レジーのブログ(旧)

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アイドルと自意識、アイドルの自意識10 - 『アイドルのいる暮らし』を読んで、ひめキュンと9nineについて考えた

レジー「ゴールデンウィークに『アイドルのいる暮らし』を読みました」



司会者「サポティスタを運営している岡田康宏さんの本です」

レジー「岡田さんこの前フォローしていただいたんだけど、僕自身はずっと前からサッカーつながりでフォローしてたのでアイドルの話するのはなんか不思議な感じだった」

司会者「岡田さん的にはサッカーとアイドルはリンクしているものとして捉えているとのことです」







レジー「パフォーマンスをする側と見る側の関係性って部分で重なるところが多いんだろうね。で、この本すごい面白かったです」

司会者「元はタワーレコードのサイトに連載として載っていて、それをまとめたものですね」

レジー「書籍版として追加でタワレコの嶺脇社長のインタビューも載ってます。嶺脇さんはコアなアイドルファンとして有名ですが、こんなことを言っていますね」

BABYMETALとさくら学院が一緒のカテゴリーになる音楽のジャンルって、ないでしょ。
(中略)
アイドルも可愛い女の子が歌って踊っていれば、そこにどんな音楽がはまっても成立するんです。多様な音楽に合わせてかわいい子たちが歌って踊っているのを見るのは新鮮だし、刺激的だし、楽しい。これまでいろいろと音楽を聴いてきたけれど、ここ10年、これほどおもしろいジャンルはなかったと思います。


司会者「長く音楽を聴いてる人たちがアイドルに流れている現象をわかりやすくまとめている発言ですね」

レジー「うん。この本の全体の内容についてはこんな感じです」

本書は地に足の着いた現代のアイドルファンの実態を伝えるルポタージュであり、10人のアイドルファンそれぞれの視点から見たアイドル文化史であり、また様々なスタイルのファンが自身の楽しみ方を披露する、アイドルの楽しみ方の見本市でもあります。

司会者「なるほど」

レジー「なんかいまだに「アイドルヲタ」とか言うとちょっと蔑称だったりするムードもあるわけじゃないですか。特にマスメディアだと「なんか気持ち悪そう!1枚のCD100枚も買うとか変人!全く理解できない!」ってアングルでしか取り上げないから」

司会者「あからさまに悪意のあるケースとかありますよね」

レジー「この本を読むと、そういう人たちの背景にはちゃんとした生活があるってことがよくわかります。地方遠征をするために仕事をどうやって調整しているかとか、ライフステージの移り変わりに伴うアイドルとの距離感の変化とか」

司会者「みなさん仕事もしてるし子どもいたりもするわけで、その中でそれぞれが自分なりのアイドルとの関わり方を見つけてるんですね」

レジー「そういうふうに「アイドルファン」を立体的に捉えてるのがすごく誠実だなと思いました」

司会者「中には実際にアイドルと付き合ってしまったなんて人も登場します」

レジー「あれすごいよね。で、それを受けての発言が深すぎる」

アイドルオタとしてガンガン行きたいと思っていて、誰も到達していないところに一足先にたどり着いたつもりだったんだけど、そこはゴールじゃなかったんだよね。

司会者「もう未知の領域すぎてわからないですね」

レジー「こんな感じの衝撃的な話もあれば、「会社員やりながら趣味を持つってこういうことだよね」みたいに勉強になる部分もあり、ほんと多くの人に読んでほしい本だなあと思いました」

司会者「この本には嶺脇社長含めて10人のアイドルファンが登場しますが、そのうちの1人のガリバーさんはこのブログを読んでいただいているとのこと」

レジー「ありがとうございます。ガリバーさんは今は特にひめキュンフルーツ缶が好きとのことです」

司会者「愛媛のグループですね」

レジー「実際に松山に足を運んで、そこでファンやスタッフの方と交流したり、松山も街自体を好きになっていく様子が語られていて、何かいい話だなあと」

司会者「話の中でガリバーさんはチャットモンチーも好きってのが明かされていますね」

レジー「ね。これはなるほどなあと思いました。この前ウィークエンドシャッフルのアイドルソング特集に出てたベボベ小出さんが「ひめキュンは2000年代の邦楽ロックっぽいかっこよさがある、ちょっとアジカンみたい」なんてことを言ってまして。その話とつながりました」

司会者「小出さんが紹介してたのがこの『iの奇跡』という曲です」



レジー「『ループ&ループ』なんて曲もあるしアジカン好きなスタッフがいるのかな。これも最初のギターの感じとか邦ロック的なものを感じるね」



司会者「意外とこういうロキノン感のある音ってアイドルシーンにないですよね」

レジー「そうね。あんま思いつかないけどどうなんだろ。BiSもPASSPO☆もロック風味ではあるけどちょっと違うよね」

司会者「男性アイドルだとエイトレンジャーの曲とかありましたが」


120725 1番ソングSHOW エイトレンジャー ER (関ジャニ... 投稿者 cocobaco

レジー「なんかあれはよく研究してるなあって感じがした。女性アイドルだとないよねえ。僕の理想として、宮崎あおいがやった『ソラニン』みたいな感じの曲をやるアイドルが出てきてほしいなあと常々思ってるんですが」



司会者「これいつ見てもグッときますね」

レジー「ロックテイストの曲をやってるアイドルはたくさんあるんだけど、なんか背景にあるのが「盛り上がればそれでよし」ってのが多くてどうも退屈だったりするんだよね。『ソラニン』みたいな曲ってのは、歌詞とかアレンジとか含めてもっとリリカルな感じのロックを歌う人らっていないのかなあって意味なんだけど。ひめキュンはもしかしたらそこに近い存在なのかもしれない。前見た時はアッパーなノリが気になってそんなに印象ないんだけど、また機会があればちゃんと見たいな」

司会者「そんなガリバーさんですが、先日なんばHatchで9nineのライブを見たとツイートしてました」




レジー「僕も6日にゼップ東京で見たんですけど、この感想には超共感です」

司会者「初9nineどうでしたか」

レジー「昼夜2回公演で、僕は昼の方に行ったんですけど。ゼップ2回回しとかそんな客はいるのかなって思ったら、一番後ろのブロックは入れてなかったね。前方に女性子ども限定のエリアがあったり、終演後にメンバーのお見送りがあったりいろいろ新しい体験をしました」

司会者「メンバーのお見送りとは」

レジー「いや、文字通りお見送りですよ。終演後にメンバーが会場の出口に並んで帰っていく観客に手を振ってるわけですよ。あれ普通のバンドもやればいいのにね。AKBのライブで影アナをメンバーがやるとかもそうだけど、なんだかんだでアイドルの人たちはライブでお客さんを喜ばせるための工夫をいろいろしてるよね」

司会者「周辺の話は分かりましたが、実際のステージはどうでしたか」

レジー「いやー予想以上に良かった。僕の大好きな『CANDY』もやりましたよ。生で見ると余計に曲のかわいさが際立つ」



司会者「気になったメンバーとかいれば」

レジー「最初はメンバーの名前と顔が全員は一致してないくらいの状況だったんですけど、見てるうちにひろろにくぎ付けになりました」

司会者「村田寛奈ちゃん、通称ひろろ」

レジー「踊りが一番良かった気がする。すごい目を引いた。ひじの上げ方がかっこいいね。で、ガリバーさんのツイートにもあったけど、この人たちは余計な演出とかなしでしっかり踊ってしっかり歌うってことを忠実にやってるわけですよ。ものすごく真っ当なステージをやってて感心しました。それと同時に、「あ、こういう感じの人たちなのね」とちょっと意外にも思いました」

司会者「世の中的にもあんまそういう見られ方してないですよね。そもそもまだ認知度が低いってこともあるのかもしれませんが」

レジー「川島海荷とかあーちゃんの妹とか、話題を作れるメンバーがいたりするのにどうにも地味だよね。あとは「川島海荷が女優業の片手間でやってるグループ」みたいな伝わり方してる部分もあるかもしれない。ステージ見たらそんな誤解吹っ飛ぶよほんとに」

司会者「世間的なフォーカスが定まってないから、有名なメンバーがいたとしても広まっていかない部分があるのかもしれませんね」

レジー「うん。この人たちはSPEED~Perfumeの系譜で語った方がすっきりするんだよねたぶん。しっかりしたダンストラックでちゃんと踊る人たち」

司会者「なるほど」

レジー「なんか最近「アイドル戦国時代」を語る文脈が「おニャン子→モー娘。→AKB」っていう「舞台裏の見せ方がどんどんガチのドキュメンタリーになっていく」という話で固定化されつつある感じがするんだけど、この間にはそれぞれSPEEDとPerfumeがいて、「女の子がニコニコしてればパフォーマンスしょぼくてもOK」っていうイデオロギーをぶっ潰してるんですよね。そういうスキル主義的な部分を受け継いでるのが9nineだったり女子流だったりするわけですよ」

司会者「確かに女子流も同系統ですね」

レジー「僕初めて女子流を生で見た時「うわ、SPEEDみたい!」って思った記憶があるんだけど、9nineにも同じにおいを感じたな。どっちもパフォーマンスしっかりしてるし、曲だってちゃんとした人たちが作ってる一級品のものだし」



司会者「そう考えると、女子流も9nineもセールス的な部分と実力にかなりギャップがあるんですかね」

レジー「ほんとそうなんですよね。で、このまままとめに入っていきたいんですけど。ちょっと前のエントリーでアイドルとストーリーみたいな話をしたんですけど、その土俵での戦いで言うと9nineも女子流もももクロとかでんぱ組には惨敗してるわけですよ」

司会者「ももクロやでんぱ組が「いろんな人が乗れる物語」をある種あざとく提示して支持を集めていっている一方で、9nineや女子流はそのあたりの仕組みが弱いと」

レジー「僕としては好きなのはどっちかと問われたら完全に9nineや女子流の方なんですよね。炎上マーケティングみたいなことしないのも品があっていいし、やってる音楽も「盛り上げ上等」みたいな話じゃなくてちゃんと思想が感じられます。でもそれだと多くの人が振り向いてくれないっていう辛い現状があるわけで」

司会者「曲がいいだけでは売れないって話はトマパイが身を持って立証した形になってますからねえ」

レジー「それはそうなんですが、9nineや女子流は曲の良さに身体性も精神性も伴ってるわけじゃないですか。トマパイの解散ライブDVD見たんだけど、確かにあれひどいよ。踊りも下手だし覇気もないし、曲が最高だってあれじゃ続かんわなと思って悲しい気持ちになったんだけど」



司会者「そこまで言いますか」

レジー「チケットとれなかった逆恨みも入ってるけど、わりと本音です。で、トマパイみたいな歪な構造じゃなくて、歌も踊りも真っ当に、というか結構なハイクオリティでやってる人たちが見向きもされない、話題作ってがちゃがちゃやればみんな興味を持つ、って状況はあんまり健全じゃないよなあと思ってしまうのが正直なところですね。フェスの話でもよく出てくる「音楽がないがしろにされている状況」ってのがアイドルシーンにおいても顕在化しているってのは否めないよねと」

司会者「うーん」

レジー「まあでもこれってシビアに見ると時代の流れってことなのかもしれない。音楽はあくまでも「アイドルというコミュニケーションコンテンツ」の添え物であると。僕にできるのは、こういう流れに対して気に入らねーなってチクチクやってくことくらいなので。とりあえず皆さん9nineのアルバム聴いてみてくださいね。tofubeatsの曲も入ってるし面白いですよ」



司会者「わかりました。では今回はこの辺にしておきましょう。次回はどうしますか」

レジー「そうですね、ちょっといくつかネタはあるんですが。この前やった90s企画も仕込んでるところなので、タイミングが合えば」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」

アイドルと自意識、アイドルの自意識9 - アイドルにとって「楽曲」とは何か? SKE48とSMAPとソウルミュージック

レジー「先日TBSラジオで放送された秋元康宇多丸対談を聴きました」

司会者「YouTubeにまるまるあがってたのは削除されちゃったみたいですね。今はポッドキャストで聴けます

レジー「もちろん全てを吐露したわけじゃないだろうけど、本音も含まれてたような気もします」

司会者「何でも狙ってると言われるのが辛い、ってまあそりゃそうですよね。そしてあの対談すらも「狙ってる」と言われるでしょうし」

レジー「「商法」としてやるならもっと違うやり方があるってのもほんとそうなんだろうね。この前BSでやってたドキュメンタリーも見たけど、たぶんあの人あそこまで身を削らなくてもお金なんて儲けられるよ。そもそももう十分あるだろうし」

司会者「「秋元はAKBを使って儲ける金の亡者」みたいな話はやっぱり的外れですね」

レジー「それゆえの不気味さってのもあるけどね。じゃあ何が彼をあんなに駆動させるのか、みたいな。とにかく刺激がほしいっていうシャブ中体質の人なんだと思います」

司会者「ちょうど先日ブログで取り上げたノースリーブスのコンポーザーの人選についても言及してましたね。実験的にやってみたと」

レジー「ここはやっぱりねって感じでした。しかしまああれだけ面白いメンツ集めたのに大して話題になってないよね。みんな「AKBだから」ってのでバイアスかけすぎなんじゃなかろうか。ももクロで同じことやったら大騒ぎが起こりそうなのにね」

司会者「48関連の楽曲で言うと、SKEの「チョコの奴隷」がバレンタイン以降もロングヒットを続けてます」



レジー「いやーこれ超いい曲じゃないか。どストライクなんですけど」

司会者「ちょっと昔のモー娘。を思わせるようなところもありますね」

レジー「そうね。モー娘。の音がある種「先鋭化」していってる中で、48界隈からこういう世界観が出てくるのは面白いね。「真夏の光線」を思い出しました。これも昔好きだったなあ」



司会者「あと間奏部分に「ザ☆ピ〜ス!」っぽいところがありますよね」

レジー「何か意識してるんだろうか」

司会者「作曲は重永亮介さん、編曲は武藤星児さんという方です。この武藤星児さんっていう方は「チームB推し」とか「ヤンキーソウル」とかをアレンジされてるみたいですね」

レジー「48グループがアッパーな曲をやる場合の選択肢の一つなんだろうねこの方は。いやーしかし「チョコの奴隷」はほんとツボですよ。この前のみいちゃんの「君に恋をした」と同じタイミングでこういう曲が出てきて喜ばしいです。で、そんなことをちょうど思っていた矢先にSMAPの「Mistake!」を聴いたんですけど、これも超かっこいいじゃないですか」


SMAP - Mistake (2013.02.11 SmapSmap) [HD|720p] 投稿者 makino-tsukushi

司会者「カウントダウンTVで見たんですよね」

レジー「タイムシフトでチャートだけチェックしてて、飛ばそうと思ったんだけど何となく見てみたんだよね。そしたらすごい良かった」

司会者「いしわたり淳治が作詞です。作曲がHIKARI、アレンジがCMJK」

レジー「淳治さんほんと手広いね。でも今回注目すべきはそっちじゃなくて、作曲のHIKARIさんですよ。これまで存じ上げなかったんですが、wiki見てびっくりした」

司会者「ELTの「ソラアイ」「恋文」を作曲してるんですね」

レジー「そう。これはびっくりした。ELT2大名曲を書いてる方だったとは。そりゃいい曲なわけだよ。この2曲の知名度ってどれくらいなのかな?曲の出来の割には評価が不当に低いような気もするんだけど」





司会者「ELTは初期のインパクトが強すぎますからね」

レジー「2曲とも2004年リリースで、「恋文」は紅白で歌ってるんだ。知らなかった。このタイミングでなんでこういう曲が出たのかよく知らないんだけど、ELTにとって2004年は当たり年だったんだねえ」

司会者「kjがこのあたりの曲好きなんて話もありますよね」

レジー「そこから「Wipe Your Eyes」につながってるんだもんね。そういやひたちなかで見たなこのコラボ。もっちー声量なくて残念だった」

司会者「去年「道との遭遇」で見たときもそんな感じでしたね」

レジー「うん。デビューのときからそんなに歌うまい印象はないんだけど、まあELTの話はいいや。SMAPの「Mistake!」ですよ。何か「SMAPの曲面白いんじゃね?」ってなったときの曲と同じようなにおいを感じるね」

司会者「このあたりは「ジャニ研!」ちゃんと読んで勉強してから何か述べた方がいいと思います」



レジー「確かに。あれずっと積読になってるんですよ。そろそろ読まなくては」

司会者「SMAPは去年も山口一郎を起用したりといろいろなトライをしていますね」

レジー「アルバムに参加してる人たちとかもね。このアルバム聴いてないから結局こういう人選でいい作品になったのかはよく知らないんですが。でも個人的には「ロキノン」への接近よりもこういう職業作家的な人とやる方が刺激的だな」

司会者「「え、この曲もこの人が書いてたんだ?」みたいな驚きはそっちの方がありますよね」

レジー「そうそう。もちろんシンガーソングライター型の人がアイドルの曲書くのもそれはそれで面白いんだけど、予定調和というかあんまり狙いすぎてる感じになるとちょっとねえ」

司会者「確かに。ちなみに、「チョコの奴隷」も「Mistake!」もいわゆるソウルミュージックが下敷きになってる感じですよね」

レジー「そうですね。これ系の音好きなんだけど何て言語化していいのかわからなくて。ツイッターに投げかけたら、ライターの宇野維正さんからこんなレスをいただきました」







司会者「さすが音楽ライター」

レジー「ね。ツイッター便利すぎる」

司会者「この辺のジャンルは知ってるんですか」

レジー「いや、知ってると言えるほどには知らないです。フィラデルフィアソウルはわかるよ。昔オザケン聴いてた時に学んだ。当時から「強い気持ち・強い愛」みたいなストリングスもホーンもがっちり鳴ってる曲好きなんですよ」

司会者「筒美京平の得意分野らしいですね」

レジー「そうみたいね。いくつか有名どころ調べてたんだけど、こういうのとか超好み」



司会者「かっこいいですね」

レジー「この辺もっと掘り下げたいな。あとサルソウルは不勉強で知りませんでした。これもすげーかっこいい」



司会者「確かに「チョコの奴隷」と同じムードを感じますね」

レジー「あとフォロワーさんでいろんなジャンルに詳しくてその中で最近はアイドルどっぷりっていうすごく今時な音楽遍歴をたどってる模様の@DubTheWorldさんからもこんな指摘が」




司会者「ブルーアイドソウルね。確かに」

レジー「「チョコの奴隷」にぴったりくるこのジャンルの代表曲を出せるほど知らないんだけど、雰囲気はわかる」

司会者「こうやって見ると、アイドルソングと言ってもバックグラウンドにはいろいろ流れているということがわかりますね」

レジー「そうね。で、ぼちぼちまとめに入っていきたいんですが。僕宇野常寛さんの有料メルマガをとってるんですけど、その中にあったこんな一節が気になっていて」

おそらく、アイドルやV系バンドの楽曲だけを単体で批評していい/悪いを論じることにほとんど意味はない。この種の楽曲はアイドルやバンドメンバーのキャラクターを消費する総合的な体験の一部でしかなく、だとすると楽曲がその体験の中でどう作用しているのかを論じるという視点や、そのアイドルを応援する(消費する)という総合的な体験を論じるという視点がないと意味がないことになる。同じことがアニメソングやボーカロイドの楽曲にも言える。

司会者「アイドルにとって楽曲はあくまでも「キャラクターを消費する総合的な体験の一部」でしかないと」

レジー「この文章で宇野さんが言わんとしていることは理解しているつもりなんですが、僕が思うのは「アイドルやV系バンドの楽曲だけを単体で批評」することは決して「ほとんど意味はない」ことではないよなと。少なくとも「音楽が好き」な人にとっては。「これいい曲だなー→これ誰が作ってるんだろう→歴史的に見てどういう流れの中にあるんだろう」って話は「総合的な体験」とは関係なくできるんじゃないかなと思いました」

司会者「特にアイドル周辺に関しては、いろんな作り手が介在する分むしろ他のジャンル、それこそ自作自演を絶対善とする「ロック」よりも音楽的に豊饒な場合もありますしね」

レジー「うん。だから「アイドルの曲なんて聴く価値ない」っていう言説に対しての反論として「いや、アイドルの曲は単体で評価しても意味がない、総合的な体験の一部として位置つけるべき」っていうのは一つの正解だとは思うんだけど、オルタナティブとして「いや、聴く価値のある=掘り下げたりすると面白い曲もたくさんある(もちろん「聴く価値ない」曲もたくさんあるけど、それはどのジャンルでも同じですよね)」というのもあると思うんですよ」

司会者「この辺はそれこそ宇多丸さんだったり、あとベボベ小出さんだったりがそういう立場から発言してますよね。この二人の対談も聴きごたえがありましたね。最初に紹介したリンクからポッドキャストで聴けます」

レジー「「楽曲派」なんて言葉もややもするとちょっと揶揄するようなニュアンスが含まれる場合が多いと思うんだけど、脊髄反射的に「はいはいサブカルワロス」みたいな反応をするんじゃなくて、そういう楽しみ方がもっと確立されていいと思うんだよね。最近アイドル論、といっても大半はAKB論だったりすると思うんだけど、まあいろいろあるじゃないですか。これ系の話って基本的には宇野さんの言う「楽曲は総合的な体験の一部」っていうスタンスから始まることが多い印象で、それゆえ「アイドル論(本格的なものから俗流社会学っぽいものまで)」はあっても「アイドルソング論」ってあまりないなあと。それこそさっき挙げた2人くらいでしょ、「歌手としてのアイドル」について言葉を持ってる人は。あとダイノジ大谷さんか」

司会者「ロキノン的音楽評論からももちろん無視されてますしね」

レジー「そうねえ。実際問題としてあんま需要もないんだろうね。ガチなアイドルファンは楽曲について理屈こねるより現場行って握手する方が楽しいだろうし、って話は以前もしたところです。まあただ、今回SKE48とSMAPからソウルミュージックの歴史に接続できたわけじゃないですか」

司会者「これってまさに、年末の洋楽聴こう運動どうよってネタの中で出てきた「ルーツを探る」って話ですよね」

レジー「そうそう。こういうある種スタンダードな、というか「古くからスタンダードとされている」と言った方がいいのかな、そういう音楽の楽しみ方がアイドルソング起点でできるんだよと。アイドルソングを「キャラクターを消費する総合的な体験の一部」として捉える考え方ももちろんあると思うんだけど、一方でアイドルソング単体を取り出したとしてもそれを音楽の歴史の中に位置づけることも可能ですよね、というsuggestionでした。単純に「チョコの奴隷」も「Mistake!」もかっこいいので、アイドルに関与ない方もぜひ聴いてみてください」

司会者「わかりました。こんな感じで今回は終わりましょうか。次回はどうしますか」

レジー「そうですねえ。この前も書いた「ソーシャル化する音楽」ちょっとずつ読んでるので、キリのいいところまで行ったらそれについてやるかも」



司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」

アイドルと自意識、アイドルの自意識8 - ゆきりんとみいちゃんから考えるAKBの現在地

司会者「以前このブログでMARQUEEのアイドル特集について取り上げましたが、直近の号でも再びアイドル特集を展開しています。表紙は私立恵比寿中学です」



レジー「まだちゃんと読んでないんですが、前回茶々を入れたリード文では結構いいこと言ってるなあと思いました」

課題、いや次も見える。接触ゆえに現場主義な昨今、どうしても盛り上げる為に音楽もアッパー傾向。その沸点はアップアップガールズ(仮)の「UPPER ROCK」で達したはず。さらに浸透するにも、飽きさせない為にも急務なのは、ダイナミズム(押し引き)。必要なのはバラードにスロウダンスだ。

司会者「10月に見たイベントの感想とほぼかぶってますね」

レジー「「UPPER ROCK」が沸点なのかはわからんが、内容はおおむね同意ですね」

司会者「とは言いつつも、今の傾向に歯止めをかけるのはなかなか難しいですよね」

レジー「希望の光だったトマパイも止まっちゃったしね。で、グループアイドルではありませんが「アイドルポップス」というものを大きく見た時、こういう状況に対してゆきりんのソロが風穴を開けるのではないか、という期待をしていたわけですよ」

司会者「以前も「シンガーソングライター路線」にいくのでは?という話をしていましたね

レジー「この時にも触れたようにゆきりんはいつの間にか「AKBアート方面目配せ機能」を請け負っているわけで、最近でも中村佑介と2回目のコラボをしたり「ミエリーノ柏木」という「とりあえず実験的()なことやってみました」みたいな深夜ドラマに出たりしてます。そんな流れの中でソロ曲も何か仕掛けを入れてくるのかなと楽しみにしていました」

司会者「その結果がこれです」



レジー「なんだこの劣化版I wishみたいな曲は」

司会者「もうちょっとやり様があったんじゃないかという気がしますね」

レジー「これならフレキスでやりゃいいじゃん」

司会者「フレキスにしろゆきりんソロにしろ適度にださくないと落ち着かないからこれで良いなんて反応もありましたが」

レジー「まあ言ってることはわかります」

司会者「しかしAKBの派生作品もなかなか厳しい感じになってるんですかね。ある種「企画もの」だったとはいえ河西智美のソロも大して盛り上がらなかったし」

レジー「ちゃんと数字見てないから印象論だけど、まゆゆくらいじゃないか健闘してるのって」

司会者「ユニットに関してはメンバーの脱退とか地方グループとの兼務とかで難しくなってる部分もありますね」

レジー「Not yetなんて大島優子以外3人とも兼務だしどうなるんだろうか」

司会者「一方で地方グループは元気がいいわけで、派生ユニットの存在意義というものを考え直す時期にきてるのかもしれないですね」

レジー「そうねえ」

司会者「そんな中、初期メンバーで構成されていることもあり完全に「不動の3人」になっているグループとしてノースリーブスがありますが、新しいシングル「キリギリス人」がリリースされました」



レジー「ゴールデンボンバーの鬼龍院翔が曲を作ってますね」

司会者「このタイミングでの起用ってのはスピード感がありますね」

レジー「そうですね。この人選については単にタイミングがいいってだけではなくて、すごく理に適ってるなあと思いました」

司会者「ほう」

レジー「このグループって、僕の中では「主要メンバーが組んでるユニット」って認識しかなくて曲もほとんどスルーしてたんですよ。何か一回テレビで見た曲が超絶ダサくて、あーこりゃ聴かなくていいなと思ったことがあって。ただあんまり聴かず嫌いするのあれかなと思って、ちょっと前の作品ではありますがアルバムを聴いてみました。そしたら」

司会者「90sJポップ感満載でしたね」



レジー「うん。歌謡ロックというか、たとえばAKBでいうと「言い訳Maybe」みたいなタイプの曲がいっぱいあって。こういう文脈でやってる人たちなら、ゴールデンボンバーの人が絡むってのはすごく必然性のあることだなあと。ナタリーの記事で「これまでのノースリーブスのイメージを打ち破る楽曲となっている」なんて書いてあったけど、完全に延長線上にある曲だと思うんだよね。で、注目すべきはカップリングに入ってるそれぞれのソロ曲なんですけど」

司会者「たかみな曲は小室哲哉、こじはる曲は石野卓球、みいちゃん曲は川本真琴が作ってます。特定世代の人たちにはたまらない人選ですね」

レジー「90s感ってところからこういう並びにできるってのが王者のやり方だなあと」

司会者「小室哲哉と石野卓球って並びが面白いですね」

レジー「卓球のwikiに載ってるこれね」

小室哲哉所有のフェラーリに、自身の性器をなすりつけ「ここから腐るぞ」と言った。

司会者「これほんとなんですかね」

レジー「なんか卓球がオールナイトニッポンで話して、小室哲哉もそれを聞いたとかそんな話らしいんですね。また聞きですけど」

司会者「この辺の話は2010年のkaikooで七尾旅人がネタにしてましたね」

レジー「ちょうど見に行ってたんですけど、「今から仲裁する」みたいな話で「I’m proud」と「虹」をメドレーでカバーするってのをやってました。あれ良かった」

司会者「そしてその2人に加えて川本真琴です」

レジー「川本真琴ライブ行ったなあ。97年の渋谷公会堂。当時高1の夏休み。懐かしい」

司会者「最初のアルバムが出た直後ですね」

レジー「「やきそばパン」って曲で本人がやきそばパンを投げる演出があって、僕の席の近くに飛んできたんですけど。一緒に行ってた友人が遠慮して隣の人に譲ったんだけど、そうやっていい人ぶったことを帰りにすごく後悔していた記憶があります」

司会者「あのアルバムは何気に名盤ですよね」



レジー「今でもたまに聴きますよ。で、みいちゃんソロ曲の「君に恋をした」なんですが、これは音源を貼っておこう」



司会者「うーん素敵」

レジー「これかなりいい曲なんじゃないかな。感激しました。興味ない方もぜひ一度聴いてみてください。歌詞に具体的な季節は出てこないけど、AKBの今年の桜ソング「So Long!」よりもよっぽど春らしいときめき感と切ない感じがあるよね」

司会者「てかゆきりんの曲とクオリティ違いすぎませんか」

レジー「うん。どうにもチープ感が否めないゆきりんの曲に対して、みいちゃんの曲には堅苦しくなり過ぎないかわいらしさと華やかさがあるよね。歌詞もそうですよ。ゆきりんがこの期に及んで幼馴染との恋みたいな愚にもつかないことを歌わされてるのに対して、「ロマンティックマジック」って印象的なフレーズを使いながら恋に振り回されてる感じを「適度に具体的、適度に抽象的」なバランスで表現して最後に「恋するより愛したい、切なさはいらないから温めあいたい」と告げるのがみいちゃんの曲」

司会者「絶望的な差を感じますね」

レジー「こっちの曲をゆきりんに歌わせてほしかったですねほんとに。川本真琴の曲でソロデビュー、とか今後のことを考えてもパーフェクトだったんだけど」

司会者「単純にこんないい歌がカップリングってのももったいないですしね」

レジー「ほんとそうですよ。とりあえず僕はこの先歌番組に出るであろうゆきりんを毎回がっかりしながら見てると思います」

司会者「わかりました。ぼちぼちまとめに入りますが、今回のノースリーブスのシングル、特にカップリング曲の展開について「いよいよAKBがサブカル方面の刈取りに入った」みたいな捉え方をしてる人もいるようですがそれについてはどうですか」

レジー「うーん、どうなんだろうね。さっき紹介したゆきりんの記事とかその前の記事で書いたように、AKBってすでに「そっち側の人たち」が反応するようなクリエイターを過去にも起用してるんですよね。だから今までもやってきたことが今回たまたまノースリーブスに寄せられたってだけのような気もします」

司会者「まあ確かにそうですね」

レジー「それを踏まえて今回の展開に新しい点があるとすると、今回こだわったクリエイターの人選が「ビジュアルに関わる人たち」じゃなくて「楽曲制作に関わる人たち」だったってこと」

司会者「確かに今まではアートディレクターとかPVの監督とかばっかりでしたね。いよいよAKBが音楽面での勝負をするのか」

レジー「ここからは100%僕の推測なんですけど、今回のノースリーブスの評判が良かったらこの手の展開が本格化するんじゃないかと思います」

司会者「ここは期待を込めての予測ですね」

レジー「そうですね。シーンを見渡すと、音楽を売りにしてるアイドルはなんだかんだで結構苦戦している。一方で、ももクロに顕著なヒャダイン型の詰め込み系ソングも出てきた当初に比べるとスタイルとして手垢がついてきてる。ハロプロ界隈は正直あんまよく知らないんだけど、おそらくあのあたりからがつっとメインストリームに浮上してきそうな感じも現状ではない」

司会者「以前書いた「AKBが保守本流を行き、その周辺で多様化が起こる」っていう構造自体がちょっと辛くなってきてる感じはありますよね。「周辺」での淘汰もさらに進むだろうし」

レジー「そういう中で、「単にベタなだけではない、でもわかりやすい素敵なアイドルポップスをやる」ってポジションが空いてるわけですよ。で、ここで以前も引用した秋元康の「月刊カドカワ」での発言を紹介したいんですけど」

僕がいちばん言われたい言葉っていうのはさ、“・・・・意外と、イイよねぇ~?”なんだよね(笑)

司会者「今のシーンは、「普通にいい歌」方向に振ると「意外といいよね」と言われやすい状況になっていると」

レジー「はい。で、作ってるのが今回のノースリーブスのカップリング群のような作家だと、「え、あんな人がAKBの曲書くんだ?」っていう「意外」感に寄与するわけです」

司会者「なるほど」

レジー「実際のところはたぶん秋元康はこんなこと考えてなくて、本当に「直感」なんだと思うんですよ。ただ、その「直感」を元にしたアウトプットがああいう90sオールスターズみたいなコンポーザーチームだったってのにはやっぱり何か意味があると思うんですよね。僕としてはAKBは見てて楽しいし好きな子もいっぱいいるけど、とにかく音楽が退屈なのが不満だったのでこういうのは大歓迎です」

司会者「ノースリーブスをこういうことやるユニットにするもよし、若手メンバーでこっち系を引き受けるユニットを作るもよし、もちろん本体でがっつりやるもよし、いろんな展開が考えられますね」

レジー「形式は何でもよいので、この流れを途切れさせないでほしいなと。今後のAKBのためにもなるし、アイドルシーンのためにもなるんじゃないかな。そのあたり引き続きウォッチしていきたいと思います」

司会者「わかりました。ではこの辺で終わりましょう。次回はどうしますか」

レジー「そうですねえ。またリスニング環境系の話がバズってたから絡めてもいいかなあ。現状ノープランなのでちょっと考えます」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」

アイドルと自意識、アイドルの自意識7 - Perfumeはその「脚」で道なき道を行く

レジー「アイドル楽曲大賞に投票しました」

司会者「去年まで「ハロプロ楽曲大賞」の中で行われていた企画が今年から独立したみたいですね」

レジー「ハロプロも含めたトータルの大賞を決定してほしいんだけどなあ」

司会者「去年の1位は東京女子流の「鼓動の秘密」でした」



レジー「これかっこいいよなあ。12月の武道館行きます。何気に今年3回目。個人的には去年のベストアイドルソングはNot yetの「週末Not yet」だと思うんだけどね」



司会者「このグループもみんな地方に飛ばされたり兼任になったりしてどうなるんですかね」

レジー「DiVAもフレキスも海外支店とか脱退とかソロとかいろいろあるわけで、派生ユニットの再編は免れない感じだわな」

司会者「確かに。ちなみに楽曲大賞ではどの曲に投票したんですか」

レジー「何曲かに自分の持ち点を傾斜つけて投票できるんだけど、先日取り上げたトマパイの「ジングルガール上位時代」にがっつり入れましたよ」

司会者「去年リリースですが時期の関係で今年のノミネートになってると」

レジー「今年は1位になるんじゃないかなあ。で、この企画の投票サイトには投票対象となってるアイドルグループがずらっと並んでるんですけど、その中にPerfumeがあって一瞬びっくりしました。びっくりした後にそういやそうだよなあと」

司会者「Perfumeはアイドルのなのか?みたいな話はたびたび出てきますよね」

レジー「別にどうでもいい話なんですけどね。ただ、「かわいさ」みたいなことよりも「音楽性」「スキル」といったところに重きが置かれていて、かつ年齢も徐々に上がってきてるわけで、従来のアイドル像とは異なるところにいってるなあとは思う。以前AKB映画についての鼎談で宇多丸さんとコンバットRECさんが「Perfumeはアイドルとして前人未到の境地に達した」みたいなこと言ってたけど、確かにそうだなあと思います」

司会者「で、先日そんなPerfumeの初海外ツアーのライブビューイングに行ったわけですが。今日はその話をするんですよね」

レジー「その予定だったんだけど、もはや旧聞に属する話になっちゃったからなあ。詳しくはナタリーのレポを見てください。とても良かったです」

司会者「それだけですか?前回の予告でも言ってるし前振りもしたわけで、もうちょっと何かお願いしますよ」

レジー「そうですねえ。すでにいろんなところで言われてますけど、Perfumeがあの規模のライブハウスでやるのって今やレアですよね。で、今の彼女たちの売りは大会場で映像・照明含めてすごいショーをやる「総合力」だったりするわけですよ。それゆえフェスで見るとちょっと物足りなかったりするんですけど。そういう「総合力」ってのをライブハウスでどう見せるのかなってのが一つのポイントだったと思うんですが、そこを「edge」でちゃんと示せてたのは良かったんじゃないかな」

司会者「直角二等辺三角形ツアーの演出をコンパクトにしたものを使ってましたね」



レジー「この動画はいつ見ても凄いな。ぜひ次はもっとでかい会場でやってほしいな」

司会者「アメリカでも注目されてるなんて話もありますからね。海外進出に関しては、そのためにユニバーサルに移籍した際の心情をあーちゃんが赤裸々に語っていましたね」

レジー「あれねえ。結構美談にしてたけど実際はいろいろあったんだろうな。徳間にとってPerfumeは超有力コンテンツだっただろうしね」

司会者「この移籍で徳間に09年春に設立された部署「Team Perfume」が解体されたようで、かなり影響はでかかったでしょうね」

レジー「そういういろんな人のいろんな思いを背負って、それでも私たちは海外で戦うことを選んだ、っていう決意の伝わるいいMCでした」

司会者「ライブビューイングには初めての参加でしたがいかがでしたか」

レジー「とりあえず感想としては首が痛かったですね。チケットが前から2列目で」

司会者「それしんどいですね」

レジー「もうちょっといいコンディションで見たかった。あとはああいう映画館でのライブの楽しみ方ってのはまだまだ定着してないから、これからいろいろと「お約束」が形作られていくんだろうなあと。たとえば自分が立った時に座ってる後ろの人はどのくらい見えづらくなるのかとかそういうことに対するイメージが全くわかなかったので、周りに迷惑かけてなかったかちょっと心配。僕府中で見たんですが、他の会場はどうだったんだろうか」

司会者「前方で見た分映像は迫力あったんじゃないですか」

レジー「そうね。全体的にローアングルのカメラワークが多くて。ステップをしっかり見せようというスタッフの意図だと思うんですが、あれだけ脚を見せつけられるとさすがにそこに目がいってしまいますな。かなりエロかった」

司会者「そういう話ですか」

レジー「今やPerfumeの脚は重要コンテンツですよ。少女時代よりも全然いけてますよ。こんなスレまで立ってますからね

司会者「これすごいな」

レジー「09年くらいまではあーちゃんだけ脚が見えない衣装だったのが10年の「不自然なガール」あたりから徐々に短いスカートになって、最近ではみんなしっかり膝の上まで見せてますから。ブレイクした頃から水着グラビアとかやってたわけじゃないし基本的に「色気」みたいな話とは無縁だったけど、最近は脚がっつり見せてあれだけ踊られるとさすがにセクシーですよね」

司会者「確かに「Spending all my time」とかエロスを感じます」



レジー「そのエロスがAKBのようなちょっと「品がない」方向のセクシーとは違うわけで、そのあたりはただエロいって話ではなくて女性層の支持とかにも影響してるんじゃないかなと」

司会者「言いたいことはわかりますがもうちょっと音楽の話をしていただけますか」

レジー「あ、そうでしたね。どうしようかな。個人的には「脚ジャケ」ってのに思い入れがあります」

司会者「はあ」

レジー「僕ツイッターアカウントでブー・カスペル・オルケステルっていうスウェーデンのグループの「アメリカ」ってアルバムのジャケットを使ってるんですけど」
amerika.jpg
司会者「これも美脚ですね」

レジー「このアルバム昔からすごい好きで、高校生のころの背伸びしてた自分の状況をよく表してるんですけど。で、これと同時期にワナダイズってバンドの「Bagsy Me」ってアルバムもよく聴いてました。こっちもスウェーデンです」

bagsy me

司会者「これも美脚だ」

レジー「当時「脚ジャケ」だか「ミニスカジャケ」だか忘れたけど、そんな呼び方で取り上げられてた2枚ですね。渋谷系の流れで「かわいいジャケットの作品を探すのがいけてる」みたいな風潮があった気がするんですが、この2枚はそういう90年代的な気分をすごくよく表してるなあと」

司会者「その頃はカジヒデキも「ミニ・スカート」なんてアルバム出してますしね」

kaji.jpg


レジー「そうそう。その流れで「ミニスカジャケ」とかそんな話になった気が。誰か知ってる人いたら教えてください。そんなわけで、女性の脚ってのはポップミュージックを語るうえで一つの重要なファクターになってるので、Perfumeの脚がエロいって言説にも音楽的な意味があるわけですよ」

司会者「(何を言ってるんだこの人は)そんな意味づけしなくても、単純にPerfumeの脚はエロくて最高!でいいじゃないですか。MARQUEE的な話法になってますよ」

レジー「あの雑誌を「レジーのブログよりアイドルわかってる!」って言っててそれについてリプライしたらブロックしてきた元フォロワーさん元気かなあ。まあそれはいいや。何でここで昔のアルバムの話をしたかというとね、ここで取り上げたアルバムジャケットにおける「脚」「ミニスカート」って、「セクシー」よりも「かわいい」ってイメージを与えると思うんですよ。で、一方で今のPerfumeは「脚」「ミニスカート」っていう記号を「女の子/かわいらしい」から「大人/セクシー」に越境するためのブリッジとして使ってると思うんですよね」

司会者「この前のVOGUEとかはそういうの意識してそうですよね」

レジー「うん。このあたりは歌詞の内容の変化、20代女性の等身大な感じを描く内容にシフトしていく部分ともリンクしていると思うんだけど。で、まとめに入ろうと思うんですが、こういう「越境」みたいな話が今のPerfumeの魅力なんじゃないかなと」

司会者「ほう」

レジー「かわいいとセクシーもそうですし、アイドルとアーティストって話もそう。都会と田舎という軸もあるかな」

司会者「確かに安室ちゃんみたいに「かっこいいアーティスト」方向に完全に振り切ったわけでもないですしね」

レジー「この「越境者ゆえの強さ」みたいな話はkenzeeさんが「童貞ミュージックとヤリチンミュージック」という概念で解説しているので興味ある方は読んでみてください。今後Perfumeの論点になるのは、この微妙なバランスをいつまでキープできるかでしょうね。完全に大人になった時に、今の魅力を保てるか」

司会者「そういう意味では今が一番面白い時期かもしれませんね、Perfume」

レジー「うん。「海外」って変数が入ることで今までとはまた違うゆらぎが出てくるかもしれないしね。純正の日本のポップミュージックが海の向こうでどう評価されるかってのも興味あるし。変わらず追いかけていきたいと思います」

司会者「わかりました。では次回はどうしましょうか」

レジー「もう12月なので、ぼちぼち今年の総括的なネタに行きたいと思ってます。その前に軽いのちょっと挟むかもしれませんが」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」

アイドルと自意識、アイドルの自意識6 - トマパイ「散開」によせて

レジー「いやー宇多田ヒカルの「桜流し」凄まじいな」



司会者「エヴァの映画の主題歌ということで」

レジー「こういう緊張感のある歌を歌える人ってほんと少ないよね。その分本人は消耗するんだろうけど」

司会者「だからこそインターバルが必要だったんでしょうね」

レジー「今回みたいに何かしらタイミングがあった時だけでも曲出してほしいですな。こういうシリアスな音が日本には必要ですよ」

司会者「そうですね。この曲は日付変わって17日のタイミングで各所を駆け巡ったニュースなわけですが、同じ日の昼にもトマパイの解散という衝撃的なニュースが発表されました」

2012年12月29日をもって、2010年5月からスタートしたTomato n' Pineシーズン2を終了とし、それをもってTomato n' Pineは散開致します。メンバーはそれぞれ、2013年から新たなステージに向かって進んで行きます。

レジー「これほんと衝撃ですよ。何があったんだろう」

司会者「メンバーのブログを見ると微妙に温度差があったんだろうなあというのも伺えますね。HINAちゃんがこの先も音楽活動に意欲を見せているのに対して、YUIちゃんは「女優さんとしてお芝居やタレント活動」をすると言ってるし。WADAちゃんは芸能活動そのものをやめそうな感じ」

レジー「まあいろいろ事情はあると思うんですが、ちょっとばかしかっこよすぎるんですよねこのタイミングは。あんな素晴らしいアルバムを1枚だけ残して解散とは」

司会者「あえて「散開」という言葉を使ってますね。YMOを意識してるんですかね」

レジー「それならまたやるかもしれないね、って言っても40過ぎで再結成されても困るわ」

司会者「それは確かに。トマパイはいつから聴いてるんですか」

レジー「いや、もう超新参者ですよ。名前はうっすらとは聞いたことあったんだけど、何かのきっかけで「ジングルガール上位時代」を聴いたのが今年の5月くらい。で、しばらくこればっかり聴いてた」




司会者「インストバージョンも含めて聴きまくってたと」

レジー「うん。これトラックだけ聴いたらピチカートかオザケンかって感じですよ。そもそもタイトルがピチカートのオマージュだし。たぶん人生で一番はまったアイドル曲。なぜかこの曲の動画は埋め込み無効になってるのでリンクから見てください」

司会者「じゃあそこから過去の作品をさかのぼった感じですね」

レジー「そうですね。そうこうしてるうちに「PS4U」が出て。さっきもちょっと言いましたがほんと素晴らしいですよこのアルバムは。超名盤。もしかしたら今年のナンバーワンアルバムかも。もちろんアイドルの中でじゃなくて全体のナンバーワン」




司会者「そこまでですか」

レジー「それくらいのアルバムだと思います」

司会者「何がそんなにいいんですか」

レジー「そうですね、一言で言うと「音楽への愛にあふれている」というか。先達への感謝を忘れずに、新しいものを作っていこうという意思がすごい感じられる。それはさっきの「ジングルガール上位時代」もそうだし、1曲目に入ってる「Train Scatting」とか「大事なラブレター」とか、元ネタを上手に使いながらそれ知らなくても単純にハイクオリティの曲として聴けるってのが楽しいです」





司会者「いい曲ですが、パフォーマンスはゆるいですね。お世辞にも踊りがうまいとは言えないというか」

レジー「まあ文化祭レベルだわな。前も書いたけど最近のアイドルは歌も踊りも普通にレベル高いから、そういう中では異色ですね。そんな異色さはステージに対するスタンスにも表れてるんだけど

WADA 「TIF(TOKYO IDOL FESTIVAL2012)は怖いな。会場も大きいじゃないですか。……怖いよ」

YUI 「でも1日だよね?(※トマパイは8月5日のみ出演) 1日やりきったら、そのプレッシャーから解放されるんだよ」

――TIFは2日間開催で、2日とも出演するグループもたくさんいるんです。トマパイは1日だけなんですから、1日で2日分頑張ってもらわなきゃいけないんです!

YUI 「小さいステージでいいです……」


司会者「清々しいくらい上昇志向がないな」

レジー「ね。この前AXでたくさんアイドル見た時は、出てくる人出てくる人「私たち売れたい!私を見て!」って感じでちょっと疲れちゃったんですよね。そんな中でこの雰囲気は超貴重」

司会者「バックにいるagehaspringsの玉井さんもこんなこと言ってますね

――そもそもTomato n' Pineのお仕事が始まるきっかけは何だったんですか?

「始める前はアイドル戦国時代みたいに言われる前夜というか、AKB48がすごいことになってきそうだなぐらいな感じで。(中略)そこにたくさん人を集めるとか、CDをものすごくたくさん捌く方法論を頭の中で考えてはみたんですけど、何やっても勝てそうになくて」

――あはは。

 「圧倒的な努力がそこには必要で。おこがましくも、それほどダンスとか歌も努力してこなかった子たちが、十代の青春すべてを捧げて戦ってらっしゃるアイドルの皆さんのところに参戦するっていうのは、ちょっと失礼じゃないかと」

――そんなことはないと思いますけど(笑)。

 「同じアイドルのくくりの中にドヤ顔で乗っかるのもどうかと思ったんですね。人数をいっぱい増やして、いろんな選択肢があるようなプロジェクトをしていくっていう考え方ももちろんあるでしょうけど、トマパイは極力少人数で、何かお腹いっぱいご飯食べたあとに寄る、いい感じのカフェみたいにしようと。駅前の食事の戦争には勝てないので、その辺はもうやめておこうっていう」

――激戦区過ぎるから?

 「そう、まず駅前を避けようと。一本通りを離れたところに、敷居は低いけどちゃんといい音楽が流れてて、ちょっと気になるねぐらいの女の子がいて、意外とそこで聴く曲が好きで、あとで調べてみたら古いブラック・ミュージックらしいとか」


レジー「ニワトリと卵の話になるけど、彼女たちのノリとこの戦略はすごく合致してますよね。単に「自然体」みたいなムードを醸し出してるけど、やってることはかなりしたたか」

司会者「アイドルシーンでは戦えないとか言ってる割には、シーンで何が起こってるかをすごく気にしてますよね」

レジー「そうじゃないと「戦わないアイドル」とか「会いに行けないアイドル」とか「音を楽しむガールズユニット」とか言わないでしょう。明らかに意識してる。で、元ネタをチラ見せする曲作りをしてクラブでライブをやると。ターゲット設定も明確ですよね。10代というよりはもうちょっと上の層、アイドル好きだけじゃなくてその周辺も視野に入れてると。戦略の一気通貫度がかなり高い」

司会者「「クラブ」ってのはキーワードの一つになってますよね。先ほど紹介したインタビューでは歌よりも芝居が・・・と言ってるYUIちゃんですら「agehaでやりたい」「音の良いところでやってみたい」なんて言ってますし。で、ちょっと話が前後しますがその「音」を支えているのがYUKIとかいろんな人たちの曲を作っているagehaspringsだと」

レジー「さっき「先達への感謝を忘れずに」って書いたけど、玉井さんはそういうのをすごく意識的にやってるみたいですね。たとえば動画紹介した「大事なラブレター」についても先ほどのインタビューでこんなことを言ってます」

 「<大事なラブレター>は、一言で言うと、カタカナの“シブヤ”をもうそろそろさらっておいた方がいいのかなっていう、そこからスタートしてますね」

――歌詞が分かりやすいですよね。渋谷系は、もうなんと20年近くも前になろうとしているという。

 「そうですね。これは悲観的な話なんですけど、あの時の渋谷の感じってもう二度とないだろうって思うので」

――豊かな感じが?

 「ローファイなものを愛でたりとか、本流じゃないことを楽しめたりとか、そしてそれを提供してくれる場所があったとか、今の日本にどれだけあるんだろう。僕ら自身そういうことをやらなきゃいけないんじゃないかとか、そんなことまで考えてたりさせられている中で、今の世代の人にも、それを知ってる世代の人にも、このテイストを感じてほしかった。薄いんだけどしっかりジャズがあって、ほんのりソウルもあって、でも全体はちゃんと音楽的でカジュアルで楽しめるっていうのが、実はものすごく難しいっていうか、それがもしかして一番貴重かもと思って。だからこれは、わりとそういう思いで作ってますね」

――すごくざっくり言うと、若い人が洋楽を聴く機会が減ってますよね。

 「全然売れてないみたいな話よく聞くんですけど……。そこを楽しめる原体験が減ってるだけだと思うんですよね。なので、トマパイというミッションでそこはやりたかったことのひとつです」

司会者「ふーん」

レジー「トマパイというフォーマットを使っていい音楽を世の中に広めようってのがはっきりしてますよね。こういう意識でやってるアイドルグループってたぶん他にはないと思うんですよ。このインタビューは面白いのでぜひ全部読んでいただきたいです。商売ネタで突然ブギーバックのカラオケをリリースするような人たちとは全然違うわけですよ」

司会者「あれほんとひどいですがここでこれ以上触るのはやめます。話戻すと、もしかしたらこういう「作り手のコンセプト先行型」であるがゆえに長続きしなかったのかもしれないですね。メンバーにも裏方にも「トマパイでなければいけない理由」が生まれなかったというか」

レジー「それはあるかもしれない。たとえばPerfumeもメジャーデビュー時に音楽的野心の大きいチームがバックについてある種「操り人形」にされてたわけだけど、そこまでに培ってきた自我があったから最終的にいいバランスに辿り着けたんですよね。トマパイのような「寄せ集めグループ×がっつり戦略的なチーム」という構造ではこれ以上の何かは望めなかったのかもしれないですね。そういう意味ではここで終わるのは必然であり運命でもあると。そう捉えた方がこっちも幸せだわな」

司会者「最後のライブは12月29日、毎月やってる西麻布elevenにてです」

レジー「結局最初で最後になっちゃうけど何とかして行きたいな。しかしこういうことあると、見たいライブがあったらすぐ行くってのがほんと重要だなあと思いますね。トマパイも今まで行こうと思えば行けるチャンスはあったんだけど、日曜日の夜に西麻布はだるいなとか思ってたらこれですよ」

司会者「好きなアーティストがいつまでも続くかわからない、って意識は持ってないとダメですね。ではぼちぼちまとめたいのですが、トマパイがなくなることは「一応活況を呈していることになっているアイドルシーン」にどんな影響を与えますかね」

レジー「うーん、まあ支持の大きさとかから考えると直接的な影響はそこまでないってのが実情ではないでしょうか。ただ、以前も書いた通りトマパイは「画一化が進むアイドル戦国時代」の中で多様性を担保する重要な存在だったわけですよ。それがなくなってしまうのはじわじわ効いてくるかもしれない。縦ノリでオイオイやるのが苦手な人はアイドルに入ってこられなくなるというか」

司会者「トマパイは「アイドルに興味のない音楽好き」に気兼ねなく勧められる感じでしたね」

レジー「そのポジションが空いたので、アイドルシーンへの参入をご検討されてる方はこの辺が狙い目ですよと。しかしトマパイも止まっちゃうし、リリスクもメンバーの入れ替えがあったり、エッジを立てた音楽をやってるアイドルはなかなか厳しい感じになってるね。盛り上げればOK!の人たちに負けないように頑張ってほしいです。CD買う以外金落としてない自分が言うのも微妙なんですが」

司会者「わかりました。では次回はどうしましょうか」

レジー「そうねえ、久々にフェス話やるか、今回やろうと思ってた個人的な音楽体験ネタかで考えます。最近予告と書くネタの乖離が大きいので今度もそうなるかも。予定は未定ということで」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」
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