする?」って感じになりがちだけど、「売れなくなった」ということは一方には「買わなくなった人」がいるはずなのにそこへの言及がないんですよね。100万枚売れたってのは、1枚を買う人が100万人いるってこと、複数購買を考えても数10万人いるってことですよ。で、その人らが買わなくなったのにはいろんな理由が絡み合ってるわけで。そういう視点なく「ひと山100万枚」みたいな発想をしてる限り、問題の本質には一生たどりつけないと思いますよ」

司会者「早速結論めいた話になってしまいましたが、ほんとにこの調査報告書からは何も言うことないんですか?もうちょっと考えてくださいよ」

レジー「気になったことはいくつかありましたよ」

司会者「じゃあその辺お願いします」

レジー「まず、ポップとロックの違いって何?ってことです」

司会者「(また答えの出なさそうな話だな・・・)はい」

レジー「この調査、最近買ったCDのジャンルを聴いてるんですけど、そのジャンルの分け方にまず引っかかってしまった。日本の音楽を想定してそうなものだけでも、

演歌・歌謡曲
日本のポップス
日本のアイドルミュージック
ニューミュージック・フォークソング
日本のロック
日本のソウル・R&B
日本のダンスミュージック(ディスコ・ハウス・テクノ)
日本のラップ・ヒップホップ
日本のジャズ・フュージョン
アニメ音楽(映画/テレビ/ビデオアニメ)
ゲーム音楽
インディーズ

この12個あります」

司会者「アイドルは別出しになってるんですね」

レジー「2010年から作った選択肢だそうです。チャート上位がアイドルばっかりになってきたことへの対処でしょうね。まあそれはいいとして、たとえばミスチルを買った人はどれを選べばいいんでしょうか。ロック?ポップ?もしくは安室ちゃん買った人は?ポップ?R&B?」

司会者「確かによくわからないですね」

レジー「調査票には具体的なアーティスト名を出した注釈がついていたのかもしれませんが、おそらく全てのアーティストを事前に仕分けておくのは無理ですよね。いや、何でこんなこと言ってるのかというとね、「日本のロック」のアルバムをよく買ってるのは男子大学生・専門学生、あと30代男性と20代女性ってのが出てるんですよ」

司会者「前者がバンプエルレあたりをティーンのころに聴いて今は9mmだテレフォンズだって言ってひたちなかで騒いでる人たち、後者は90年代から引き続きその手の音楽を聴いてる人たちっていう構図が何となく頭に浮かびますね」

レジー「僕も最初そう思ったんですよ。でもね、この区分けだと「ロック」に何入ってるかわからないでしょ。この調査は8月と10月にやってて、半年間での購入経験を聞いてます。で、その範囲に入る2011年の2月から10月の間でよく売れたアルバム、ここでは仮にこの期間内に発売されていて年間トップ40に入ったものとしましょう。それをオリコンチャートで見てみると、「日本のロック」と呼ばれる可能性がありそうなものは以下の5作品です。

11位 C’mon/B’z
14位 Mind Travel/Superfly
17位 COSMONAUT/BUMP OF CHIKEN
25位 絶体絶命/RADWIMPS
36位 SENSE/Mr.Children

当然のことながら、9mmもテレフォンズも入りません」

司会者「これが調査期間中によく売れた日本のロックアルバムだとすると、さっきの仮説をもろにあてはめるのは危険かもしれませんね。大学生めっちゃB’z聴いてるのかもしれないし」

レジー「もっとも、ここにバンプとラッドが入ってきてるわけで、おそらく彼らの主支持層は大学生とかそのあたりだと思うし、バンプファンやラッドファンの一定数はJAPAN界隈のバンド好きでしょうから、そこまで懐疑的に考える必要もないのかもしれないけど」

司会者「いずれにせよ、解釈の幅が著しく広い調査になってしまってることは間違いないですね」

レジー「そうなんですよ。これはJAPANがある種の「ロック認定」的なことをやってきた弊害なのかもしれないけど、単に「日本のポップ/日本のロック」みたいな切り方をしちゃうとわからないことが多すぎるんですよね。
ロックと言っても、

・ミスチルみたいにポップソング産業として成立してるけど「あれはロックだ!」とか言われがちなもの
・B’zみたいにスタイルとしてはロックだけど「あれはロックじゃない!」とか言う人が一定層いるもの
・バンプみたいにある種オルタナティブなところから出てきたけど、いまやある世代以下ではど真ん中になってるもの
・9mmみたいにまさに今オルタナティブな場所で支持を拡大しているもの
・Perfumeみたいに「存在がロック」的なよくわからない捉え方をされているもの

まあ何かこんな風にいろいろありますよね。これを「ロック聴いてますか」って質問で片付けるのはものすごく乱暴だと思います」

司会者「オルタナティブという概念自体ももう死んでますしね」

レジー「そうですね。そういう意味では9mmが「今オルタナティブな場所で」ってのは不適切かもしれない。Mステ見てる人にはわからないってくらいの意味で・・・いや、でもMステも最近Young Gunsとかって言って世界の終わり出したりしてるしな。あ、そもそも9mmも2010年にMステに出てるのか。そのくらい混沌としてるってことです。そういう時代に合った尺度を作ってこういう調査しないと、現状把握すらままならない。で、その尺度をお役所仕事で作るのは無理」

司会者「結局最初のシンクタンクdisに戻りましたね。気になったことはいくつか、って話でしたが1つめだけでずいぶん時間をとってしまったので、他の論点は次回にしましょうか」

レジー「そうですね。ここで言えることだけ言っちゃうと、いまやみんなCDプレーヤーじゃなくてPCで音楽聴くのが主流なんだなーとか、アイドルのCD買ってるのは男性よりも女性のが多くて、おそらく女子中高生はジャニーズもAKBもどっちも楽しんでるんだろうなーとか。この辺は単純に数字見ての感想です」

司会者「なるほど。では次回に積み残す話のさわりだけでも軽く教えていただけると」

レジー「この調査は「スマホユーザー」ってのを切り出して分析しているので、そこについての話をしたいと思います。どうにかして音楽ユーザーを悪者にしようとしてる雰囲気があるので、そのあたり物申したい」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」
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